「へえ~。これが豆腐か!」 水を張った容れ物に入ったお豆腐に、おじいちゃん興味津々。「アルクと一緒に色々試してみてえが……ちょいと、オレだけで試してみるか」 とはいえ、初めて見る食材に、攻めあぐねる。「うーん、アユム。前世の湯豆腐ってのは、どんな風に作ってたんだい?」「えーとね。昆布でおだし取って、で、人参とか、えのきとかネギとか茹でてね。切ったお豆腐入れるの」 おぼろげな記憶を頼りに、レシピを導き出す。「昆布ってのが要るのか。もっと多めに、小遣い渡しときゃよかったなァ。他の食べ方はないのかい?」「あ。冷奴ってのがあるよ。冷やしたお豆腐に、お醤油かけて食べるの」「へえ。そりゃシンプルだねえ」 と言いながら、考え込むおじいちゃん。「これ、包丁入れたら崩れるな……ヤマトじゃ、どうしてるんだ?」「それならね、手のひらに乗せて切るんだよ」 前世の、お母さんのお味噌汁づくりを思い出す。「手のひら!」 おじいちゃんに、電流奔る!「はー……ヤマト人ってのは、面白いこと思いつくなァ。よし、冷奴にして食べてみるか」 というわけで、調理自体はシンプルなので、あっという間に冷奴が出てきました。 「いただきます」と、お店にいるお父さん、お母さんを除く四人で試食。「……おいしいはおいしいけど、なにか物足りませんねえ」 おばあちゃんが、違和感を口にする。「あ! ごめん! 薬味を使うんだ! えっとね、おろしショウガと刻みネギ!」「玉ねぎ、刻むのか」「ううん。こんな感じのネギ」 ホワイトボードに、前世でよく見かけた、スーパーのネギを描く。「はー。ポロネギ……かねえ? とりあえず、ショウガをおろしてみるか」 というわけで、薬味追加。「あ、味が引き締まりましたね」「だな」 おばあちゃん、おじいちゃんが言う通り、ずいぶん締まりのある味になった。「ハーちゃんは、どう?」「うーん。まあ、おいしいんじゃない?」 ハーちゃん、言葉と裏腹に、いまいちな表情。きっと、湯豆腐とかのほうが、口に合うんだろうな。「こりゃ、オレとアルクでヤマト街出向いて、色々買ってきたほうがいいな。俄然、興味が湧いてきた」 おお、料理人魂に火が点いた!「味噌ってのも、後でいろいろ試してみるか」「うん。使い道、ほんと多い調味料だったよ」 また
Last Updated : 2026-07-10 Read more