「うお~っ! こりゃ、おいしそうっすね~!」 ミートボールと野菜のトマトスープ煮鍋を覗きながら、素っ頓狂な声を上げるシャロン。「おいしそう、じゃなくて、おじいちゃんの料理は実際おいしいよ」「しかし、ほんとうちが食べちゃっていいんすかね?」「もー、ここまで来て、遠慮しないのー」 彼女の背中を、ばしーんと叩く。「はっはっはっ。もうできるからね。遠慮せず、食べていきなさい」 おじいちゃんが、愉快そうに肩を揺らす。「……ゴチになるっす」 シャロンも、観念決まったようだ。「アユムっちのお父さんとお母さん、遅いっすね」「今、書き入れ時だからね。二人が上がってくるのは、もっと遅いよ」「はー……。その、寂しくないんすか?」 いつか、ボクがシャロンにした質問を返された。「しょうがないよ。こういう商売だもん。火曜以外は、なかなかね」「ふーん……」 シャロンが、今の問答から何を得たかはわからない。ボクに自分を重ねたかもしれないし、もっと別のことを考えたかもしれない。「さ、できたぞ。席についたついた」 子供三人とおばあちゃんでテーブルを囲み、おじいちゃんの配膳を待つ。「いい匂いっす~」「でしょ」 やがて、配膳が終わりました。「じゃあ、挨拶はオレがするかな。いただきます」「いただきまーす!」 まずは、お野菜から。お野菜から食べたほうが消化にいいって、前世の栄養士さんが言ってた! ホクホクのカリフラワーを、口に含む。「うまー!」 シャロンと同時に、声を上げる。彼女も、なにか食べたみたいだ。「ミートボール、激ウマっす!」 口に手を当てて、はふはふしながら、感激するシャロン。「お野菜もおいしいよー」「無論、いただくっす」 実に、嬉しそうだ。「シャロンおねーちゃん、あとで、ゲームやらない?」「いいっすよー」 賑やかな食卓を、ふふ、と見つめる。「アユムっちのところは、にぎやかっすねー。うちは、ひとり飯が多くて……」 ちょっと、顔に蔭が落ちるシャロン。「自炊するの?」「あんまり。ママの作り置きを、レンチンするだけっす」 電子レンジ。こっちでは、まだ流行り始めの家電だ。「だから、こうやって家族でワイワイっての、憧れなんす」「土日はお父さんとお母さん、休みじゃないの?」「土日は外食っすね。ママが、休日ぐらいゆ
Last Updated : 2026-07-10 Read more