本日のお洒落コーデは、くすみピンクのニットにグレーのデニム。 肩の部分が少しだけ覗くニットは女性らしい柔らかさがあり、ゆったりとした袖が全体を優しい印象に見せてくれる。 耳にはお気に入りのゴールドのピアスをつけ、ブラウンのバッグを手に家を出た。 涼と会うからといって特別気合いを入れたわけではない。 それでも少しくらいは可愛く見られたいと思う自分がいて、結局いつものお気に入りを選んでいた。 鏡に映る私は普段と何も変わらない。 だけど心の中だけは違った。 今日の私はデートに行くためではなく、涼とのこれからを確かめるために家を出たのだから。 涼とはこれまで何度か行ったことのあるお店でLunchを摂った。 この季節にしてはお昼時というのもあって、ポカポカ陽気で良い天気だった。 そのせいか心もつられて、パッと明るい気持ちで涼と接することができた。 食事のあと、涼の車に乗り込んだ。 この時までのふたりの会話は他愛のないものばかり。 涼は確か、話したいことがあると言っていたはずなのだが。 話を早く聞きたい自分がいたが、こちらから催促するのは嫌だった。 涼はなかなか切り出せないような何か、爆弾発言でも言い出すつもりなのか? 例えば『私に悪いことをしたので、私が嫌悪感を捨てられないようならお別れしよう』とか『別れることになっても仕方がない』とか? ヤダっ。 こんな酷いことされたのに私が振られるような形になるの? ヤダヤダ。 別れるのなら、振るのは私でなきゃ許せない。 ……などと、車中であれこれ嫌な妄想をしていたら、涼の住むマンションの前まで来ていた。「希樹、コーヒー入れるから飲んでって、話もゆっくりしたいし。」「うん、じゃあ、いただこうかな。涼のおいしいコーヒー」 涼の部屋に入るのは何度目だろう。 濃い木目の家具と落ち着いた色合いのソファ。 大きな窓の向こうから差し込む陽射しが、部屋全体を柔らかく照らしている。 落ち着いたブラウンを基調としたリビングは相変わらず綺麗に片付いていて、余計な物がほとんど見当たらない。 窓から差し込む午後の光がガラステーブルの上で反射し、その向こうには二人掛けのソファと観葉植物が静かに佇んでいる。 壁際にはテレビボードとベッドが整然と並び、この部屋の主の几帳面な性格を物
Last Updated : 2026-07-26 Read more