Semua Bab 『裏切者は赦さない。愚かな奴らを一刀両断、追い込みをかける』── 陰謀 ──: Bab 51 - Bab 60

72 Bab

51 ◇希樹、地元に帰る

   私は涼と離婚したあと、二輝のいる地元に帰った。 離婚がはっきりと進みそうになった頃、二輝にはちゃんと連絡をしていた。「あいつは懲りずにまたやらかしたか!」 それが二輝の第一声だった。  私の夫、涼がやらかした一連の行為《青井恵美との不倫》は、 私が涼を捨てることを…… 二輝が涼から私を奪うような形になることを……何の躊躇いもなく、小さな罪悪感を吹っ飛ばしてくれる出来事となった。          ◇ ◇ ◇ ◇  希樹から離婚が成立したと連絡がきて、少なからず驚いてしまった。 いずれ離婚することになるだろうことはわかっていたものの、 思っていたより早かったから。 そしてその理由がいつの間にか俺の知っていた愛結との浮気の件だけでは なく、新天地でできた新しい女のせいでもあると聞いたからだ。  全く涼の奴、何やってんだか。  新しい不倫相手は最初は希樹に接触してきたらしい。  希樹が相手にしないとわかると次は休日に直接自宅を急襲。 呼び出して話をした涼にも相手にされないとわかると、谷村の両親の家へと 直談判に行ったのだとか。 妊娠しているため、随分と強気な振る舞いだったようだ。  「二輝との将来の誓いがなかったら、不安過ぎて発狂していたかも」って 希樹が教えてくれた。  俺のことが心の支えだったって。  俺も同じだ、希樹。 ひとりで今の状況は耐えられなかっただろうなと思う。  おそらく、子供のことを考える余裕などもなく、愛結と子供の前から 逃げ出してたわ。  俺は子供を産んだわけじゃないけど、生後1か月過ぎて 2か月めからずっと一緒に暮らしてみて実感したことがある。 可愛い、ただただ我が子はかわいかった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-25
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52 ◇愛結との決別

  思い立ったが吉日── 夏の暑さがピークを迎え、セミが賑やかにやかましいくらい鳴き続けている中、 俺は佐倉家の門をくぐった。   すぐに佐倉家に出向き、この数か月考えに考え抜いた結果、やはり愛結との結婚はできないと伝え、息子の親権はいただくと主張した。 反対するなら裁判までするつもりがあることも伝えた。 自分には潤沢な収入があり、また育児環境も整え、これまで息子を成育して きているので、おそらく負けることはないだろうと、こちら側にかなり有利で あることを伝えた。 裁判をしたとしても、到底自分達が有利な立場に立てるわけもなく、また裁判することで娘の良からぬ記録が残ることにも思い至ったようで、裁判してもただ自分達が困ることになるだけの佐倉家の3人は、俺の主張する言葉に反論すべき言葉を見つけられなかった。  しかし、やはり子を産んだ母親だからか、子供は絶対渡さないと 愛結が抵抗を試みてきた。 このまま裁判をしても全然負ける気はしなかったが、子供は絶対渡さない といつになく喚く愛結の姿を見て、俺の中の何かがカチっと凹ん場所に きっちりと嵌った。  俺は3人の目の前に愛結と涼の浮気の動かぬ証拠を出して見せた。  「やっぱりお前、浮気してたのか!」愛結に平手打ちする父親。  泣き出しててオロオロする母親。   「こんなことをしていたなんて、なさけない。  私たちは娘の育て方を間違えたようだ。  ほんとにすまない」と父親が謝ってくれた。 「二輝くん、ごめんなさい。  ほんとに申し訳なくてごめんなさい。愛結は私たちで説得します。  ちゃんとしたあなたが孫を育ててやってください。  娘に孫を引き取る資格なんてないから」 そう、母親は言った。「二輝、いつから? それ知ってたの?   疑惑持ってた頃からもう知ってたの?」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-26
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53 ◇赴任  

  二輝の赴任先に息子、陸《りく》を伴い海外での3人の生活が 始まった。 二輝も自分も信頼を寄せていた身近な人間からこっぴどく裏切られ、 深い傷を心に負った。 けれどその後、私たちは一緒に暮らすようになってからも お互いにこの件について突き詰めて話すことはなかった。 二輝と愛結の間にできた陸は、1才になるかならないうちに一緒に暮らすように なったので、私のことは実の母親だと信じている。  3人でのほっとできる寛ぎと癒しのある暮らしは、傷付いた私の心の傷を 薄く小さくしてくれた。 だから二輝が負ったであろう傷もきっと……と、私は考えている。  私たちは、2年に1~2度くらいの頻度で日本へ帰っている。 日本では夫と私の実家に滞在し、どこにも行かずすぐに赴任先へ 戻るようにしている。 そう、愛結に陸を会わせないよう、私たちは慎重に行動していたのである。 そのため、愛結含め佐倉家の人たちは、ここ日本で、自分たちのすぐ側に いながら1度も息子(孫)に会うことは叶わなかった。      結婚後3年と少しの後に娘が産まれた。 息子を丁寧に育てたくて、ホントはもう1年先で自分の子供を と考えていたのだけれど……。 二輝から『もう充分陸は希樹の息子で、元気一杯の良い子に育っているし、 兄弟はあまり年が離れすぎないほうがいいよ』と諭された形で、娘を授か った。  自分のお腹を痛めた子ができたら、陸のことを邪険にしてしまうんじゃない のかとか、そんな心配もあったけれど、それは取り越し苦労で終わった。 陸を愛しいと思う気持ちはなくならなかった。 私は自分の心変わりのないことを確認し、ほんとにほんとに心から ほっとした。  愛すべき夫、そして息子に待望の娘たちに囲まれて、私は本当に幸せな 月日を過ごした。 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-27
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54 ◇息子のこと

  「陸のことだけど、このままでいいのかな?  もし私に遠慮してるとしたら……。  陸への対応に私のことは考えなくていいからね」 「ああ、ありがとな心配してくれて。  母さんからの手紙が来る度に、愛結からの息子に会いたいという嘆願の言葉が 綴られていて、少し罪の意識もあるにはあるけど……。 だからってまだ小さな子に、別に実の母親がいるって教えてしまって いいものかどうか悩ましいよ。 一度会わせてもその次は1年後か2年後か、俺たちのっていうか 俺の仕事の都合でいつ日本へ帰れるかわからない状況じゃぁね。 陸を苦しめるだけじゃないのかな。 君のことを実の母親だと思って幸せに過ごしている生活にだって、 何らかの波風は立つわけだし。 やはり息子が18才になるまでは愛結に会わせるわけにはいかないって、 そう考えてる。  もう母さんとも話し合ってて、そういう方向で進めてるんだ。  だまっててすまない」  「ううん、そんなこと。  陸のことに関しては、あなたの思う通りにしてもらいたいって 思ってたけど、私もその意見に賛成。 陸にはもしかしたらちょっぴり恨まれるかもしれないけど、恨まれてでも 陸の心の安定と落ち着いた今の生活を守っていくのが親の務めだと思う。 陸が18才になって真実を知った時にどんな選択をするかはわからないけど 私じゃなくて愛結と一緒にいたい、愛結こそ本当の母親だからってことで私 の手から離れていったとしても、それはそれでよしとしようって、そういう 腹づもりでいるの。  それとね、こういう風に言いつつも、陸にどちらか一方の母親を選ばせる ようなことはしたくないなぁ~って思ってるの。 おかあさんが2人いたっていいんだしね。 陸が好きな時に愛結に会えるような環境にしてあげたいなって思うんだ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-28
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55 ◇知っていた

  二輝は、息子の陸の誕生日を家族で祝った日の夜、帳が下りる頃になると、毎年欠かさず私を労ってくれた。  「今年も1年息子を大切に育ててくれてありがとう。  俺と息子が幸せな1年を過ごせたのは君のお陰だよ」って。 最初の頃は   「いいよぉ~そんなこと、わざわざ改まって言わなくても……」 なんて返してたんだけどね。 それでも毎年律儀に、私を気遣い労わってくれる二輝に、いつしか私もまた同じ台詞を返すようになっていた。「二輝、こちらこそ……私のほうこそ、この1年息子娘共々私たちを大切に思ってくれてありがとう。とっても私は幸せだよ」って。 ちゃんと真摯に夫の真心に向き合うようになった。          ◇ ◇ ◇ ◇ 月日は流れ、陸が17才の年に夫の会社から日本に帰国せよとの辞令がくだり、帰国する日がやってきた。 陸の学校のことを考えるとほんとはもう1年待って日本へ帰れるとベストだったのだが――――まぁそんな上手い具合にいくはずもなく、さりとてここに息子だけを1年残していくのも不安だったため、家族全員での帰国を決めた。 とうとうこの日が来てしまった。 二輝と私とで決めていたこと、それは――陸に出生の秘密を打ち明けるのは息子が高校を卒業してからということ。 しかし、帰国命令で予定が変わってしまったため、二輝と話し合った結果、私たちは帰国する前に、陸へ真実を話すことにした。          ◇ ◇ ◇ ◇ 引越しの準備で慌しいなか、私と夫は陸に真実を話した。 それは辛い作業だった。 そして更に、私たちは陸の実の母親の仕出かしたことも話をした。 話さずに済むのならと、何度も私と夫で話し合ってきて出した結論だった。「ちゃんと話しておかないと、君が愛結から俺を盗ってしまったという悪い女になってしまうから」と、夫は言った。 陸のことを思うとどんなにショックを受けることか……。 すごく心配していたのだけれど、陸は意外なことを私たちに言った。「知ってたよ、随分前から」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
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56 ◇今のままでいいじゃん

 「子供の頃、日本に里帰りした時のことなんだけどね。 父さんと母さんが出かけていない日に昼寝から起きた僕は 、父さんのほうのおじいちゃんおばあちゃん、伯母たちが自分のことを話していたのを盗み聞きする形になって──自分が母さんの実子ではないことと、どうやら実母が父さんの親友とおかしな関係になったことが原因で、父さんと離婚することになったと知ったんだ。* 他にも大人たちはいろいろと話し込んでたんだけど、子供だった自分にはそれ以上の内容を心に受け入れるキャパがなくて、また自分の布団にもぐり込み泣きながら寝入ってしまった。 次に目を覚ました時は母さんが起こしに来てくれたところだった。 なんかね、その時母さんの顔見てほっとしたのを覚えてる。 いつだってやさしかった母さんが、本当の母親じゃないなんて絶対嘘だ。 うそだ、うそだって、ずっと胸の中で叫んでたんだよね。 ショックはショックだったけど、母さんの愛情を受けてきたこれまでを振り返ってみると、幸せな思い出ばかりだった。 実の子じゃないって聞いても、紛れもなく今までも今も幸せな自分がそこにいて──だから、ひとつも悲しむ必要なんかないって思った。  今日までそうだったように、明日も明後日も幸せな自分が容易に想像できて、あぁやっぱり僕って幸せで、今のままでいいじゃんって腑に落ちたんだよ。 これが……。 子供のクセにさ。 悟り? っていうのかなぁ、悟ってたわ。 きっと父さんと母さんが僕のこと大事に大事に丁寧に育ててくれたからだと思う。 そして僕の両親なら必要になったら必ずその時、僕に産みの母親のこともどうして僕がその人と別れて暮らすことになったのかも教えてくれるってそう思えたんだよね。 信頼? 僕、小さな時から父さんのことも母さんのことも
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
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57 ◇どう向き合えばいいのだろう

  日本へ帰ることが決まった日、僕は両親から出生の秘密を聞かされた。 実の母親に好きな相手ができて、父さんは僕を連れて離婚したって。 そして「いろいろ悩んだ末のことだったけれど、僕を実の母親に会わせずにきてすまなかったな」って父さんに謝られた。 「これからも陸のお母さんでいさせてね」って母さんは言ってくれた。 そして……「陸の母さんは1人だけって決めつけなくていいのよ、2人の母親がいるって考えてほしいの。 だから実のおかあさんにもこれからは会いたい時にいつでも会っていいのよ」って言った。 これが、ふたりが僕に話してくれた全てだった。  父方のおばさんたちは「あんな破廉恥で人で無しの酷い女ウンヌン……」って実母のことを怒っていたから、きっと今日までその実母と会いたいと思うことなくこれたのかもしれない。 もし今知ったとしたら、かなり激しくショックを受けたのではないだろうか! 聞いた時、自分はあまりに子供で、その意味するところを充分わかっていなかった。  年と共にそれがどんなことなのか、どんなに周りの人たちに影響を与えることになるのかを、少しずつ理解し知っていったのだ。 今まで話さないでいてくれた両親には感謝しかない。 だって僕は何も知らないフリで幸せな子供時代を送れたのだから。 んでもって変な言い草だけど、おばさんたちがあの仏壇の間でいろいろしゃべってくれたことにも、今となっては感謝だな。 どちらか一方でも違っていたら、僕は少し心乱されて、この今という時をつらい思いで過ごさなければならなかったろうと思うから。 子供の頃の聞きかじりで明確ではないが── 父の親友を、しかもその親友にも婚約者がいたらしいと聞くので、人の男を寝盗
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-31
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58 ◇便り

  二輝から16年振りに便りがあった。 16年振りだなんて……。 息子にひとめだけでも会いたいと願って16年。 息子も17才になり、この度帰国することが決まったので、息子に会わせるという内容のものだった。 酷い男。 16年間一度も私に息子を会わせてくれなかった。 定期的に会わせてくれるというから親権をあきらめて手放したのに。 こんなことになるのがわかっていたら、絶親権を簡単に手放したりしなかった。 いくら私側に不貞があったからといって、こんなことが許されていいはずない。 私は息子に会える驚きと喜び、そして二輝への憤りに、心臓はドっキンドっキンとものすごい音を出し続けた。 この状態は、私のこれまでの悲しみを爆発させているのだと思いながら苦しい思いで聞き続けた。 二輝は息子と奥さんを私の実家に連れて来ると綴ってあった。 二輝夫婦と息子、私のほうは私と両親。 二輝が再婚していたことは知らなかったので、やっぱりという気持ちと悔しい気持ちが綯《な》い交ぜになった。  自分だって……そう、私だってあのあと別の男性《ひと》と結婚したのだから、驚くようなことじゃないのかもしれない。 だけど、不思議と今まで二輝が陸を連れているせいもあって、彼が結婚しているかもしれないという可能性については、ほとんど考えたことはなかった。 私ったらどこまで馬鹿で愚かな女なんだ。 普通は反対かもしれないのに。 子供を連れた男がいつまでも1人のはずないでしょうよ……と自分を嘲笑してやりたい気分だ。 二輝とつきあっていた頃──大切にされていた頃までの私は、自分のことを馬鹿だとか思慮
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-01
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59 ◇悲惨な現実   

  今更二輝や希樹には言えない私の人生の一部があった。 息子の陸を手放したあとしばらくして、私は両親がツテを使って持ってきた 縁談で1度結婚していた。 私はパートナーというのは二輝のようにやさしくていつも深く懐に包んで くれるのが普通で当たり前のことだと思っていた。 私は世間を……現実を、あまりにも知らなさ過ぎた。           ◇ ◇ ◇ ◇  二輝と陸が私の前から居なくなっても、私はまたいつか二輝が、陸を連れて 私に会いに来てくれるんじゃないかって思ってた。 毎日毎晩その想いを胸に秘め、待っていたのだ。  けれど二輝は、来てはくれなかった。  そんな中、5年経った頃父親に諭されて見合いをした。 「もうどんなに待っても二輝くんはお前のところへは戻って来るまいよ。  5年も待ったんだ。気がすんだろ?  結婚すれば子供だってまた授かれるさ。  いいかげん新しい出会いを探したらどうだ?」  父のその言葉で、私は筒見智之と見合いをして結婚した。  筒見は見た目、普通の風貌で平凡な男性《ひと》に見えた。 恋愛結婚ではないのだから大きな期待もなかった分、トキメキや愛情を 感じることは難しかった。  けれどそれなりにやさしくしてもらって、1年半ぐらいはまずまずの 幸せな結婚生活だったと思う。  けれどある日を堺に、突然夫は私とは必要最限少しか話さなくなった。 そして2か月ほど過ぎた頃、冷たく離婚を言い渡された。     訳の分からない私はもちろん理由を聞いた。 「俺、知ってるんだよ。 俺との結婚前に、君が1人子供を産んでたってことを。  それだけじゃない、当時の婚約してた男からDNA鑑定まで要求 されてたんだろ?
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-02
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60 ◇因果応報

「お父さん、あの人は私の昔のことを理由に離婚を 言い出したの。騙されてたって!  子供を授かった時のことを考えたら浮気するような女の子供なんて いらないって気持ち悪いって、だから結婚生活を続けていく意味もない ってそう言われたの」 「あいつはそんなことをお前に言ってたのか。  卑劣な男だな、今になって。 愛結あの男の言ったことなど鵜呑みにする必要はないよ。 お前には敢えて言ってなかったが、見合い話があった時にちゃんと 先方にお前の過去のことは話しておいたんだよ。 それを聞いても、構わないお前を嫁に欲しいと、彼もご両親も そう言ってきてたんだからね。 それなのに今頃なってお前と別れるためにその話を持ち出すとは 卑怯な奴だ。 気にせんでいい。  今回のことは流産したことも含めてお前に一切非はないよ。  最初は訳有りのお前でもいいと納得して結婚したんだろうけど、 まぁここにきていい女でもできたんだろうよ」「そんな、そんなこと……」「お前から離婚話が出ていると聞いたあと、実は彼の身辺を少し探って みたのだが、どうも女の影がチラホラしてるみたいだ。  皮肉なもんだな。  (親友と恋人)人を裏切って騙してたお前が、今度は裏切られたって ことだな。ただそれだのことさ」  「私にこれでもかってムチ打つ夫。  ばちが当たったって言うの? 何て酷い、酷すぎる。  私は真面目に夫に尽くしてたのに」  「今更だが、あの時の二輝くんも希樹さんも今のお前と同じように 手酷い裏切りに悲しい思いをしたんだろうな」 「……」 俯きながら聞いていた愛結は泣いていた。 「これも試練と思い頑張りなさい。私と母さんが付いてる」 「お父さん、ううっ……」 「お前の夫智之くんも、いつか自分のしたことを償わなきゃならない日が 来るさ。  私たちが手をくださなくてもな。  知らなかったとはいえ、お前にあんなくだらん男を紹介して悪かったな。 すまない、許しておくれ」「お父さんは悪くない。私が、わたし……わる……ぃ」  「この結婚は、あいつ《智之》も全て知った上でそれでもぜひにと、 まとまった話なのに……。 それを人の弱みに付け込んで、自分が外に女を作っておきながら お前の過去を理由に一方的に離婚を迫っているのだから悪いのはあい
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-03
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