「谷村くん、奥さんにも聞いてもらわないといけない話なので。 それじゃあ外でもいいので奥さんと一緒に来て」 一旦、1Fのロビーに行きかけた女に私は言った。 「待ってください。 よろしかったら、家《うち》でお話を聞かせてください。 どうぞ、お入りになって」 「希樹……」 夫の顔は青褪めていた。 そりゃあそうだろう。 会社での不倫相手が、よもやよもやの家への突撃だもんね。 さてさて、どんな良いお話とやらを持ってきてくれたんで しょうね。 楽しみ♪ 女の自信に溢れた態度に私はピンときた。 もしかしてアレかしら? 私と会って話をしてからまだひと月も経ってないというのに……。 青井という女がこうもやすやすと 私の思う壺…… 私の思惑通りの行動を…… こんなに素早くとってくれるなんて、何て素敵なの。 自分の感情とは違う表情をするって案外難しいのね、なんて 私は思った。 私と夫を前にして青井は言い放つ。 青井恵美は、真っ直ぐに私の目を見て重大発言をした。 「私、谷村くんの子供を妊娠しました」 ほっ、ほう~。 やっぱりそのことだったんだ。 ヤルねぇ~、君! 「ちょっ、なにを……何を言ってるんだか……。 いや、希樹違うんだ。 この人は何か勘違いしてるみた いだ。 青井さん、俺たちに子供できるわけないだろう? 変なこと言うなら、帰れよ」 「た、谷村くんどうしてそんなことを言うの。 奥さんより私の方が好きだって何度も言ってくれたじゃない。 将来は奥さんと別れるから私と一
Terakhir Diperbarui : 2026-08-15 Baca selengkapnya