さて、料理のうまい方が偉いというこの狂った世界だが、一応義務教育は存在する。小学校の六年間から中学校の三年間という、現代日本でいう義務教育とまったく同等である。もちろん高校や大学、専門学校も存在するが、『料理こそすべて』なこの世界では、それらの学校への進学率は我々の世界ほど高くはない。専門職に就く人間たちはともかく、一般人は料理さえできればなんとでもなるからである。もちろん進学した彼らは普通の高校生活を楽しんでいるのであるが。さて、本編の登場人物は、というと…まず、主人公の影光やその姉の影羅、同年代の影真、影時は闇食倶楽部内での独自カリキュラムでその辺はキッチリ教えられていた。教師役の影天ほか闇食倶楽部の人間がしっかりと指導していたのである。ここで影光たちはしっかりと教えを受け、料理に関していえば一人前の知識や技法を身に着けたのである。ただ影真と影時は『お前らは甘やかさないからな』と影天たちからスパルタ教育を叩き込まれたが。ただし、料理勝負に関することだけはあまり詳しくは教えられなかった。闇食倶楽部内では料理勝負を禁止していたからである。料理勝負により組織内の序列がひっくり返っても困るというのが大きな理由であった。なにより教えていたらこの物語が始まらなかったかもしれないし。サイラスとリリスも中学卒業後すぐにG.O.D.にスカウトされたが、当時はまだ社会性が未熟だった彼らも、G.O.D.内部での生活によって少しずつそれを身に付けてきた。当時の料理人統括長であるアトラスが実力重視主義であったし、たまにナメた上司や同僚がいても持ち前の料理の腕で全員黙らせてきたのである。ただ、フレイヤだけは違った。彼女だけはリリスと一緒に逃亡したあと普通に義務教育を送り、中学校卒業後は高校に進学することもなく『町食堂 かがやき』を手伝うことにしたのである。逃亡後の生活は不便だったが、この辺はサイラスが裏で手を回し金銭面、生活面でいろいろ便宜を図っていた。中でも戸籍に関しては結構手を尽くしたようであるが…この辺は本編に関係ないので詳細は省略する。
Last Updated : 2026-08-10 Read more