さあ、調理場で吠え続けるアトラスを睨み、サイラスも調理場へ飛び移る。甘味三魔人との対抗戦、ついに最終戦である。いや、厳密にいえばこれはチーム対抗戦ではない。闇食倶楽部対甘味三魔人のチーム戦は、影光と影羅の二連勝ですでに終了している。つまりこれはサイラス対アトラスの新たな闘いにして、両者の因縁の決着戦なのである。「フハ、フハハハハ!殺してやる!殺してやるぞルシファー!!」「…今の私はルシファーではない。その名はとうに捨てた。だが貴様はいつまでも私の幻影に追われているらしいな。何があったか知らんが、あまりにも惨めだ」さあ、新たな勝負として仕切り直した審査員が両者の希望を問う。勝った際、相手に望むことは何か、と。その問いにまずアトラスが嬉々として己の願いを叫び始めた。「知れたこと!ルシファー、貴様の死だ!! この俺が貴様を殺してやる!フハハハ!死ね!死ね!」「だ、駄目だ!生命への侵害はいかに料理対決といえども決して認められない!」審査員長であるAが強くアトラスに告げる。そう、料理対決においても生命への侵害…すなわち『負けたら死ね』は決して認められない。料理が絶対的な力を持つこの世界でも、これだけは人権が優先されるのである。いや『だけ』ってことはないが。――余談ではあるが、実力行使、つまり暴力に手を出す者もごく稀にいる。しかし料理勝負中の意図的な暴力は絶対的な禁忌の一つであり、即逮捕は確実、その場で射殺されても文句は言えない悪行である。ちなみに以前のオーディンの行為も許されたものではないが『オーディンの絶対的権力』『勝負終結後の実力行使』『魔餉気という、そもそも暴力に該当するか不明な行為』ということから有耶無耶にされていたのである――ともかく生命侵害は決して認められないものの、サイラスは勝負を受けるように頷く。そして審査員長Aに対し大声で告げた。「審査員長、こいつは勝負しなければ暴れるつもりだ。そうすれば周囲に被害が出かねない。私が止める。いや、かつての友として私が止め
Last Updated : 2026-07-31 Read more