それから数日ほど経って、首相がお見合い写真をいくつか持って来た。だが、遥貴はそれを開いてもみなかった。「未来、やっぱり僕、王妃を迎えるのは嫌だ。嘘でも他の人と結婚したくない。」夜になって、遥貴はそう言った。ここの所考え込んでいる事の多かった遥貴だった。今、未来の腕枕に頭を乗せ、天井を見つめながら力強くそう言った。「それで?国王を辞めるのか?それとも国王のままで、俺と結婚する道を探すか?」未来も天井を見ながら言った。「僕は、未来と一緒にいられるなら、どっちでもいい。ただ、僕が国王でなくなった時、僕に何の価値があるのか、それが分からない。」そうだ、これだけ帝王学を叩きこまれたのだ。今更普通の人生に戻れと言われても困るだろう。「それじゃあさ、国王を辞めて、大統領になるというのはどうだ?」未来が言ったので、「は?」遥貴は驚いて体を反転させた。「僕が大統領に?それはどうかな。大統領っていうのは選挙で選ばれるんだろ?それに、年齢制限だってあるんじゃないのか?」「いやいや、何せこの国にはまだない制度だからな。これから作るんだから、被選挙権は18歳以上に与えられる事にすればいいんだ。選挙なら、勝てるだろう。お前なら。」未来がそう言った。そこは考えていなかった遥貴は、何と言って返せばいいのか分からなかった。「未来はいろんな事を考えるね。頭の中どうなってんの?」遥貴が言って未来の頭を軽く小突くと、「お前のダディにもよく言われたよ。」と未来が言って笑った。 未来は、大統領制を推進する、国民主権党と接触した。もし遥貴を大統領候補にしてもらえるならば、王制復権党を潰す手伝いをする、と持ち掛けた。国民主権党からしても、国王の人気が高いがゆえに、現政権を倒す事が現実的とは思えずにいたのである。国王の方から大統領制を推してもらえれば、国民の意向も変わるだろうと思えた。 その、未来が留守にしている時に、首相が遥貴の元を訪れた。突然の訪問であった。勉強の最中だった遥貴だが、首相の面会に応じた。「陛下、王妃候補は選んでいただけましたでしょうか?」首相は表面上はにこやかに言った。「いえ、まだ選んでいません。しかし、私は健康でまだ若いのです。そう急がなくてもいいでしょう。」遥貴がそう言うと、首相は困った顔をした。そして、何かを思いついたように、背もたれにより
Last Updated : 2026-07-31 Read more