三人は、神社から少し離れた甘味の屋台で休憩していた。 テーブルと椅子が用意されているのがありがたい。 ソラは細長いスプーンで宇治金時をすくってぼやく。「いきなりデビュー戦になるなんて思わなかったよ。しかも、最後は追い出されちゃうし。何だったんだろうね、あの脳みそ神様」<ヘカトンケイル>を倒した後、あの脳みそは『何なんだ貴様らハ! バグってるだロ! 演算結果を、宇宙の法則を乱すナ! チーターは死ネ! 出てケ! 二度と来んナ! ばーかばーカ!』などとわめき、魔法か何かで三人を神社の外へ瞬間移動させたのだ。 そんな理不尽な仕打ちに加え、当初予定していた配信ができなくなったこともソラには不満だった。<神社>での配信が押して、予定時刻を食ってしまったのだ。「ジョブってやつも、もらわず仕舞いになっちまったな。出禁も食らったし、どうにも納得いかねえなあ」「どう考えたって八つ当たりだもんね」 クロガネが食べているのはメロン味のかき氷だ。 冷たくてふわふわな食感に、爽やかな甘みが心地よい。 イチゴやブルーハワイなどもあったが、なんとなく贅沢感のあるメロンがクロガネの好みだった。「予定の配信は潰れちゃいましたけど、撮れ高はばっちりでしたよ!」 アカリはドリンク片手に鼻息も荒くタブレットを操作している。 赤いタピオカドリンクに見えるが、その正体はメイキュウトキシラズの卵をミルクティーに入れたものだ。食感はイクラのようにぷちぷちしていて、中に甘くてとろみのある液体が詰まっている。少し前に大ブームを巻き起こし、いまでは地上でも定番となったドリンクだ。「最大同接数はなんと4,000! 前回から一気に倍増です!」「おおっ、後楽園ホール2つ分! すげえじゃねえか!」「ふふふ、さっそくクロさんの配信を超えちゃったね」 アカリが成果を伝えると、クロガネとソラはハイタッチをして喜んだ。 勢い余って足をぶつけでもしたのか、テーブルががたがたと揺れる。 かき氷が倒れそうになり、二人は慌てて食器を押さえた。「あれ? まだ揺れてるね?」「地震か?」 テーブルが揺れた原因はクロガネたちではなかったようだ。 ダンジョン全体が小刻みに振動している。 それが十秒くらい続いて、揺れが収まった。「わー、びっくりした」「ダンジョンにも地震があるんだな」「
Last Updated : 2026-07-13 Read more