蛙のような、蜥蜴のような、腐った樹皮のような。 そんな肌を持つ異形の男たちが、ひとりの人間に蹂躙されている。 ラリアットで跳ね飛ばし。 喧嘩キックで跳ね飛ばし。 頭突きで、体当たりで、肘打ちで膝蹴りでナックルで裏拳で跳ね飛ばし、跳ね飛ばし、跳ね飛ばし跳ね飛ばし跳ね飛ばす。 ひとりを掴んで頭上に持ち上げ、何メートルもぶん投げる。 巻き込まれた異形が何人もまとめてぶっ倒れる。 臥藤ショコラはいまハマっている無双ゲームを思い出しながらそれを眺めていた。 その圧倒的な暴れっぷりには、ある種の爽快感まであったのだ。「うぉらっ! うるせえぞクソヤンキーども! いま何時だと思ってんだ!!」 竜巻に巻き込まれたかの如く異形どもがふっ飛ばされている。 旋風の中心にいるのはたったひとつの筋肉の塊。 太い眉、太い首、太い腕、太い胴、太い足、太い声。 暴風に巻き込まれた者たちが、雑草のように吹き散らかされていく。「うっ、嘘だろ……!? 全員レベル50以上にはなってるんだぞ!?」 隣で金髪があんぐりと口を開けている。 神権侵害とやらの効果によほど自信があったんだろう。 ざまあみろと、ショコラは内心で嗤う。 半グレなんて半端者は、何をしようが所詮雑魚なのだ。 臥藤兄妹にとって、こんな兵隊は足手まといでしかない。「お前ら、もっとだ! もっとヤクを食え! ほら、じゃんじゃんあるぞ!」 ユウヤが鞄をぶちまけ、鈍い金色の錠剤がばら撒かれる。 異形と化した半グレどもがそれに群がりむさぼり食う。 ――みゃみゃみゃやややにゃがががぎりりがにゃ 奇声のコーラス。 ある者は口が米の字に裂けている。 ある者は目玉が飛び出しカタツムリのよう。 ある者は耳から手指が生え、ある者は顎から触手が生え、ある者は腹が裂けて大きな口になり、ある者は両腕が歪に伸びて四つん這いになり、ある者は全身から性器に似た肉の突起が生える。「うへえ、キモっ」 ショコラは思わず眉をひそめた。 百鬼夜行と言ったか、昔テレビか何かで見た妖怪絵を思い出す。 文字通り、この世の光景ではない。「ハロウィンにゃまだまだ早えぞ馬鹿野郎ッッ!!」 だが、それ以上に現実離れした男がいた。 クスリで強化し、人外と
Last Updated : 2026-07-13 Read more