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All Chapters of パパと私: Chapter 31 - Chapter 40

97 Chapters

第31章:跪拝1

ブランシュ ドアが開いた時、どれくらいの時間が経ったのかわからない。 ハーロウ夫人が現れ、私の髪を項を露出させる高いシニヨンに結い上げ、目を黒く、唇をマットなピンクに化粧し、喉と手首に、革と苔の香りがするダークでウッディな香水をスプレーした。それから彼女は私を、最初の時には見なかった迷路のような廊下を通って導いた。もっと狭く、もっと暗く、光と音を吸収するざくろ色のビロードが貼られている。ブロンズの壁の燭台は黄色く揺らめく光を放ち、影を歪め、あらゆる隅を隠された脅威のように見せる。 螺旋階段を降りる。狭く、石段は何世紀もの足音で磨り減っている。空気は冷たくなり、濃くなり、鉱物的で地下の匂いが満ちる。我々は館の基礎部分、クラブのレベルよりずっと下にいるはずだ。 暗がりでは見分けがつかない模様が彫られた黒い木の、重厚で一枚のドアの前に出る。ハーロウ夫人は二回、間隔を空けて正確にノックする。合図か、それとも単に我々の存在の告知か。 こもった声が、木の厚みを通して答える。 「入れ」 ダミアン。 腹部があまりにも激しく縮み、二つに折れ曲がりそうになる。脚が震え始める。ふくらはぎから腿まで制御不能な震えが上ってくる。心臓が激しく打ち、耳の中でそれが聞こえ、他の全ての音をかき消す慌ただしい太鼓のようだ。呼吸は短く浅くなる。全力で抑え込もうとする不安発作の前触れ。 ハーロウ夫人はドアを開け、私を通すために体を引く。私は敷居を越える。ドアが私の後ろで、墓所に封印をするような、鈍く決定的な音を立てて閉まる。 部屋はほとんど空虚だ。 家具も、絵画も、窓もない。むき出しの
last updateLast Updated : 2026-08-05
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第32章:跪拝2

私は立ったままだ。動かず。腕をだらりと下げ、手をどうしていいかわからない。沈黙が長引く。終わりなく。耐え難い。脈が首輪の革の下で打つのを感じる。呼吸が意思に反して速くなる。薄い絹の下で乳首が固くなる――寒さで、そう、寒さで。何も説明しないこの合理的な説明にしがみつく。 「回れ」 彼の声は書斎での時と同じだ。落ち着いている。低い。傲慢な。従わせるのに声を荒らげる必要のない声。 私はその場で回転する。動きはぎこちない。裸の足は凍った石の上でためらいがちだ。絹は腰に、腰のくぼみに、臀部の曲線に張り付く。ショーツは何も覆わず、何も守らない。彼の視線が背中で燃え、脊椎に沿って降り、腰、腿に留まるのを感じる。それはほとんど物理的だ。この視線。裸の肌に平らに置かれた手のように。 「戻れ」 私は再び彼と向かい合う。息は速くなり、絹の下で胸が上下する。手のひらは汗ばみ、指は震える。そして下腹部には、あの熱、もはや私を離れないあの忌まわしい熱が、心臓のリズムに合わせて脈打ち、理性が感じたいと思うこと全てと矛盾する。 これは欲望ではない。それだけではない。恐怖ではない。それだけではない。それは二つが不可分に絡み合ったものだ。私の腹のくぼみの灼熱の結び目。手足に放射し、思考を曇らせ、この沈黙の一秒一秒を洗練された拷問に変える。 彼は椅子の前の床を指す。手の最小限の動作。ほとんどぞんざいな。まるで招待客に席を指し示すかのように。 「跪け」 前回、書斎での時と同じ命令。同じ落ち着いた、低い、傲慢な声。しかし今回は、署名すべき契約書はない。執行猶予も、逃げ道もない。契約書は署名された。猶予は期限切れだ。我々は空っぽの部屋にいる。夜の心臓部で。そして私は彼と二人きりだ。
last updateLast Updated : 2026-08-05
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第33章:跪拝3

「時間が迫っている、ブランシュ」 息をする。空気が肺に入る。ぎくしゃくと、不十分に。唇が半開きになる。声はか細く、呟き、吐息。 「ダディ」 呟き。壊れた。かろうじて聞き取れる。私がこれまで発した中で最も難しい言葉。そして同時に、最も解放的な。 「もう一度。私の目を見ろ」 私は彼の視線を支える。彼の虹彩は底なしの井戸。私を貫く二本の黒い刃。しかし今回、私は逃げ出さない。目が水で満たされ、視界がぼやける。しかし頭は下げない。 「ダディ」 声がしっかりする。言葉はついに通じる。ダムの裂け目のように通じる。あまりにも長く抑えてきたものの奔流を溢れさせる。恥辱。そう、まだ。しかし別のものも。奇妙な形の安堵。まるでこの言葉を発することが、存在を知らなかった重荷を取り除いたかのように。 彼は頷く。ゆっくりと。一度だけ。親指が唇を離れ、手が顎を放棄する。彼は一歩、二歩下がる。私から目を離さずに。彼は椅子に座る。長い観察のために身を落ち着ける猫科の動物のようなゆっくりとした優雅さで。 脚がわずかに開き、手は広い肘掛けに置かれる。彼は全存在感で私を見下ろす。なのに、座った彼は立っている時よりもさらに威圧的に見える。もっと君主的。もっと手の届かない存在に。 「さあ、服を脱げ」 顔から血の気が引き、あまりにも速くめまいがする。指が腿の上で凍りつく。 「ここで?」 「ここで。今。私の前で」 私に選択肢はない。もはや全く選択肢はない。指がキャミソール
last updateLast Updated : 2026-08-06
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第34章:跪拝4

彼は背中で止まる。沈黙は深く、自分の呼吸、心臓の鼓動、互いに緊張し合う指の無限小の擦れ合いが聞こえるほどだ。 彼の右手が私の肩に置かれる。軽い、ほとんどぞんざいな接触。それからそれは下りる。ゆっくりと。脊椎に沿って。指は各脊椎をなぞり、各出っ張り、各くぼみに留まる。手のひらの熱が背中に放射し、石の冷たさと対照をなす。肌が震える。彼の手から始まり、全身に、指先、足の指先まで広がる戦慄。 「今日から、お前はもはやブランシュ・スターリングではない。もはやジャーナリストではない。もはや自由で自立した女ではない。お前は私のものだ。私のイニシエ。私の領域」 手は腰のくぼみ、臀部のすぐ上で止まる。指が開き、腰の曲線を包む。 「お前は私が与えるものを食べる。私が言う時に眠る。私が決める時に果てる。それまではダメだ。私の許可なく。これからの30日間、お前の存在のあらゆる側面は私のものだ。身体も、時間も、快楽も。わかったか?」 「わかった」 声は嗄れ、絞め殺されたようで、自分のものとは思えない。 「誰がわかった?」 沈黙。力を思い出させるだけの、ほとんどない圧力の彼の手。契約。約束。脅迫。 「わかった、ダディ」 言葉は今度はより容易に出てくる。相変わらず卑猥で、相変わらず禁じられているが、より容易に。押すたびに少しずつ開いていく扉のように。 彼の手が引っ込む。さっきまで手のひらが置かれていた場所に、冷たさが波のように戻ってくる。彼は私の正面に戻り、しゃがみこむ。顔は私のと同じ高さ。目はもはや冷たくない。今は燃えている。欲望と別の何かで炭化している――裂け目、ひび割れ。彼が下手に隠し、息を奪う人間
last updateLast Updated : 2026-08-06
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第35章:跪拝5

彼はまだ私を見ている。玉座の君主のように椅子に座って。この石と沈黙の王国の絶対君主。 「ダディ」私は呟く。 彼は頷く。一度だけ。それが合図。ドアが開く。ハーロウ夫人は壁越しにセッションの終わりを感じ取ったかのように、もうそこにいる。私は彼女に従い、螺旋階段を上り、ビロード張りの廊下を横切り、寝室に戻る。 脚は綿のように力が入らない。指の痕跡は清らかな火傷のように舌の上に残っている。首輪の痕は心臓のリズムで静かに喉に脈打つ。全身が矛盾する感覚の戦場――恥辱、興奮、恐怖、焦り。 私は絹のまま、冷たいリネンのシーツに包まれ、知らない寝室の闇の中で横になる。首輪だけは外さない。指先で何度も何度もそれに触れる。夢ではないと、全てが現実だと、本当にあの言葉を口にしたのだと、本当に彼の指をしゃぶったのだと、本当に彼のものになったのだと、自分に言い聞かせるために。 もはや私は自分自身のものではない。 そしてこの、私を恐怖させるはずの確認が、奇妙な静けさで私を満たす。 明日、全てが本当に始まる。 ブランシュ この家で二番目の夜。そして私はまだ眠れない。 寝室は美しい。偶然に任せられていない、地味で優雅な美しさ。鉱物的な清涼さを持つ白いリネンのシーツ。わずかな動きにもさらさらと音を立てる。グレイッシュパールのビロードが張られた壁。光と音を吸収する。マホガニーのチェストの上に生けられた白いユリの花束。花びらは蝋のような白さで、むせかえるような香りが夜でも部屋を満たす。金色の鳥かご。その扉は鍵がかかっていない。鍵をかける必要はない。首輪だけで私を囚人として引き留めるのに十分だ。 朝、ハーロウ夫人が銀
last updateLast Updated : 2026-08-07
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第36章:感覚遮断

何もない。部屋の中央に一台の架台があることを除いては。 暗い、重厚な木の架台。正確な角度で傾斜している。黒い革のストラップが四隅にぶら下がっている。厚く、頑丈で、スチールのバックルがついている。その物体は中世の拷問器具に似ているが、それが痛みを与えることを意図していないのはわかっている。それだけではない。それは拘束し、露出させ、あらゆる動きを奪うことを意図している。 ダミアンは既にいる。 架台のそばに立ち、手にグラスを持って――彼が決して飲まないあの同じウイスキー。舞台の小道具のようにそこに置かれたままだ。彼は私が入ってくるのを見る。そして彼の視線は昨夜から変わっている。もっと強烈で、もっと集中し、もっと燃えている。目に新たな決意がある。まるで最初のセッションは序章に過ぎず、今夜、真剣なことが始まるかのように。 「近づけ」 主の言葉。主の音。私は架台まで歩く。裸足は石の凹凸に敏感だ。彼はグラスを床に置く。何か儀式的で不可逆的なものを持った仕草で。それから彼は私の手首を取り、片方ずつ、上部のストラップに結びつける。革は柔らかいが、掴みはしっかりしている――バックル一つ、二つ、あまり緩くもなくあまりきつくもなく、熟練した精密さで締める結び目。腕は頭の上に上げられ、V字に開かれ、既に肩は痛む。 それから彼は私の足首を下部のストラップに結びつける。全てを露出させ、いかなる親密さも許さない幅に脚を開かせる。架台は私を立ったまま、わずかに前傾させ、腕は宙に、脚は開かれ、背中は反らされ、尻は差し出されている。私は縛られた供物。動けない肉の彫像。狩人の意のままになるのを待つ、動けなくされた獲物。 彼は私と向かい合う。手は黒い布を掴む。長く、絹のような。ジャケットの内ポケットから取り出す。遅く、几帳面な動作でそれを目隠
last updateLast Updated : 2026-08-07
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第37章:感覚遮断2

差し出された。 無防備な。 最も原始的で、最も動物的で、最も真実の感覚に還元されて。 最初は沈黙。長引き、計り知れず、底知れない沈黙。耳を澄まし、彼の存在の手がかりを必死に求める。吐息。足音。布の擦れ。何もない。視覚的な暗闇と同じくらい圧迫的な音の空虚。彼は去ってしまったのかもしれない。目の前にいるのかもしれない。知る由もない。 それから彼の吐息。すぐ項の近くで。 彼は私に触れない。そこに留まる。あまりにも近く。肌の熱、息の匂い、私の肌から数センチのところにある彼の存在の振動を感じる。項の小さな産毛が逆立ち、肩が収縮し、長い戦慄が脊椎を走る。彼は私に触れない。それが触れるよりももっと悪い。期待は接触よりも破壊的だ。 「お前は放棄を学ぶためにここにいる」と彼は耳元で呟く。声は暗いビロードの一片。「真の放棄。もはや計算せず、もはや制御せず、もはや抵抗しない放棄。お前は人生を制御することに費やしている。記事も、調査も、カバーも、嘘も。大胆不敵なジャーナリスト、強い女、完璧な娘というイメージ。ここでは、お前は何も制御しない。いつ私が触れるかも。どこを。どのように。何を使って、も」 彼は遠ざかる。足音が石の上で反響する。ゆっくりと。測定されたように。架台の周りを回りながら。止まる。再び歩き出す。動かなくなる。耳を澄まし、聴覚で彼の軌跡を追おうとするが、不可能だ。部屋の音響は欺瞞的。音は石の壁に跳ね返り、歪み、増幅する。彼はどこにでもい得る。後ろ。前。右に、左に。狩人は遍在し、獲物は盲目だ。 暗闇の中で時間は拡張し、一貫性を失う。五分。十分。一時間、多分。もはや全く時間の感覚がない。身体は緊張したままだ。各筋肉は警戒し、各神経は張り詰め、各神経終末は強
last updateLast Updated : 2026-08-08
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第38章:感覚遮断3

「お前の身体は理解し始めている」と彼は呟く。そして彼の声は左から聞こえるのに、手は右にある。もはや彼がどこにいるかわからない。完全に見当識を失っている。時空間の基準点を全て奪われて。 彼はまだ始めたばかりだ。 羽が戻る。腹を下り、臍の周りを回り、もっと下へ冒険する。私の親密な部分のまさに境界線。敏感な点にあまりにも近い皮膚の滑らかな部分をかすめる。猿轡の中で呻き声をこらえる。腿の内側に留まる。皮膚がさらに柔らかい場所。それから上がり、肋骨で止まり、再び動く。 それから別のもの。冷たい。硬い。氷。彼が鎖骨の上で滑らせる立方体。それから胸骨に沿って。それから胸の周囲に。冷たさは刺すようで、ほとんど痛い。そして張り詰めた乳首の熱との対比は、絶妙な拷問の一形態だ。氷は溶ける。一滴一滴。水滴が腹を伝い、身体のくぼみに入り込む。 彼はそれを肋骨の上で滑らせる。一本ずつ。低い声で数える。腰の上で。腰のくぼみで。臀部の曲線で。冷たい水が腿の間を流れる。親密な肌の上を伝う。そしてこのとても熱く、とても敏感な部分への冷たさの衝撃が、猿轡でかき消された呻きを私から引き出す。 「呻いてもいいとは言っていない」と彼は呟く。 氷が消える。立方体は鈍い音と共に金属製のテーブルの上に置かれる。沈黙が戻る。そしてそれと共に、空白の、不在の、欲求不満の罰。学ぶ。認可されていないあらゆる反応は、撤退によって制裁されることを。快楽は彼が決めた時にのみ訪れ、一秒も早くはないことを。 それから熱が戻る。今度は彼の口。ただ彼の唇だけ。半開き。項から脊椎へと下りる。決して皮膚に触れずに。ただ熱く湿った吐息だけ。決して完遂されないから正気を失わせる、ほとんど接触。皮膚に口
last updateLast Updated : 2026-08-08
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第40章:感覚遮断5

「言え」 鼻をすする。声は壊れたか細い糸。しかし言葉は来る。昨日よりも容易に。さっきよりも容易に。ほとんど自然に。ほとんど明白に。 「ダディ」 彼は頷く。立ち上がる。私をそこに残す。スツールの上で。腕は痛み、腿は震え、親密な部分はずぶ濡れ、頬は涙の筋がついたままだ。振り返らずにドアに向かう。 「明日、続ける。お前は才能がある、ブランシュ。お前が信じているよりもずっと。そして私が予想していたよりもはるかに。しかし道はまだ長い」 彼が先に出る。 私は座ったままだ。一人で。蝋、革、そして自分自身の興奮の匂いがするこの石の部屋で。ストラップは今は空っぽで、架台から力なくぶら下がっている。目隠しは石の上に落ちている。灰色の上の黒い染み。シリコンの味が口の中に残っている。服従の、強制された沈黙の、放棄の味。 もはや自分が何を求めてこのクラブに来たのかわからない。永遠の昔。まだジャーナリストだった頃。まだ自分をブランシュ・スターリングと呼んでいた頃。肌を失わずにこの世界に潜入できると信じていた頃。 しかし、私は以前と同じようには帰らないだろうということは既にわかっている。 スツールから立ち上がり、ハーロウ夫人がドアで手渡す部屋着を羽織り、震える脚で螺旋階段を上るこの女――この女はもはや完全にブランシュ・スターリングではない。 彼女は別の何かになりつつある。 恐怖させる何か。 羨望を抱かせる何か。
last updateLast Updated : 2026-08-09
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第39章:感覚遮断4

「お前は果てたい」 質問ではない。声は嗄れ、封じ込められた欲望でしわがれている。そしてこの完璧な制御のひび割れは、私がこれまで聞いた中で最もエロティックなものだ。 「お前は果てたい」と彼は繰り返す。手が腰に食い込み、指が肉に沈む。「言え。果てたいと言え。それを必要としている、待つのにもう耐えられないと言え」 猿轡が私が話すのを妨げる。彼は自分でそれをはめた。知っているのだ。懇願するという完全な不可能性を。獲物に残された唯一の力を奪う、この洗練された残酷さを。言葉にできずに欲望すること、それを懇願する力を奪われることがどういうことかを私が知ることを望んだのだ。 彼の手が腹の上を滑る。下りる。ゆっくりと。指一本ずつ。親密な部分の境界で止まる。触れられることだけを求めている、滑らかで灼熱の三角形のすぐ上。指が肉の縁を撫でる。とても薄く、とても敏感で、転換点にとても近い皮膚。1ミリ低ければ、彼はクリトリスに触れるだろう。第二の心臓のように脈打つ腫れたボタン。1ミリ。 「今夜はダメだ」 手が引っ込む。 腰が遠ざかる。 冷たさが氷のように、破壊的に、波のように戻ってくる。 膝が折れる。ストラップだけが支える。嗚咽が喉に上がり、猿轡にぶつかり、哀れなキーキーという音で逃げる。目隠しの下で目が濡れる。純粋な欲求不満の、満たされない欲望の、恥辱の涙も――そんなに強く欲望した恥辱、拒否された恥辱、マスターの手が腿の間にあること以外に何も望まないこの生き物になってしまった恥辱。 彼は最初に猿轡を外す。シリコンの玉が口から滑り出る。冷たい空気が肺に殺到
last updateLast Updated : 2026-08-09
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