レオンハルトとミレイユは、この塔から直径一キロメートル以内の確認をしていくことにした。「一キロなら少し足場が悪くても、普通の女性の脚で往復1時間もあれば帰れる距離だ。一人ならここまでだな」レオンハルトが、周辺を見回しながらいう言葉に、ミレイユも頷いた。「私は戦闘体験はないので、やっぱり安全な場所を中心に行動した方がいいですよね」魔物よけの鈴をチリンと鳴らす。一キロ以内といっても、木々に潜り込めば、もう塔の姿は見えなくなる。一人で歩く姿を想像して、ミレイユは不安になった。「一応一キロメートルまでは把握するピンを打つけど、採取に没頭していたら心配だからできれば移動は500メートル範囲ぐらいまでを意識して欲しい」そう言いながら、レオンハルトは、一定の距離を歩くごとに地面へピンを打ち込んでいく。ピンは魔力塗料を塗った特製ピンだ。それを地面に埋め込んだ瞬間から、昼夜を問わず光り、半永久的に目印になる。この土地の魔力を使って、それだけで光を維持してくれるのだが、魔力をよく含む土地だったため光もしっかりと放ってくれた。「500メートルのところには、色の違うピンを打ち込んでおくからこれを目印にしてくれ」作業をする彼の横で、ミレイユはしゃがみ込み、魔法草や風鳴草を一株ずつ丁寧に摘んでいく。今日の探検も重要な採取時間だ。「ハイポーションって材料が手に入りにくいんですけど、ポーションだけは、この魔法草と水だけで作れるんですよ」摘み取った葉を指先で転がしながら、ミレイユが続ける。「それだけに、効果は魔法草と水の品質で決まります。ここの魔法草と水は見たことないぐらい魔力を含んでますから、きっと良いポーションになります」「そうなのか?ポーションは店によって効果が違うから、みんな月影亭のものは確かに人気だったが、それだけ良い素材で作っていたんだろうな」ミレイユは、頷いた。「もちろん、作る人の腕も影響はするんですけど、製法そのものは、初心者から始める薬というかんじですね。
Last Updated : 2026-07-23 Read more