レオンハルトは、外で焚き火をしながら、4階の木箱のもので不要なものと思われるものはどうすればいいかミレイユに確認をしようとした。けれど、机に向かって作業するミレイユに声をかけそびれてしまう。ミレイユは、最初こそ何か作るときに迷っていたようだったが、集中し始めると真剣な横顔と手の動きは淀みなく、行動に無駄がない。そんな姿に少し見惚れている自分に、レオンハルトは思わず赤面する。怪しむところはないし、いい子なんだが、ミレイユが尋問を受けた理由もわからないんじゃないんだよな……あのヘルカーンに襲われるという緊急事態にも関わらず、自身に巻いてくれた包帯を使った救命、敵に睡眠玉の投げるタイミング、ヘルカーンの解体――全部が的確で18歳とは思えない。まるで、鍛えられた兵のような対処方法だ。そして、本業の錬金術についてもすごい能力の持ち主であることを感じ取っていた。師匠から叩き込まれたと言っていたが、王都でもこのレベルの錬金術師はそうそういない。魔術師ほどではなくても、錬金術師には、普通の人よりも多い魔力量と素質も必要だ。ものを扱う繊細な手先に膨大な知識……よほど、子どものころから才能を見抜かれていたのだろう。ダリウスや師匠たちの仲間と疑われるほどの才能があるからということか……もちろん、ミレイユに恋を意識したこともあるのだろうが、レオンハルトは、彼女のことをもっと知りたくなっていた。◇結局、集中している彼女に声をかけられなかった。はあっとため息を一つつく。「せめて、木箱の中の分別だけでもしておくかな」木箱の蓋を、ガタガタと持ち上げて開ける。中は……「冊子でぎっしりだな……」一冊、手に取る。レオンハルトは、その紙を透か
Last Updated : 2026-08-01 Read more