涼真の声は震え、かすれた声を喉の奥から無理やり絞り出すように言った。目は真っ赤に充血し、その目尻には悔しさと胸の痛みが入り混じった涙がにじんでいる。思い出した。花音は面会に来るたび、ある男性の話をしていた。彼のことを話すたびに、その澄んだ瞳は、まるで星を宿したように輝いていた。「お兄ちゃん、あの人はすごく優しくて気遣いもできるの。たくさんプレゼントもくれるし、私たちの記念日も全部覚えてて、私が落ち込むと根気よく慰めてくれる。お兄ちゃんたち以外で、私に一番優しくしてくれる人なの。私、将来は絶対あの人と結婚するんだ」あの頃の涼真は、本気で花音はこの世で最高の相手に出会えたのだと思っていた。自分の代わりに妹を大切に守ってくれる人なのだと。だが、まさか花音が出会った相手が明臣だったとは、夢にも思わなかった。あの愛は、最初からすべて偽りだった。桐谷家に復讐するため、花音を陥れるためだけに周到に仕組まれた罠だったのだ。花音は昔から純粋で心優しい。心の底から愛していた相手が、一度も自分を愛したことなどなく、それどころか復讐の道具として利用していただけだったと知ったら……どれほど傷つき、苦しむことになるのだろう。涼真の胸は、無数の針で刺されるように痛んだ。「明臣……どうすれば花音を見逃してくれる?」涼真の声はかすれ、その目には、ほかの囚人たちと同じような、すべてを諦めた絶望だけが浮かんでいた。今ここで「死ね」と言われれば、ためらうことなく命を絶ってしまいそうなほどだった。明臣は、その瞳に広がる絶望を満足そうに見つめる。薄い唇がゆっくりと動き、指先で数珠を繰る速度が少しだけ速くなった。「因果応報だ。涼真、君が詩織に与えた苦しみは、君と妹に百倍、千倍にして返してやる」涼真の瞳が震えた。「明臣……三年も一緒にいて、本当に花音に少しも情なんてなかったのか?花音が真実を知ったら、きっと君のことを一生恨み続ける。絶対に許したりしない!」その瞬間、明臣の口元の笑みがわずかに消えた。数珠を繰っていた指先も、ぴたりと止まる。どの言葉が胸に刺さったのか、自分でも分からなかった。静かだった心に小さな波紋が広がり、それは次第に大きくなって、抑えきれない不安へと変わっていく。明臣は胸の奥に湧いた感情を無理やり押し
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