師範大学の講義棟の廊下。古びた自動販売機がガタガタと音を立てながら缶を2本吐き出した。ギョンシンは爽やかなマスカットジュースを、キボムは冷たいブラックコーヒーを手に持ち、廊下のベンチに並んで座った。「キボム、ごちそうさま。」「これくらいどうってことないよ。今度ちゃんとしたご飯をごちそうするから。」私のバッグを代わりに持ってくれた上に、飲み物まで買ってくれるキボムの心遣いがなんだかくすぐったかった。お金を出したのはキボムなのに、彼はまるで貴重なガラス細工でも扱うかのように慎重なまなざしで私の顔色をうかがっていた。「シン、本当におっきな怪我しなくて本当によかった。」「うん、心配してくれてありがとう。」現世の慌ただしさの中で向き合った大切な友達は、その存在だけで胸がいっぱいになる慰めだった。「……体調はどう? どこかおかしいところはない? 噂ではかなり深刻だって聞いたけど。」「はは、噂って? 国語科の地味な子が大きな怪我して入院したってそんな風に広まったの? 見てのと通り、私すごく元気だよ。」「え? ははっ! シン、地味な子なんて。高嶺の花だったろ、お前は。」キボムは低く笑い声を立て、濃い瞳で私をじっと見つめた。まるで、珍しくて神秘的な生き物を探求するかのような視線だった。今のこの妙な親密感は、ギョンシンが知っていた距離感とは明らかに違っていた。「高嶺の花なんて、なんだか変な感じ。記憶を失う前の私を知っているのはテハさんだけだと思ってたのに、一人増えたね。あなたがここにいてくれて本当によかった。」「あは……。」瞬間、廊下を満たしていた空気の流れが微かに歪んだ。彼の目元にほんの一瞬、寂しげな残像がかすめて消えた。キボムは口元に浮かんでいた笑みをゆっくりと引っ込め、どこか切な気な手つきで私の髪をそっと撫でた。「シン、ずっと君が気になってたんだ。こうして直接会えて……本当に嬉しい。」「会いに来てくれてあ
Huling Na-update : 2026-08-18 Magbasa pa