All Chapters of 自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました: Chapter 121 - Chapter 130

135 Chapters

121話 叔父さん

 修学旅行2日目の朝、朝食を摂った後宴会場に全員が集められ今日の予定と注意事項を聞く。 今日は始めにガラス細工の体験をした後に海上自衛隊函館基地に見学に行くという事だ。 そういった連絡事項が終わり、部屋に戻り支度をして再度駐車場に集合となった。  準備を済ませロビーを歩いていると楓の姿があった。 話しかけようと近くまで行くと、ホテルの主任と何かを話していた。 しかし妙に親し気に話している。 楓もそうだが、いくら相手が学生とはいえ主任がそんな馴れ馴れしく話すのは非常識なのでは? それに楓ちゃんとか呼んでるし! これは馴れ馴れしすぎる! と思い二人の間に割って入る形で「おはよう楓」 と挨拶すると楓は笑みを浮かべて「おはよう~」 と小さく手を振ってくる。 すると主任も俺に気づき「おはようございますお客様」 とお辞儀をしてきたので、軽い嫌味を込めて「そんなに畏まらなくてもいいですよ。楓に接する時みたいにフランクにしてください」 と言うと主任は「そうかい? では遠慮なく」 と言った後「君が佐藤友也君かな?」 と聞いてきた。 というか本当にフランクに接してきたな。「はい、そうですけど何か?」「そうかそうか、君が友也君か」「えっと、だから何でしょうか?」 なんなんだこの人は? フランク通り越して何だか上から見られている気がする。 などと考えていると「いつも姪の楓がお世話になってます」 と言って軽く肩をポンッと叩かれた。 え? 今なんて言った? 楓が姪? って事はこの主任は楓の親戚? 俺が混乱していると楓が「ごめんね急に、驚いたでしょ?」「え、いや、まあ、うん」 俺が驚きで言葉に詰まっていると主任が
last updateLast Updated : 2026-10-20
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122話 隠し部屋

 ホテルの中に入ると暖房が効いていて冷えた体には暑い位だった。 ロビーにある暖炉の前を通り過ぎエレベーターへ向かう。「ちゃんと部屋に戻ったら身体温めろよ」 と言うと「わかってるってー」 と先程までのアンニュイな感じは消えていた。 そのままエレベーターに向かっていると、不意に南に腕を引っ張れ後ずさってしまう。「なんだよ急に」 と文句を言うと、南は慌てた様子で「大変だよ! エレベーターの前に先生が居る。いつの間にか就寝時間になってたみたい」 南に言われ俺も慌てて確認する。 南の言うとうり先生が見張っていた。「どうしよう、このままじゃ部屋に帰れないよ~」「それどころか部屋に居ない事がバレたら強制送還されるかもな」「えー!、まだ帰りたくないよ~」 くそ! どうにかして戻りたいがどうやって先生の目を盗めばいいんだ。 仮に1階の先生をやり過ごしても3階と4階にも見張りの先生は居る。 その先生達もどうにかしなきゃならない。 そう考えていると再び腕を引っ張られた。「トモ、大変! 先生がこっちに来る!」 南が指さす方を見ると別の先生がこちらへ向かってきていた。「どうしよう、ねぇ、どうしよう」 かなり焦っているのか南は俺の腕をグイグイと引っ張っている。 結構痛いが今はそれに構っている暇はない。 どうする? どうすればこの状況を打開出来る? と考えていたその時、一枚のポスターが目に入った。  これだ!「南、こっちだ!」 と言って南の手を握ってポスターの方へ移動する。「どうしたのトモ、こんな所じゃ直ぐに見つかっちゃうよ」「それがそうでもないぞ」 と言って俺はポスターをめくった。「これって!?」 そう、俺が見つけたポスターは昨日田口が見つけた隠し部屋の入り口だった。 昨日は中までは見
last updateLast Updated : 2026-10-21
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123話 友達

 強く抱き締めた後、力を抜いて南を起き上がらせる。「……トモ?」 キョトンとしている南に向かって「大事な話があるんだ」 と真っすぐ南の目を見る。 何かを察したのか、南は俺の上からどくと横で正座をする。 俺も起き上がり姿勢を正す。「大事な話ってなに?」「俺、やっと自分の気持ちに整理が出来たんだ」「それじゃあ誰を選ぶか決まったってこと?」「ああ」「そっか」「俺は……」「ちょっと待って! 心の準備させて!」 と言い南は深呼吸を何度か繰り返す。 そして「うん、もう大丈夫!」「じゃあ改めて、俺が好きなのは……」  俺の素直な気持ちを南に伝えると「そっかー、やっぱダメだったかー」 と言って分かりやすく肩を落とす。「ごめん、長い間待って貰ったのに……」「ホントだよー。期待させるだけ期待させといて振るんだもんな~」「……ごめん」「それにさっき抱きしめてくれたのはなんで?」「それは……感謝の気持ちというかなんというか……」「そっか、トモなりの情けだったんだね」「……ごめん」「まったく、乙女心弄んじゃって~」「……悪い」 この件に関しては何も言い返せない。 これで絶交されても受け入れる覚悟だ。「本当に悪いと思ってる?」「ああ、心の底から悪いと思ってるよ」「だったら……」 ゴクッ。 一体なにを言われるのだろう。「私と親友になって!」「……え?」
last updateLast Updated : 2026-10-22
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124話 避ける

 翌朝、睡眠不足で重たい瞼をこすりながら朝食を食べていた。 昨日部屋に戻ってから南と何をしていたのか色々聞かれたのだ。 俺は正直に一人の人に決めた事。 そして南を振った事を伝えた。 俺の遅い決断に中居は「やっと決めたのかよ、この優柔不断男」 と言われてしまった。 対して水樹は「友也が自分で決めたんならそれでいい。ちゃんと気持ち伝えろよ」 と言ってくれた。 思えばキャンプの時から皆を待たせてしまっている。 だからこそ今回の修学旅行でキチンと気持ちを伝えたい。 朝食を済ませ部屋に戻ると、まだ田口が寝ていた。 それを見た中居が無理やり布団を剥がし「いつまで寝てんだ!」 と一喝するが、田口からの反応が無い。 おかしいと思い田口の様子を診ると呼吸が荒く顔も赤く火照っていた。 おでこに手を当てると素人でも高熱とわかる程熱かった。 「凄い熱だ。ちょっと先生呼んでくるからタオルを濡らしておでこに置いておいてくれ」「わかった」 俺は急いで先生達が泊まっている2階に向かった。 2階に着くと丁度良く担任が居たので事情を話す。 担任は保健医を連れて行くから先に行ってろと言ってその場を去った。 俺は言われた通りに部屋に戻る。 俺が部屋に戻ってから5分程で担任と保険医が来た。 保健医が熱を測ったり瞳孔をチェックしたりして一通りの診察を終えると「ダメね。近くの病院に行きましょう」 と言ったので俺は反射的に「そんなにヒドいんですか?」 と聞くと「只の風邪だと思うけどかなりの高熱だから医務室では十分な治療が出来ないってだけよ」「そうですか」 保健医はそう説明した後スマホを取り出して何処かへ連絡をしている。 担任は俺達には体調に異常は無いか聞いて「不幸中の幸いだなー。田口と同じ部屋ならお前
last updateLast Updated : 2026-10-23
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125話 居場所

 ロープウェイ乗り場からふもとまで戻ってきたが楓の姿が見えない。 そこまで遠くには行ってない筈だ。 辺りを見まわすと路地が何本かあった。 この路地のどれかに入った可能性が高いな。 取りあえず一番近くの路地から探す事にした。 早くしないと日が落ちてしまう。 路地は既に薄暗く、街路灯が点き始めていた。 この路地じゃなかったか。 と思い引き返そうとした時「やめてください!」 今の声は楓だ! 路地の奥の方から聞こえた。 俺は慌てて路地を進むと他校の生徒らしき二人組に楓が絡まれていた。「ねぇいいじゃん、連絡先位おしえてよ~」「嫌です!」「ならこれから遊ぼうぜ」「嫌です!」 というやり取りをしていた。 そして一人が楓の腕を掴もうとした時「待たせたな、悪い」 寸での所で割って入る事が出来た。「友也君……どうして……」 楓は俺がこの場に居るのが信じられないといった様子だがそれを無視する。 俺は二人組を睨みながら「悪いな、お前達の相手してる程暇じゃないんだ」「はぁ? なんなんだよてめぇは!」「2対1で勝てるとおもってんのかぁ?」 やっぱり素直に帰してはくれなそうだ。 流石に二人相手はキツイな。 と考えていたら「これで2対2だな」 と後ろから声が聞こえたので振り向くとそこには「水樹! どうしてここに?」「俺も心配になってな。追いかけてきて正解だったよ」 水樹の加勢により二人組は少し狼狽える。 すると水樹が小声で「俺が右側の奴をやるから友也は左の奴を頼む」「頼むって言われてもどうすればいいんだ?」「股間を蹴ってそのまま逃げろ」「水樹はどうするんだよ」「俺は大丈夫だから心配すんな
last updateLast Updated : 2026-10-24
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126話 久しぶり

 無事修学旅行から帰ってきた。 楓とも友達として今までどおり付き合う事になった。 楓と南の事を中居達に伝えると「お前達がそれでいいなら別に文句はねぇよ」 と言われ、グループに亀裂が入る事は無かった。  田口も驚異的な回復力で、最終日にはピンピンしていた。 元気になりすぎてまたもや担任に叱られていたのが田口らしい。  部屋で旅行の疲れを取ろうと休んでいた所に柚希からの呼び出しを受けて今は柚希との会議中だ。「で? どうだったの?」「お土産ならさっき渡しただろ?」「そうじゃなくて! 何か進展はあった?」「そうだなぁ……」 柚希が気になっているのは俺が一人に決めた事だろう。 そして楓と南との間で進展があったか聞いているんだろうが何処から話そう。 「えっと、楓と南にはちゃんと気持ちは伝えたよ」「それはどっちかに告白したってこと?」 と言いながら目を輝かせて聞いてくる。 そんなに食いつかれると答えにくい。「告白はしてない。楓と南とは付き合えないって伝えたよ」 俺がそう言うと「え!? 二人ともフッたの!」「まぁ、そうなるかな」 そして柚希の目は先ほどよりも更に輝かせて「じゃあ誰と付き合うの? もしかして1年の大島さん? 2年の早川さん? それとも……」「落ち着けって」「え~、でも気になるじゃ~ん」 と言って頬を膨らませて足をパタパタさせる。 前までは気づかなかったけど、この仕草ってあざといな。「ちゃんと気持ちは伝えるよ」「本当に~?」「ああ、明日にはちゃんと伝えるつもりだ」「へ~、お兄ちゃんにしては凄い行動力じゃん」「楓や南みたいにズルズルするのはもう止めたんだ。相手も辛いし俺も辛いからな」「ふぅん、それじゃあ結果を楽しみにしてるね!」
last updateLast Updated : 2026-10-25
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127話 始まりの公園

 戦場の様なバイトが終わり事務所に戻る。 「うへぇ~、疲れましたねぇ~」「そうだな。今日は流石に疲れた」「うぅ~、甘い物が食べたい~」 と言いながら沙月は更衣室へと向かう。 俺も疲れたのでさっさと着替えよう。  着替えを済ませ事務所に戻ると、既に着替え終わった沙月が「友也さん、久しぶりに一緒に帰りませんか?」 とピョンと跳ねて聞いてくる。 さっきまで死にそうな顔をしていたのが嘘みたいだ。「ああ、いいぞ」「やったー! ささ、早く帰りましょう」 と言って腕を掴んでくる。 相変わらずスキンシップが激しい。 そのまま引きずられる様に店を出た。 沙月から誘ってきたが丁度いいかもしれない。 キチンと気持ちを伝えないとな。 外に出ると流石に寒い。 寒さで腕を擦っていると「うぅ~、さむいですねぇ~。友也さんの腕貸してください」「お、おい、止めろって」「いいじゃないですかぁ~、友也さんもこれであったかいでしょ~?」「全く、しょうがないな」 沙月が腕に絡みつく。 胸の感触が服越しでも伝わってくる。 ここで意識すると思惑通りになるので気にしないフリをする。 だけど沙月のこういう行動も……。 店から少し歩くと「あの、今日はこっちから帰りませんか?」 沙月が指した方向は夏に一度通った道だった。 確か途中に狭い公園があった筈だ。 あの時は沙月の本性を聞いたり、告白されたりしたなぁ。 と、俺が若干感傷にふけっていると「だめ……ですか?」 と沙月は遠慮がちに聞いてくる。 腕を掴む手も若干緩んでいる。「悪い、考え事してた。別に構わないぞ」「ありがとうございます」 そうして街灯の少ない道を歩き出
last updateLast Updated : 2026-10-26
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128話 ありのまま

 俺の上で涙を流す沙月。 それを見て言葉を続けようとしたが沙月に遮られる。「沙月、俺は……」「聞きたくない!」 沙月は感情をむき出しに叫ぶ。 嗚咽交じりに泣く沙月が落ち着くまで待つと「やっぱり私じゃダメなんですね……」「違うんだ、話を聞いてくれ」「何がちがうんですか! 昼間お姉ちゃんと一緒に居る所を見たんです!」 と言いながら俺の胸と力無く叩く。 その叩く手は弱弱しいが、強く胸に響いた。 しばらく泣きながら叩いていた手が止まると「分かりました、もうこんな事はしません」 と言いながら上から降りる。  沙月が此処まで思い詰めてたなんて。 気持ちに気づかなかったのも、昼間の事も俺の考えが至らなかった所為だ。  そう考えると何も言えない。 だけど、俺はまだ伝えたい事を伝えていない。 そう考えた時、帰ろうとしていた沙月の腕を掴んでいた。「離してください!」 と言って振りほどこうとするが、俺は強引に引き寄せて抱き締めた。「ごめん、辛い思いをさせたよな」 沙月は驚いているのか抵抗は無く、俺の腕の中で泣いていた。 そんな沙月に言葉を続ける。「俺はもうあんな関係は終わらせたいんだ。だから……」 抱きしめている腕を解く。 そして沙月の首からさがっているネックレスを救い上げ「これでお前は俺の物だ」 沙月はネックレスを見つめながら「これって……」 俺は最大限の勇気を振り絞って「俺は沙月の事が好きだ。俺と一緒に居てくれ」 沙月は俺の言葉を聞いて再び泣き出した。 俺はそっと再び抱きしめて「どうして泣くんだよ」「だって……ヒック、夢な
last updateLast Updated : 2026-10-27
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129話 報告

 修学旅行の振替休日も終わり、久しぶりの学校に登校する。 今日は沙月と付き合った事を皆に報告する予定だ。 その事に関しては不安は無いのだが、今の俺には一つ心配事がある。 それは柚希に彼氏が出来た事だ。 妹がいる奴ならたかだかそんな事で心配するとかシスコンかよ! と思うだろう。 だが、柚希は自己顕示欲が高い! 自分にとってプラスになる存在しか認めない。 そんな柚希が彼氏を作ったという事は、その彼氏に何かしらの価値があるのだろう。 しかも相手は大学生なので、その辺りも心配だったりする。 と、色々考えている内に学校に着いた。 教室入り自分の席に鞄を置きいつもの溜まり場へ向かうと「トモー! おっはよー!」 と南が元気に挨拶してくる。 「おはよう、友也君」 楓も挨拶してくる。 二人とも今までと変わらず接してくれる。 なので俺も今までどうりに挨拶を交わす。 中居や水樹達にも挨拶をして話を聞いていると、どうやらクリスマスの話をしているらしい。「でもでも~、中居君と及川は二人で過ごしたいっしょ~?」 と田口が通常運転でウザさを発揮すると「こ、恋人なんだから一緒に過ごしたいに決まってるでしょ!」 と及川が田口に反撃すると、中居が「そうか、佳奈子は俺と居たいんだな」「えっと、その、あう~」 と揶揄って及川が茹タコ状態になってしまった。 なんだかんだとこの二人は上手くいってるみたいだ。 丁度中居と及川の話が出たので、この機会に話しておこう。「えっと、皆に報告があるんだけど」 と言うと、楓と南がピクリと反応した。 そして中居と水樹は「なんだぁ? もしかして彼女できたか?」「そっかぁ、友也にもようやく春がきたか」 と、まだ報告していないのに彼女が出来た体で揶揄ってくる。 まぁ、彼女出来たのは当たってるんだけど。
last updateLast Updated : 2026-10-28
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130話 自慢

 皆でファミレスに行ってから二日が過ぎた。 最初こそは揶揄われたりしたが、今はいつもどおりに過ごしている。 だが、今までと違う点がある。 毎日行っていた柚希との会議が無くなったのだ。 俺に彼女が出来たから必要無くなったのかと思ったが、そうでは無かった。 一度なんで会議が無くなったか聞こうと柚希の部屋を訪ねたら、中から柚希の話声が聞こえた。 聞こえてくる会話で彼氏と話しているんだという事が分かった。 会議が無くなったのは俺に彼女が出来たからではなく、柚希に彼氏が出来て俺に構う時間が無くなっただけだろうと結論づけた。 まぁ好きな人を優先してしまう気持ちは分かる。 俺も沙月とは結構長電話してしまうからな。 だけど、兄としては少し寂しい気持ちもあった。 以前までは会議の時間だったが、今はアニメを見る時間になっている。 大体は録画した物を消化している。 今日も録画していたアニメを見ようとテレビを付けると、臨時ニュースがやっていた。 いつもならスルーするのだが、ニュースの内容が見逃せなかった。 アパートの一室で女子高生が監禁されていて未だに犯人が捕まっておらず、しかも犯行のあったアパートが俺の地元だったからだ。 妹を持つ身としてはやはり心配してしまう。 ニュースを見ているとLINEの通知音が鳴った。 確認すると楓からで、内容は〈話したい事があるから明日早めに学校に来て欲しい〉との事だった。 俺は〈分かった〉と返事を返し、明日の為にアニメは諦めて寝る事にした。 翌日、いつもより早く登校して理科室に向かう。 教室に入ると既に楓が居たが、表情が優れない。「おはよう」「おはよう、急にごめんね」「大丈夫だよ。それより話って? 何か困った事でもあった?」 と聞くと、楓は少し言いにくそうに「柚希ちゃんに彼氏が出来たのは知ってる?」 と聞いてきた。 柚希に彼氏が出来た事は誰にも言っていな
last updateLast Updated : 2026-10-29
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