All Chapters of 自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました: Chapter 81 - Chapter 82

82 Chapters

81話 自分を重ねて

 楓の発言により、沙月は楓の存在を思いだしたのか俺から距離を取る。「ご、ごめんなさい! デート中でしたよね」 と言って俺と楓に向かって頭を下げる。  よかった。これで何とかこの場は納まる。 と考えていたら楓が「どうして友也君を頼ったの? 貴女のお姉さんなんでしょ?」 と、沙月に質問する。 それに対して沙月は「姉とは相性が悪いと言いますか、苦手なので友也さんに頼ってました」 と、少し俯きがちになりながら言う。 それを聞いた楓は「友也君、その人に会ってみたいから助けに入ってあげて。私はそれとなく観察してるから」 と言い、沙月に「構わないでしょ?」と言って俺を制服に着替えさせる様に促す。  仕方がないので制服に着替え、ホールに出る。 すると「ホントにありがとうございます。いい彼女さんですね」 と言ってきたので「今回だけだからな。それに楓は彼女じゃない」「え? そうなんですか!」 とビックリしているが、俺達の関係を説明するのも面倒だったのでそのまま無視した。 そんな話をしているとピンポーン と呼び出し音が鳴る。 テーブルを確認すると、沙月のお姉さんの居る席だった。「んじゃ行ってくる」 と沙月に言い、呼び出されたテーブルに向かう。 そして、いつの間にか席を移動していた楓が沙月のお姉さんの真向かいの席に居た。「お待たせしました、ご注文はお決まりでしょうか?」 と声を掛けると、ゆっくりとこちらを見上げ「あ! えっと、今日もあなたなんですね」「ええ、桐谷は今他のお客様の接客中でして」「は、はい。いつもこの時間に働いてるんですか?」「今日はたまたまです。人手が足りないらしく急遽入りました」「そ、そうなんですね」 今日はよく喋るな。 まぁこの間ずっと俺が担当してたか
last updateLast Updated : 2026-09-17
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82話 小説

「へー、そんな事になってるんだ」「ああ、だから俺はその二人の為に何かしたいと思ってる」 俺は今、南とデートの最中だ。 バイトの話や昨日の出来事を話している。 楓に言った様に、南にも事情を説明する。「でもさ、お姉さんの方はトモの事好きなんでしょ?」「その好意自体がボッチ特有の優しくされたら好きになるって事だとダメなんだよ」「どしてー? 好きには変わらないじゃん。トモだって最初はそうやって楓の事好きになったんでしょ?」 南に痛い所を突かれる。 確かに俺の初恋は優しく話しかけてくれた楓だった。 だけど、学校中探してもその子が見つからず諦めた。 その後に現れた楓を好きになり、偶然初恋の相手が楓だったのだ。 だから俺が楓の事を好きなのは優しくされたからとかでは決してない。 一人の女の子として好きになったのだ。 今思えば、優しくされたから好きになるというのは、お腹を空かせた子猫がエサを貰って懐くようなものだったと思う。 この人なら自分を傷つけないだろうという安心感だ。 そんな物は好きとは言えない。 沙月のお姉さんがまさにその状態なのだとしたら、早く目を覚まさせたい。 そして俺なんかじゃなく、ちゃんとした相手を好きになって貰いたい。 という事を南に説明する。 難しい顔をした南は「う~ん、細かい事は私には分からないけど、トモが何かしたいんなら応援する!」「ありがとう」「私もその人見てみたいなー。今からファミレスに行けば会えるかな?」「二日連続で休日出勤になるから勘弁してくれ」 その後、南の提案でカラオケに行ったりして南とのデートが終わった。  いつもの様に早めにバイト先に着く。 制服に着替えのんびりしていると、先輩が事務所に入って来た。  シフト表を確認して首を傾げている。 そして店長に確認するように「真弓さん、今日って桐谷って出勤ですか?」
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