《自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました》全部章節:第 81 章 - 第 90 章

134 章節

81話 自分を重ねて

 楓の発言により、沙月は楓の存在を思いだしたのか俺から距離を取る。「ご、ごめんなさい! デート中でしたよね」 と言って俺と楓に向かって頭を下げる。  よかった。これで何とかこの場は納まる。 と考えていたら楓が「どうして友也君を頼ったの? 貴女のお姉さんなんでしょ?」 と、沙月に質問する。 それに対して沙月は「姉とは相性が悪いと言いますか、苦手なので友也さんに頼ってました」 と、少し俯きがちになりながら言う。 それを聞いた楓は「友也君、その人に会ってみたいから助けに入ってあげて。私はそれとなく観察してるから」 と言い、沙月に「構わないでしょ?」と言って俺を制服に着替えさせる様に促す。  仕方がないので制服に着替え、ホールに出る。 すると「ホントにありがとうございます。いい彼女さんですね」 と言ってきたので「今回だけだからな。それに楓は彼女じゃない」「え? そうなんですか!」 とビックリしているが、俺達の関係を説明するのも面倒だったのでそのまま無視した。 そんな話をしているとピンポーン と呼び出し音が鳴る。 テーブルを確認すると、沙月のお姉さんの居る席だった。「んじゃ行ってくる」 と沙月に言い、呼び出されたテーブルに向かう。 そして、いつの間にか席を移動していた楓が沙月のお姉さんの真向かいの席に居た。「お待たせしました、ご注文はお決まりでしょうか?」 と声を掛けると、ゆっくりとこちらを見上げ「あ! えっと、今日もあなたなんですね」「ええ、桐谷は今他のお客様の接客中でして」「は、はい。いつもこの時間に働いてるんですか?」「今日はたまたまです。人手が足りないらしく急遽入りました」「そ、そうなんですね」 今日はよく喋るな。 まぁこの間ずっと俺が担当してたか
last update最後更新 : 2026-09-17
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82話 小説

「へー、そんな事になってるんだ」「ああ、だから俺はその二人の為に何かしたいと思ってる」 俺は今、南とデートの最中だ。 バイトの話や昨日の出来事を話している。 楓に言った様に、南にも事情を説明する。「でもさ、お姉さんの方はトモの事好きなんでしょ?」「その好意自体がボッチ特有の優しくされたら好きになるって事だとダメなんだよ」「どしてー? 好きには変わらないじゃん。トモだって最初はそうやって楓の事好きになったんでしょ?」 南に痛い所を突かれる。 確かに俺の初恋は優しく話しかけてくれた楓だった。 だけど、学校中探してもその子が見つからず諦めた。 その後に現れた楓を好きになり、偶然初恋の相手が楓だったのだ。 だから俺が楓の事を好きなのは優しくされたからとかでは決してない。 一人の女の子として好きになったのだ。 今思えば、優しくされたから好きになるというのは、お腹を空かせた子猫がエサを貰って懐くようなものだったと思う。 この人なら自分を傷つけないだろうという安心感だ。 そんな物は好きとは言えない。 沙月のお姉さんがまさにその状態なのだとしたら、早く目を覚まさせたい。 そして俺なんかじゃなく、ちゃんとした相手を好きになって貰いたい。 という事を南に説明する。 難しい顔をした南は「う~ん、細かい事は私には分からないけど、トモが何かしたいんなら応援する!」「ありがとう」「私もその人見てみたいなー。今からファミレスに行けば会えるかな?」「二日連続で休日出勤になるから勘弁してくれ」 その後、南の提案でカラオケに行ったりして南とのデートが終わった。  いつもの様に早めにバイト先に着く。 制服に着替えのんびりしていると、先輩が事務所に入って来た。  シフト表を確認して首を傾げている。 そして店長に確認するように「真弓さん、今日って桐谷って出勤ですか?」
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83話 自己紹介

 店の前で待っていると、会計を済ませたお姉さんが出てくる。「お、お待たせ……しました」「いえいえ、では行きますか」 駅に向かって歩き出す。 こういう時は何を話題にするか悩み、お姉さんを観察しようとチラッと横を見る。 居ない! はぐれたのだろうかと見回すと、俺の斜め後ろを少し離れて着いてきている。  これでは一緒に帰っているとは言えないので歩くスピードを緩める。 するとお姉さんもそれに合わせてスピードを緩めた。 埒があかなくなった俺は立ち止まり声を掛ける。「そんなに離れて歩くと危ないですよ」 お姉さんは両手を顔の前でパタパタ振りながら「だ、大丈夫です。お気になさらず」 と言って一歩下がる。 が、後ろを歩いていた学生にぶつかってしまった。 丁度持っていたカバンが脛に当たってしまったのだ。「いってぇ」「ご、ごめんなさい!」 お姉さんは何度も頭を下げて謝っているが、学生の方は「ふざけんな、ちゃんと前見て歩けよな! このブス!」 と悪態を吐いている。  俺はとっさにお姉さんの隣まで行き「本当にごめん、でも今のは言い過ぎじゃないか?」「は? 彼氏だったらちゃんと面倒見ろ……よ……」 学生が俺の顔を見た瞬間にさっきまでの勢いが失われていく。「どうした? まだ何か言い足りないのか? 藤原」 お姉さんがぶつかった相手は、かつて俺にちょっかいを出していた藤原だった。 俺と水樹。というか水樹に思いっきり懲らしめられている。「ど、どうして佐藤がここにいるんだよ!」「この人と知り合いだからな。何か問題でもあるか?」「チッ! 相変わらずむかつくよお前は」 と言って歩いていった。 ふぅ、何とかなったな。 と安堵してい
last update最後更新 : 2026-09-18
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84話 遊び

 いつもの柚希との会議で友華さんについて説明した。 友華さんが俺に好意を持っているかもしれないという事を除いて。「さっすがお兄ちゃん! 天然ジゴロは健在だね!」「そんな物になった覚えはない!」「でも友華さんはきっとお兄ちゃんの事好きだよ?」「どうしてそう思うんだ?」「昔のお兄ちゃんに似てるから」 やっぱり柚希には見破られたか。 だが俺の考えは変わらない。 友華さんの初恋をちゃんとした物にしたいのだ。「俺は友華さんにはちゃんとした初恋をして欲しいと思ってる」「逆に聞くけど、ちゃんとした初恋って何?」「それは……」「結局お兄ちゃんは水瀬先輩の時みたいに逃げてるんじゃないの?」「……」 その後も色々言われて会議は終了した。 柚希に言われ何も言えなかった。 俺自身ちゃんとした初恋が何なのか分からない。 でも、相手が俺じゃダメな気がする。 優しくされたから好きになるなんて……。 いや、そういう切っ掛けで好きになるなんて話はいっぱいある。 だったら友華さんはちゃんと初恋をしている事になるのか?『結局お兄ちゃんは水瀬先輩の時みたいに逃げてるんじゃないの?』 柚希の言葉が頭の中でリフレインする。 俺はまた逃げていたのか? 翌日バイトに行くと、沙月が勢いよく俺に向かって来て「友也さん! 昨日お姉ちゃんに何かしましたか?」 と至近距離で聞かれた。「いや、特に何もしてないけど」「絶対何かあったはずです! お姉ちゃんに何をしたか思い出してください」 沙月がこんなにムキになるのは珍しい。 しかも嫌っているはずの友華さんの事で。「好きなラノベの話を少ししたかな」「あとは?」「ああ、帰り一緒に帰ったよ。その時に友華さんが
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85話 変わりたい

『どうすればリア充になれる!?』  俺が柚希に言った言葉を思い出す。 それと同じようなセリフを友華さんが沙月に言ったらしい。 俺の時は柚希の為に変わろうと思った。 なら、友華さんはどうして変わろうと思ったのだろう?「どうしてリア充みたいになりたいか聞いたのか?」「一応聞きましたよ~」「なんて言ってた?」「『友也さんともっと普通にしゃべりたいから』らしいですよ。まさかお姉ちゃんがあんな事言うなんて思ってなかったです」「それで昨日俺に色々聞いてきたのか」 俺と普通に喋りたいか。 それなら無理に変わる必要は無いと思うけどなぁ。 本人からしたら小さい声や怯える様な挙動は直したいのだろう。 せめて俺の前では普通に成りたいって事か。「それで私言ったんですよー、根暗でオドオドしてる奴が変われる訳ないでしょ!って。そしたらお姉ちゃん泣きながら『もう佐藤君に迷惑掛けられない』って」「ああ……」「だからもう一度聞きます。お姉ちゃんと帰った時何があったんですか?」 沙月は沙月で友華さんの事を心配してるんだ。 口では根暗でキモイと言いつつも、いきなり変わりたいと言い出した友華さんが心配で仕方ないのだろう。 しかし、俺に迷惑掛けたくないって思う程の出来事があっただろうか? 離れて歩いていた事か? それとも柚希と出会って逃げる様に帰った事だろうか。 そうだ! 離れて歩いてる時に藤原にぶつかってヒドイ事を言われていた。 俺が助けに入った事に責任を感じているのかもしれない。「実は一緒に帰ってる時……」 藤原にぶつかって暴言を吐かれた事などを話した。 俺の話を聞き終えた沙月は「あー、原因は多分それですねー。友也さんの前で『ブス』って言われたのが効いたのかもです」「もしかして昨日店に来なかったのって」「恐らくブスが友也さんの近くに居たら迷惑とか考えちゃった
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86話 4人で

 沙月が戻ってきて店員を呼ぶ。 どうやらおすすめスイーツを注文したようだ。「友也さんは何か食べますか?」 と聞かれ、時計を確認すると既に昼を少し過ぎていた。 今から帰って食べるのもなんなので俺も注文する事にした。「じゃあ俺はチーズチリドッグ一つお願いします」 注文を終え、アイスコーヒーを飲んでいると「友也さん、一つだけ聞いていいですか?」 と、珍しく真面目な顔で聞いてくる。「なに?」「本当はどうして変わろうとしたんですか?」 突然の核心を突いた質問にむせそうになるが堪える。「彼女が欲しかったからって聞いたんだろ」「はい。でもそれは嘘だと思うんですよ」「どうして?」「それはですね……」 少し溜めを作って「根暗な人が此処まで変わろうとするなんて生半可な気持ちじゃ出来ないと思うんですよ」「確かにな、俺もそれまでは変わろうなんて考えなかった」「お姉ちゃんは友也さんが好きで変わろうとしてます。友也さんも本当は好きな人の為に変わったんじゃないですか?」 なるほど、友華さんが変わる理由が恋なら、俺も恋で変わったと思ったのか。  どう答えるべきなのだろうか。 変わろうとしたのは柚希の為だ。  例え好きな人の為に変わったと言っても誰を好きだったか聞かれるだろう。 ここは楓の為と答えておくべきか? 楓なら口裏を合わせてくれるだろう。 と考えていたら「新島楓って人じゃないですよね」 と先に釘を刺された。「どうして楓じゃないって言いきれるんだ?」「お姉ちゃんから聞きましたが、その人は学校一の美人なんですよね?」「まぁ、そうだな」「だからです。根暗でいつも一人でいる人がそんな眩しい存在を好きになるのはありえません」「キッパリ言うな」「お姉ちゃんを見てきたので分かります」
last update最後更新 : 2026-09-19
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87話 名前

「これからどうする? 何処か行きたい場所とかあるか?」 と既に仲良さそうに話している柚希と沙月に問いかける。 すると沙月が「ハイ! 文化祭の出し物の材料買いたいんですけどいいですか?」 と何故か挙手しながら言う。 それに続いて柚希が「ハイ! ショッピングモール行きたいです」 と柚希も挙手しながら言う。 すると沙月がそれに食いつく。「私見たい服あったんだ~。あの雑誌に載ってたヤツ見た?」「見た見た! カワイイよね~」 と既にショッピングモールに行く気満々だ。 しかし友華さんの意見も聞かないとな。「友華さんは何処か行きたい所ありますか?」「わ、私もショッピングモールで大丈夫です」 という訳で、皆でショッピングモールに行く事になった。  ショッピングモールに着くなり、柚希と沙月が二人して服が見たいから別行動しようと提案してきた。 俺は別に構わなかったが、何のために四人で来たのか分からない。「それじゃあ、こっちの買い物が済みましたら連絡しますね」 と沙月が言い、二人並んで消えて行った。「えっと、どうしましょうか?」「わ、私は佐藤君に任せます」 ん~、何処に行くのがベストなのだろう。 それにこの人混みだと友華さんがはぐれそうだ。 そこまで考えて、今まで忘れていた事に気づく。 友華さんと連絡先交換していなかった。「あの、迷惑じゃなければ連絡先交換しませんか? 万が一はぐれたら大変なので」「あ、は、はい! 全然迷惑なんかじゃないです! LINEで大丈夫ですか?」「はい、大丈夫です。コードを見せて貰えれば読み取ります」「わ、分かりました。少し待ってくださいね」 と慌ただしくスマホを取り出して操作している。 結論から言うと、IDを見せてうち込んで貰った。 コードを見せて貰い、読み取ろうとしたのだが、友華さんの手が震えて
last update最後更新 : 2026-09-20
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88話 変化

 パンケーキ屋で昼食を摂り、今はショッピングモール内をウロウロしている。 パンケーキ屋では柚希と沙月がこれでもかと言うほど可愛かった。 パンケーキを見て喜ぶ顔や一口サイズに切って口に運ぶ動作、口に入れてからのリアクション。これら全てが可愛いで出来ていた。 柚希達の言っていた事はこれだったのかと戦慄させられた。 友華さんも控えめながら幸せそうに食べていて、見ているこっちも幸せになれた。 しかしここでもアイスココアを頼む辺り、かなり好きなんだなと思わせた。 そんな昼食を終え皆でブラブラしていると、俺達に視線が集まっている事に気づく。 前から歩いてくる人は勿論、店頭でショッピングしている人でさえこちらを振り返って見ている。 何かおかしな所でもあるのかと考え、柚希に尋ねようとすると「♪~♪~」 物凄い笑顔で鼻歌を歌いながら歩いていた。 柚希がこんなに機嫌がいいなんて絶対に何かある! そう思い自分の身だしなみ等をチェックするがどこもおかしなところは無い。 沙月や友華さんを見ても相変わらずの美少女だ。 いや、待て。そうか! 柚希はこの四人で居る事に優越感を感じているのだ。 傍から見ればイケメンが美少女三人を連れている様に見えているに違いない。 俺達に対する羨望の眼差しを受けて柚希の欲求が満たされているのだろう。 そんな事を考えていると「そうだ! お兄ちゃんの服選んであげるよ」 と言ってきた。 声のボリュームも少し大きい気がする。「じゃあ私はお姉ちゃんに選んであげる」 沙月も柚希に乗っかり、友華さんの服を選ぶと言い出した。 それに対して友華さんは「い、いいよ~、私より自分の服買いなよ~」 と手をブンブン振りながら断っているが「いいからいいから、私に任せて」 と強引に連れて行かれた。 そんな二人を見送った後、柚希が「じゃあ私達も
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89話 変異

 22時にバイトが終わり、着替えを済ませ事務所の外で沙月を待つ。 沙月とは何回も一緒に帰っているが、今日はなんだかドキドキする。 バイト中に見せた沙月の意外な一面が原因だろう。 それに耳元で囁いた時の沙月は妙に艶っぽかった。 そんな事を考えながら待っていると、着替えを済ませた沙月が事務所から出てきた。「ごめんない、おまたせしました~」「大丈夫だ、んじゃ帰るか」 といつも通りに帰ろうとすると沙月が「今日はこっちから帰りませんか?」 と言われた。「別に構わないけど、こっちは余り街灯が無いから離れるなよ」「はーい。それじゃあ離れない様に手を握っておきますね」 と言って手を握ってきた。「手を握る必要はないだろ?」「私と手を握るの嫌ですか?」「嫌じゃないけど……」「ならいいじゃないですか」 と言って手を握り直す。 指を絡めた、所謂恋人繋ぎだ。 こんな事今までしてこなかったのに今日の沙月はどうしてしまったのだろう。 しかもそんな沙月にドキドキしている自分がいる。 あまり沙月を意識しない様に歩いていると、握っている手をキュッキュッと握って来た。 お返しに俺もキュッキュッと握ると、またキュッキュッと握って来る。 何だこれは? 凄く恥ずかしい。「さっきからなんなんだよ」「えー、スキンシップじゃないですか~」「そういうのはいいからもうやるなよ」「でも友也さんも握り返してきてくれたじゃないですか~」「それは……やられたからやり返しただけだよ」 言ってプイッと顔を背ける。 「友也さんって可愛いですね~」「うっせー!」「ふふふ」 そんなやり取りをしながら歩いていると、人気のない公園の前に差しかかった。 公園と言うには遊具が無く、街灯一つとベンチが置
last update最後更新 : 2026-09-21
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90話 変貌

 沙月の顔がどんどん近づいてくる。 女の子特有の甘い匂いが鼻孔を通り脳を刺激する。 もう吐息が掛かる距離まで近づいてきている。 沙月のプルッとした唇が開き「友也さん……付き合ってください」 熱を帯びたその言葉で我に返る。  雰囲気に流されちゃダメだ!「沙月! やめろ!」 沙月の両肩を掴み突き放す。 しかし、突き放した事ではだけたブラウスから覗く程良い大きさの胸が露わになる。「あん、友也さんのえっち……」「わ、わざとじゃないんだ! 早くどけてくれ!」 沙月ははだけた胸を隠そうともせずに「なら答えてください、私と付き合ってくれますか?」 潤んだ瞳に熱の籠った視線。 つい見惚れてしまいそうになるが「ごめん、沙月とは付き合えない」「どうしてもですか?」「……ああ」 俺の返事を聞き、俯く。  めぐの時に感じた痛みをまた感じている。 だけど、この痛みから逃げる訳にはいかない。 しばらく俯いていた沙月はおもむろに空を見上げ「はぁ~っ」と息を吐いた後「此処までして落ちないなんて初めてですよ」 と言いながら俺の上から降りる。 続けてブラウスのボタンを留めながら「やっぱり友也さんは今までの男達とは違いますね」 と言う。 言っている意味が分からない。「どういう事だ?」 俺の問に沙月は薄い笑みを浮かべながら「私って、男を自分の虜にするのが快感だったんですよね。それで色々な手を使って男達を落としてきました。皆私をお姫様みたいに扱ってくれるんですよ」 それでバイトの先輩から聞いた噂が流れたのか。「それじゃあ今まで俺を落とす為に色々やってきたって事か」「まぁ、そうですね。でもそれは最初だけです」
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