Alle Kapitel von 魔葬少女【連載版】: Kapitel 41 – Kapitel 50

88 Kapitel

第三十五話

第三十五話僕と利根島さんはお姉さんたちが来るまで、琴桐さんから話を聞くことになったのだが、僕が一つ疑問に思ったことがある。「琴桐さんの相方は何処にいるの?」僕の質問に琴桐さんは胸ポケットをチョンチョンと指差した。するとピョコンと人形サイズの小さな女の子が現れた。「沙知ちゃん何? ……あっ、そういうことか。初めましてあたしは佐江千佳(さえちか)っていいますっ! 使ってる感情は存在欲です。ちなみこんなことも出来るんですっ」視界位置が見る見る下がっているのが、分かり驚きながらも、利根島さんが大きく見えるのも…………案外良いかもと気に入ってしまった。それに上を向けば朱莉のスカートの中まで見えてしまう!!「小さい身体も結構良いでしょ、こんな感じに胸の中に入り込むことだって出来るんだからっ!」いや、流石に僕はそこまではしない。琴桐さんが少し怒りながら佐江さんを握った。「次やったら握りつぶすからね、分かった?」「はっ、はい。すみませんでした」佐江さんは僕の大きさを元に戻した後に自分の魔法の説明をし始めた。「あたしの魔法はサイズを自由自在に変えることが出来るのはさっき見てもらったからわかるよね? 今のところの最小限界はミクロで最大がキロまで自由自在なんですっ! 普通サイズのパフェをたくさん食べることも出来て幸せなんですよ〜、食べ物あることですしやってみますか?」僕と利根島さんは断ったが、正直こういうのは羨ましいと思う。好きな食べ物をそのままの量でも沢山食べられたり……朱莉を着せ替えたり出来るってことだよね。朱莉だけを着せ替えるよりは僕のことも着せ替えてほしい……って僕は何を考えているんだ、変態みたいじゃないか!僕は焦りながら朱莉の方を見ると、トマトみたいに真っ赤な顔をしていた。そして朱莉は僕の耳元で「風香ちゃんの変態。だけどそういうプレイは私はいつでも待ってるよ」って言ってきたの!!というかこんな状況で何考えてるの僕たち!?「二人ともその顔もしかして、変なこと考えてたでしょ、へんた〜いっ」すると突然大きな口笛の音が聞こえてきた。水本さんは僕に抱きつきながら女性に手を振っていた「楽しそうな話してしてるのいいな〜、私も混〜ぜて! 光莉も早くおいでよー!」「もうミサちゃんったら、突然走ったら危ないでしょ〜!」この人が朱莉のお姉さん、雰
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-23
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第三十六話

第三十六話調査のために琴桐さんが案内したのは廃村だった。「千佳いつも通りでお願い、いつも通りでね!」「そこまで念押ししなくても大丈夫だって沙知ちゃん。それじゃあ行ってきますっ」佐江さんの魔法はサイズの変化だけでなく。分裂まで出来たのだ。……なんかこの光景砂糖に群がる蟻みたいだな。「風香くんは私がどんな魔法を使うと思うか想像してみてくれ」琴桐さんは突然僕にそう言ってきた。「琴桐さんが使いそうな魔法か……なんだろう、新聞部だし自分の知りたいものの場所が分かる魔法とか?」「つまりは探索魔法と」メモ帳に"探索魔法"と記した琴桐さんは少し間をおき答え合わせをすると宣言した。「正解はね、記したことを現実にする魔法さ。例えば朱莉の背後の木にパフェと記せば記された木はパフェに変わる。味は折り紙付きさ」目で見た方が早いだろう木にパフェと記し始めた。事実木は美味しそうなパフェへと変化したけど……さっきまで木だったものを食べるのはちょっと気が引ける。僕が躊躇っていると利根島さんが先に口に運んだ。「風香ちゃん、このパフェ美味しいよ!! 風香ちゃんも一緒に食べようよ!」もしかして朱莉、僕が美味しそうって思ってたのに躊躇ってたから先に食べてくれたのかな。でも、もし毒があって朱莉が苦しむ姿は絶対に見たくない、僕が先に食べるべきだった。「そう言ってくれるのは、私は嬉しい。だけど風香ちゃんが苦しんだりするのは私だって嫌なんだよ」朱莉と心まで結ばれているのを理解すると心が躍るのが分かってしまう。ダメなのは分かってる、なのにこれではもはや……じゃないか。どうにかして抑えるんだ、あか……利根島さんと幸せになるために。…………違う、利根島さんと元の生活に戻るんた! 何を考えているんだ僕は……最近明らかにおかしい!利根島さんが僕を見る瞳には喜びと悲しみが入り混じっているように感じてしまった。僕が約束を守れそうにないからだろうな。どうにか守れるようにするから……僕を嫌わないで朱莉!!「風香ちゃん、そんなに泣かないで。私が風香ちゃんを嫌うわけないでしょ。それに約束を守ってくれるのも嬉しいけど、それで風香ちゃんが傷つくのはもっと嫌なんだよ」それならもう少し約束を守れるように頑張るよ……利根島さん。無理そうになったら僕の方からちゃんと伝えるから、その時は聞いて
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-24
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閑話その8

閑話その8風香ちゃんに黙っていることがある。私の魔法の真価は自らの命と引き換えに愛する人の命を救うこと。たとえその愛する人が死んでいても蘇らせることが出来る。まあこれは呪術を加えたからそうなってるんだけど、沙知ちゃんとお姉ちゃんには多分気付かれてる。その魔法を使う状況になって欲しくないけど、この魔法があれば風香ちゃんが堕ちたとしても人間に戻せる。風香ちゃんだけでも"普通の生活"に戻すことが出来る、巻き込んだ私が戻すのがせめてもの償い。本当は私だって風香ちゃんと付き合いたいし結婚もしたい……風香ちゃんとずっと一緒にいて幸せになって養子をもらって一緒にお迎えに行って…………そんなことばかり考えてちゃう、ダメだな私は。最近風香ちゃんは私に向けた感情が変わってきている。私にとってそれ天にも昇るぐらい嬉しい反面、利用されそうで怖い。私は風香ちゃんが好き、世界で一番好き。風香ちゃんのためならなんだって出来るし……実際してきた。愛の魔法は、愛の強さほど強力で出来る範囲も広くなる。そしてこれから考えることは誰にも言っていない秘密風香ちゃんとLIOMしていた時にはすでに魔物に殺されている。風香ちゃんへの愛で蘇りはしたけど、その時にゲームでいうところの残機みたいなものが私にはあることを知った。私の残機は残り一つ、これで普通の人間といっても差し支えないとは思う。風香ちゃんには、私みたいに後悔してほしくない。あの時心底後悔した。『私が風香ちゃんのこと愛してるってもっと分かってほしかったなぁ。もっと気持ちを伝えて……一緒に居たかったな。こんな中途半端で死にたくない、もっと一緒に過ごしたい』風香ちゃんのことを振り回してばっかりで直接好きって言えなかった。だから私は積極的に伝えるようにした。……誰にも言わなくても考えてる時点でお姉ちゃんには筒抜けだよね。私、風香ちゃんと一緒にいられて幸せなんだ。だから風香ちゃんには生きていてほしい。私の魔法があれば、風香ちゃんだけでも元の生活……とまではいかなくても、普通の生活には戻ることが出来る。一緒に元の生活に戻ろうって約束には反しちゃうけど、やっぱり風香ちゃんには生きてほしい。そのためなら私の命なんて軽いものだから。「ねえ風香ちゃん私さ、本当に風香ちゃんのこと好きだからね! 調査頑張ろー!!」「う
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-24
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第三十七話

第三十七話利根島さんに連れられ僕は二人で廃村の住居を調べることになった。利根島さんは僕の肩を叩きながら見つけたものを見せてくる。「風香ちゃん、風香ちゃん見てよこの呪われてそうな人形、可愛くない?」「可愛いよ。だけど……この人形動いてない!?」「そうかな? ……あっ、目が合ったよ」「これ絶対動いてる。今更そんなに驚かないけど」人形は僕の言葉を聞いて眉間をピクピクさせキレ散らかした。「驚けよ小娘!! せっかく準備したんだぞ!」何を準備したのかを問いかけると人形は「願いを叶える準備だよ!!」「願いを叶えるね……胡散臭い」「胡散臭いとはなんだ胡散臭いとは私は人形神(ひんなかみ)だぞ!! ならば願い言ってみろ!」利根島さんは僕に「先に願いを言ってもいい?」と聞いてきた。僕は胡散臭いと思うから良いよ。そう答え利根島さんは人形に願いを伝えた。「風香ちゃんと少しでも長く一緒にいたいとか叶えてくれる?」すると人形がスッと冷静になり、僕をマジマジと見てくる。「お前が風香か……その魂、この家の人間に少し似ているな」僕がこの家の人間について問い詰めた。「知らないのか? ここでの事件……というか今何年なんだ?」僕の質問にこの人形は逆に質問してきた。「質問してるのは僕なんだから答えて」人形は軽めに謝罪しながら僕の質問に答えた。「この家には父親と母親、娘(長女・姉)と息子(長男・弟)がいた。息子の方は娘から嗜虐的な扱いを受けていた。娘は齢五つで齢四つの弟を殺し遺体を保存した。この家の娘は、はっきり言って狂っている。その娘に初めて友人が出来たのは九歳の時だった。狂っていても友人関係が保てるほど表の顔は良かった。そして私から見ても娘と母親は仲が良く見えた。だがそれは上っ面だけだ。母親は全てを知っていたからだ。娘は生理的に嫌いな父親を洗脳し母親を含めた村の人間を殺させた。父親は罪人として扱われ、家族である娘は罪人の家族の刻印を押されることになった。父親が牢に問われている間に弟の死体を解体し呪術の研究材料の一つとした。しかも友人には一切気づかれないようにだ。その呪術の研究は実り、父親を殺した。なぜかこの家から娘は出て行ったが、この村に人がいなくなったのは、娘が原因だ。あの娘はこの村の全ての人間に術式と呼べるものを刻んでいた。
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-25
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第三十八話

第三十八話僕たちが生きれて長くて二年……朱莉との約束を守りたい、だけどこのまま守ってたら僕の場合伝えられないままになりかねない。……というか、二人で元の生活に戻るが叶わないってことなるよな。何か方法はある……正直そう信じたい。「あのさ朱莉に聞いてほしいことがあるんだけど良いかな?」朱莉は優しく頷いて僕についてきてくれた。この住居に近くには広場があったので僕は朱莉とそこで話をすることにしたのだ。「この際だから単刀直入にいうね。僕はあ、あか…………ちょっと待って」正式な魔葬少女になるためには感情のコントロールが必要になる。それなら付き合ってコントロールしやすくした方がいい…………って違う。僕は朱莉が好きだから付き合いたいんだ。僕は朱莉の頭を撫でた。すると朱莉は僕に抱きつきてきた。「いいんだよ、無理しなくても。本気で考えてくれてありがとう風香ちゃん」僕は正直に朱莉に気持ちを伝えた。「ちょっともう無理そう。さっきもう少しだけ頑張るって話したばかりで謝りたいんだけど……余命宣告されて、後悔したくないって思っちゃったんだ。朱莉は分かってるだろうけど、僕は朱莉と結婚したり……出来れば養子とかもらって、一緒にさ……お迎えしたりしたいって…………」僕が伝えている最中朱莉の頬には大粒の涙が溢れていた。「朱莉どうしたの!? もしかして失望しちゃった? もしそうなら治すから!」「違うんだよ風香ちゃん! 私も……私も同じ気持ちだから、嬉しくて……でも利用されたらどうしよう」「……それで提案なんだけど、僕たちがアイツらを消せるほど強くなろう! 正式な魔葬少女で強くなれば可能性は十分にあると思うんだ! 理想論かもだけど」「それなら、利用されても対処は出来るよね。たとえ今では理想論だとしても、正式な魔葬少女になれれば現実的になると思う」「そっ、それでなんだけど……僕と付き合ってくれないかな!!」声が裏返っちゃった!!どっ、どうしよう言い直そうか、いやでも恥ずかしい。というかこれも聞かれてるよね、諦めてもう一回伝えよう、いつも朱莉が伝えてくれてるみたいに。「僕は朱莉が好き……だから、付き合ってくれたら嬉しいんだけど、どう……かな?」「聞かなくても答えなんて分かってるでしょ、私は風香ちゃんのことが世界で一番愛してるんだから、当然付き合うよ。風香ちゃ
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-25
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第三十九話

第三十九話……待って、朱莉のお姉さんになんて説明したらいいのこれ!?付き合い始めましたって……なにそれ恥ずかしすぎる、いやでも結婚の挨拶とかするときのために…………それまで生きてるかな、朱莉が結婚出来る年齢ぐらいだよね僕たちの寿命嫌だな、朱莉ともっと過ごしたい。「朱莉に提案なんだけどさ、琴桐さんに指輪作ってもらわなにゃい?」噛んだ、こんな大事な場面で噛んじゃった!?さっきからなんなのこれ……声が裏返ったり噛んだり、恥ずかしすぎる。朱莉は僕が噛んだのを見て表情筋が緩んでいた。「ちょっと笑わないでよ〜! 僕だって恥ずかしいんだよ」というか付き合ってすぐに指輪って重すぎないか!?これも全部丸聞こえなのは…………やっぱり心が繋がってるみたいで嬉しいな。でも指輪を作ってもらって、その年齢まで生きようって約束にすれば、重くはないよね。……だとしても、クラスのみんなはもっと長く生きて大切な人ともっと長い時間過ごすんだよね。正直言って羨ましい、だって二年ってことは大学卒業までの時間も僕たちは生きられないってことになる。どうにかして朱莉と過ごせる時間を増やしたい。それなら、琴桐さんたちにも聞いてみればいいんじゃないのか?感情のコントロールの仕方は人それぞれ違うのなら、その人がやっていることを僕たち自身が試してみれば正式に近づけるかもしれない。そうとなれば最初に聞くのは朱莉だよね。「朱莉がどんな感じに感情のコントロールをしてるのか聞いても良い?」「私の場合簡単だよ。風香ちゃん好き、愛してるで良いんだもん」愛を感情に使っているならそうなのか、僕の恐怖だって最近は朱莉を失うことへのことばかりだし、似たようなものかも。「ありがとう教えてくれて……」僕が聞いたからなのか朱莉も僕に聞いてきた。心を読んでるんだから分かってると思うんだけど……まだ僕には恥ずかしいんだよ。だけどそうも言ってられないよね「そっ、その僕は朱莉を……その失いたくないって思って」「うん、それでそれで」目を輝かせないで「朱莉を失わない自分を想像してコントロールするようにしてる」恥ずかしさで身体が溶けそう。うにゅ〜って。「風香ちゃん、何そのうにゅ〜って、可愛いよ!!」「ちょっとそういうのは聞かなくても良いのに!」もう抑えなくてもいいんだよね「あっ、朱莉その……
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-26
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第四十話

第四十話源綾音と名乗ったこいつは執拗に朱莉を狙ってくる。「狙いは僕じゃなかったのか!!」狙いが僕だからこそ執拗に朱莉を狙うのか、絶望させるために。ヒュー「時間止めたからみんなやっちゃって!!」水本さんの合図で、僕たちは動く事でき琴桐さんが全員に最高の言葉を記した。『感情消費なしで連発可能』お姉さんはその言葉が記された瞬間鬼のような姿に変化した。「朱莉を狙った報いを味わいなさい!!」その姿を見て朱莉は唖然としていた。すると水本さんが説明してくれた。「もしかして光莉の魔法知らない? 光莉の魔法は愛の力で身体強化、そして一分間どれだけ魔を取り込んでも魔物化しないんだよ。ちなみにその一分間は時間が動いてる間の話ね。止まってれば無限に魔物化の心配なしで魔を使い放題ってわけ」僕と朱莉はお姉さんの攻撃に合わせて合体魔法"受胎告知"を使用した。これで時間が動き出せば内側から食い破る!「"焉恋の獄"を使えば風香くん!! そうすれば距離を取れる!」琴桐さんの言葉になんだそれはと、少し考えた末理解した。遠距離恋愛のアレだ。「了解!!」「おい千佳、風香くんを全力で攻撃しろ!!」「何言ってんのっ!?」僕を攻撃……そういうことか。「朱莉、準備して!」「安心してもう出来てるよ」琴桐さんがしようとしているのは、佐江さんに僕を攻撃させ朱莉が僕の傷を源綾音に全て飛ばすということだ。それなら痛覚倍増、身体弱体化だ。これで普通に攻撃されるよりモロに入りやすいはずだ。佐江さんは身体を分裂しその分裂を巨大化させ僕を攻撃した。そのタイミングに合わせ朱莉が全て飛ばす。「美咲くん、これで時間を動かしてくれ! 私がみんなを転移させる」ヒュー時間が動くと同時に源綾音には全ての攻撃の成果が出た。「飛ぶよ!!」琴桐さんの合図僕たちは魔女会に転移した。だが、隣には源綾音がいた。パチパチパチパチ「いやー凄い凄い。久しぶりに擦り傷が出来たよ。身体を脆くしてた甲斐があったよ。沢山人がいることだしちょうど良い」源綾音は魔女会に正式勢の人たちがいるのを確認すると魔法を使った。「説明しとくとね、私の魔法の効果は……私と同じ空気を吸えば肉が溶けて肉塊になる。空気を読んで逃げ惑うことだね。それと安心して肉塊になっても永遠に痛みが続くだけで死にはしないから!」次々
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-26
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第四十一話

第四十一話魔女会に戻るとそこは地獄絵図と呼ぶに相応しい光景が広がっていて……久しく麻痺していたものが再び込み上げ吐き気を催した。だけど、本能的に恐怖を感じるのは今の僕にとってこれ以上ないほど幸運だ。恐怖が僕を強くし、強くなるほど約束も守りやすくなる。しかも源綾音を辿れば荒川咎に辿り着くのは明白だ。見せられた記憶が本物なら、僕も父さんにも関係がある。朱莉と結婚する上でそれは必ず知っておかないといけない、なぜなら朱莉が家族になる際に父さんの件で迷惑をかけるなんてことになるわけにはいかないからだ!!それに"朱莉のおまじない"もある今なら僕が恐怖でどれだけ強くなるのかを試すことが出来る。そう考えている僕に源綾音は何故か魔法のアドバイスをしてきた。「風香の魔法は恐怖を使う。上手く転用させれば魔を取り込まずとも自身と周囲を回復出来るはずだ。そのためにこの子たちを肉塊にしたんだからさぁぁ」恐怖を使うことで魔を取り込まずに回復が出来る……ホラー映画とかで死の恐怖で普段より精神が強くなり周りの人を助けるみたいな感じだろうか。だけど、源綾音は何故僕にアドバイスをするんだと考えた末あり得なさそうであり得そうな答えに辿り着いた。それは「自分が僕で楽しみたいから教えてるんだろ」パチパチパチパチ「ピンポンピンポンピンポーン、よく気づいたね、大正解だよ。だから最初に顔合わせだと言ったよね、そう言うことだよ。雛だってそれで接触してきたでしょ?」「僕たちは何もされてないけど」僕がそう言いかけると源綾音は思い出したように叫んだ。「雛のやつ記憶を消したわけか!! でもこれなら思い出した時に面白くなりそうだからアリかもね。それは置いておいて早く試してくれないか風香!」最大限の力の出すために朱莉を失う恐怖と朱莉を救うことも出来ない状況と僕への恐怖を想像した。その時、明らかに僕は冷静だった。今までは必ず取り乱した想像ですら、期待より下だった時のお化け屋敷に行った時みたいに冷静だ。そう言っても朱莉のことが大事じゃないってわけじゃないのは分かってほしい。朱莉は世界で一番大事で大切であい……る人だから。「百点だよ風香、その恐怖を原動力にする姿!! 良いものを見せてくれたお礼に少し教えてあげる。簡単にこの世界の秘密と君の出生についてを」源綾音はお礼と称し勝手に話し始
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-27
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閑話その9

閑話その9私には復讐しなければならない女がいる。その女は相棒の玉藻前(たまもまえ)を奪い、恋人の鹿波(かな)の命と雲外鏡を奪った女、先輩たちが行方不明の原因もおそらくその女だ。私が魔葬少女になったのはあの女に近づくためだ。そのために私は化け猫、覚(さとり)、大天狗、狂骨、水虎、セイレーンを喰らった。あの女のシステムならば覚の能力でシステムを通して"声"が聞こえる可能性がある。どれだけ異形の姿になろうと化け猫の能力で姿を変え、水虎の能力でその姿を消す。もしも声が聞こえた時のためのセイレーンと大天狗だ。あの女は人を殺しすぎている、ならば狂骨で亡霊の声を聞き祟ることもできる。化け猫にも人を祟り死人を操る能力がある。その点、姿も変えられ祟ることも死人を操ることもできる化け猫はうってつけだった。しかしこれだけ喰らって強くなろうともあの女の足元にも及ばない。そこであの女の作った魔葬少女のシステムを利用することにした。感情を減らす魔法とからしいが、私は玉藻前に感情の増やし方を事前に教わっている。まあ理由は……鹿波をその気にさせたかったからなのだが。ある一定の時間が経てば私自身を死んだことにし、姿を変えて荒川咎を突き止め落とし前をつけさせる。あの女に正体がバレるわけにはいかないのでその度に名前を変えた。今回は琴桐松(ことぎりまつ)から神城真白(かみしろましろ)へと変えた。そしてあの女を探る過程で魔葬少女ではコンビの片方が殺されるもしくは堕ちるともう片方も堕ちやすくなるらしい。なので私はそんな存在を喰らい糧にした。相方に殺されたらどうなるかと言う説明はされなかった。それに私は堕ちようが堕ちまいが、肉体は人間じゃないのだから何の問題もない。荒川咎に娘がいるという情報を掴んだのは復讐への大いなる一歩になる。利用できそうな人間なら利用してやる。私を人間と妖怪のキメラ実験に利用した荒川のようにな。実験が失敗していれば、私はこんな中途半端な身体にはならなかった。……だけど、成功したから鹿波にも出会えたのは確かだ。複雑なのは確かだが、鹿波を殺した時点で絶対に始末する。「篠原嬢、君は行方不明だったはずではなかったかな?」面倒なのに見つかった上に正体に気づいてるのは何故だ。……まさか、霧谷がぬらりひょんを使役している影響か?「冬子がい
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-28
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第四十二話

第四十二話 形相を変えた朱莉は僕を見るなり駆け寄ってきた。 「風香ちゃん、さっきの話って本当なの!?」 おそらく僕の心を読んだか、魔法であの光景を見たかだろうな。 朱莉に隠し事はしたくない。 「うん、本当みたいだよ。……だから都合良くなるのかな」 物語でよく見るご都合展開そのままだ。 だって展開が、まんま実は主人公はシステムを作った存在の娘だったじゃないか。 違うとすれば僕が最高傑作候補の被験体ってところぐらいか。 それなら僕の産まれた意味ってなんなんだよ。 これは僕と朱莉の人生なんだよ、僕たち自身で選択させてくれよ。 魔葬少女のシステムが存在してる時点で選択の権利なんて存在しないも等しいのも事実なのだけどな。 琴桐さんは僕に何を話したのか問い詰めてきた。 「僕が荒川咎の娘で最高傑作候補の被験体って話だよ」 分かっているこの話をすれば、琴桐さんは今以上に深く入り込むことも。 だけど、自らの意思で魔葬少女になった琴桐さんには覚悟がある。 その覚悟に僕が報えるとすればこれぐらいだ。 「朱莉を助けてくれたお礼としてになるけど、僕が聞いた話を教えるよ」 僕は廃村でのこと、自らが見た記憶のこと、雲外鏡のことそして源綾音から聞いたことを説明した。 偶然にしては出来すぎているものばかり……ほんとご都合展開だよな、これ。 「風香くん、情報提供に最大級の感謝と礼をさせてくれ」 琴桐さんはお礼として何か記してほしいことはあるかと聞いてきたので、僕は何も記さなくて良いと答えた。 僕がほしいのは朱莉との幸せだけ、ただそれだけでなんだ。 咎の恐怖の表情なんて……僕には……いらない。 「私はどんな風香ちゃんでも愛するからね、風香ちゃんが望むなら私はなんでもするよ。ねえ風香ちゃんは何をしたいのか教えて」 朱莉は光を失った瞳になったのを見て、高揚した。 咎の恐怖の表情を想像した時より高揚している。 僕も世界で一番愛しているよ朱莉。 朱莉のためなら僕だってなんでもするよ。 そう、"なんでも"ね。 「風香ちゃん、朱莉から離れて」 強張った表情のお姉さんは僕と朱莉の間に割って入ってきた。 「なんで僕が離れないといけないのか教えて」 「そんなの、朱莉が朱莉じゃなくなってるから
last updateZuletzt aktualisiert : 2026-08-28
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