魔葬少女【連載版】

魔葬少女【連載版】

last updateLast Updated : 2026-11-02
By:  暗黒神ゼブラUpdated just now
Language: Japanese
goodnovel16goodnovel
Not enough ratings
114Chapters
366views
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

隣の席の呪術本を見せてくる少女に誘われて森に向かった主人公は化け物に出会う。 二人は契約を促す小さな生物にあい変身させられ化け物を葬ることになる。 この物語は化け物である、魔物を葬る少女の話である。

View More

Chapter 1

第一話魔葬少女誕生

第一話魔葬少女誕生

この世界には成仏出来なかった霊がなる"魔物"が存在する。

その魔物を葬り霊に戻すことが出来る少女たち、それが魔葬少女なんだ。

とある二人の少女が魔物に堕ちるまでの物語だよ。

さて僕と契約した少女たちがどんなふうに堕ちていくのか楽しみに見ててね。

始まり、始まり~

パチパチパチパチ

僕、秋口風香には悩みがあるそれは

「んふふ、ふふふふふ……見てよ風香ちゃん、よそ見しないで、ほらほら見て」

隣の席の利根島朱莉(とねじまあかり)さんが毎日のように僕にだけノートを見せてくることだ。

しかも……呪術に関する物だ。

自作と呪術本と聞いた時は、開いた口が塞がらなかった。

ことの発端は三ヶ月前学校の図書館で調べ物をするために借りていた

『ビジュアルでわかる図解陰陽師入門』をちょうど返していた時に利根島さんに話しかけられたのだ

『ねえ君、陰陽師といえば呪術だよね? 私ね今呪術の本持ってるよ、そう持ってるよ!? 見てみる?!』ととんでもない勢いで見せてきたので当然断ろうと思ったが……返事をしようとした時には見せられていた。

その日から僕は毎日のように利根島さんにノートを見せられている。

そういう光景を毎日見られているわけだからクラスでは僕と利根島さんが付き合っているなどありもしない噂が流れている。

利根島さんの趣味を両親にだけは、絶対にバレるわけにはいかない。

なぜなら両親も呪術に限らないが、オカルトマニアだからだ。

両親の毎日毎日聞かされるオカルト話は、右から左に流している。

だが利根島さんの話を流して聴くことが出来ない。

なぜなら利根島さんには行動がついてくるうえに、毎回僕を巻き込むからだ。

今日も迷惑より心配が勝ってしまった結果

「風香ちゃ~ん、助けて~!!」

利根島さんは、縄で縛られて吊るされている。

なんだったっけ、亀甲縛りだっけ?

ブラーンブラーン

「暴れないで、今助けるから」

デデーン『ナイスキャッチ』

ゲームだと、こういう効果音が流れそうだな。

「風香ちゃん、流石の私でもお姫様抱っこは……恥ずかしいんだけど」

「落下中の少女を助けるなら、これがカッコいいでしょ?」

「そうだけど……? 何か声が聞こえない?」

「森なんだし、他に人でもいるんじゃないの?」

僕が耳を澄まして聞こえてきたのは物語上でしか聞いたことのない声だった。

『やめて、やめてください!! 殺さないで!!』

叫び声を聞いた直後

落ちている菓子パンを踏んでしまった時のようか勢いの良い破裂音が聞こえた。

「風香ちゃん、これって撮影なのかな?」

「絶対違う、見つかる前に逃げるよ朱莉!!」

僕たちが見たのは、四メートルはあるであろう木より巨大な化け物だった。

僕は利根島さんを担いだまま走った。

どれぐらい走ったのか、分からないが分かることがある。

それは背後から聞こえ続ける断末魔と行き止まりに追い詰められたことが、僕たちの精神をおかしくさせたことだ。

なぜなら

「君たちも、あんな風になりたくなかったら僕と契約して魔法少女になって」

こんな意味の分からないことを言っている小さい生物が見えているからだ。

小さい生き物が言っているあんな風とは

『化け物がまるで初めてチーズを裂く子供のような無邪気な顔で人間を裂いている』ことだ。

「朱莉だけでも逃げて」

「逃げ道には化け物がいるのに……どうやって逃げろっていうのよ。風香ちゃん、いつもいつも付き合わせてごめん。誘わなかったら巻き込まなくてすんだのに」

「……今だから言うけど、私も好きで朱莉に付き合ってたから」

「あのさ、そう言うのは後でいいからとっとと決めてくんない? 死にたいなら死なせてあげるけど……三秒以内に決めて、三……二……」

「「契約します!!」」

僕たちがそう叫ぶと小さい生き物は『それでいいんだ雛(ひな)たち』と囁きながらニヤリと笑った。

次の瞬間僕と利根島さんの身体は光を放った。

僕と利根島さんの服はゴスロリ風に変化していた。

小さな生物は僕たちに向けて叫んだ。

「この力ならアイツを葬れる。四肢をもいだ後目玉を潰せ!! 君たちなら出来る!!」

「そういう残酷なのは嫌だ」

利根島さんが、何度言っても結局は契約の時同様に脅された。

僕は化け物を一撃で葬るために首を捩じ切ったが、再生した。

その光景を見ていた小さな生物は僕たちを再び脅した。

僕たちが怯えていると、満面の笑みで葬り方を教えてくれた。

その方法は、残酷そのものだった。

『化け物が苦痛に耐えきれず再生しなくなるまで攻撃を続ける』

聞いた瞬間僕は今まで感じたことのない吐き気を催した。

どうやら"魔法"とやらを使えば苦痛を増やし葬りやすくなるらしい。

その言葉を聞いた利根島さんは、いつも僕に見せていた本を取り出し読み上げた。

すると化け物が悶え始めた。

畳み掛けるように僕は小さい生き物に教えてもらった魔法を使った。

藁人形が化け物を覆い隠した後、無数の巨大な五寸釘が突き刺さった。

これを"心霊魔法"と呼ぶそうだ。

中から大量の血液が流れてきたのを見た小さな生物は『成仏完了』とそう呟いた。

「これから君たちには、成仏出来なかった魔の生き物略して"魔物"を葬って霊にしてもらう、言っておくけど拒否権はないよ。僕は契約霊のナルミ……元魔物だよ、よろしくね」

「私は利根島朱莉、十六歳で高校二年生です」

冷静を装ってるけど利根島さんの声震えてる

「大丈夫だよ朱莉、僕も一緒だから」

この小さい生き物は震えた利根島さんに自己紹介を強要した。

「そういうのいいからさ、とっとと自己紹介しろよカスが」

我慢、我慢

「分かった。僕は秋口風香、十七歳。朱莉と学年は同じです、よろしく」

Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters
No Comments
114 Chapters
第一話魔葬少女誕生
第一話魔葬少女誕生 この世界には成仏出来なかった霊がなる"魔物"が存在する。 その魔物を葬り霊に戻すことが出来る少女たち、それが魔葬少女なんだ。 とある二人の少女が魔物に堕ちるまでの物語だよ。 さて僕と契約した少女たちがどんなふうに堕ちていくのか楽しみに見ててね。 始まり、始まり~ パチパチパチパチ 僕、秋口風香には悩みがあるそれは 「んふふ、ふふふふふ……見てよ風香ちゃん、よそ見しないで、ほらほら見て」 隣の席の利根島朱莉(とねじまあかり)さんが毎日のように僕にだけノートを見せてくることだ。 しかも……呪術に関する物だ。 自作と呪術本と聞いた時は、開いた口が塞がらなかった。 ことの発端は三ヶ月前学校の図書館で調べ物をするために借りていた 『ビジュアルでわかる図解陰陽師入門』をちょうど返していた時に利根島さんに話しかけられたのだ 『ねえ君、陰陽師といえば呪術だよね? 私ね今呪術の本持ってるよ、そう持ってるよ!? 見てみる?!』ととんでもない勢いで見せてきたので当然断ろうと思ったが……返事をしようとした時には見せられていた。 その日から僕は毎日のように利根島さんにノートを見せられている。 そういう光景を毎日見られているわけだからクラスでは僕と利根島さんが付き合っているなどありもしない噂が流れている。 利根島さんの趣味を両親にだけは、絶対にバレるわけにはいかない。 なぜなら両親も呪術に限らないが、オカルトマニアだからだ。 両親の毎日毎日聞かされるオカルト話は、右から左に流している。 だが利根島さんの話を流して聴くことが出来ない。 なぜなら利根島さんには行動がついてくるうえに、毎回僕を巻き込むからだ。 今日も迷惑より心配が勝ってしまった結果 「風香ちゃ~ん、助けて~!!」 利根島さんは、縄で縛られて吊るされている。 なんだったっけ、亀甲縛りだっけ? ブラーンブラーン 「暴れないで、今助けるから」 デデーン『ナイスキャッチ』 ゲームだと、こういう効果音が流れそうだな。 「風香ちゃん、流石の私でもお姫様抱っこは……恥ずかしいんだけど」 「落下中の少女を助けるなら、これがカッコいいでしょ?」 「そうだけど……? 何か声が聞こえない?」 「森なんだし、他に人でもいるんじゃないの?」 僕が耳を澄まして聞こえてきたの
last updateLast Updated : 2026-07-31
Read more
第二話
第二話「初めてで死ななかったことだけは特別に今回だけは褒めてやる」ほんと上から目線だなこいつ力強く拳を握ったことで僕の足下には血溜まりが出来た。「そんなに無意味に血液を出して風香は何がしたいの?」こいつの煽りには絶対に乗らない。利根島さんに何かあってからだと遅いんだから我慢しないと。「風香ちゃんはあなたの態度に……」「いいの、朱莉」僕は利根島さんの手を握り、首を横に振った。「分かったよ」こいつは利根島さんが煽りに乗りそうになったのを不満そうに見つめた。「とりあえず今日は二人とも家に帰れ。明日の午後二時にこの森で集合しろ」こいつはあり得ない提案をした。手を握る力が強くなった利根島さんは、震えながら断ろうとした。「その時間は学校でここに集まるのは…………」こいつは断られないように、僕と利根島さんを脅した。「僕の力があれば学校にも魔物を呼べるけど、友達諸共死ぬか、僕の提案に乗って全員で生きるかどっちにするんだ? 僕はどっちでも構わない、とっとと好きな方を選べ」選択肢を提示しておきながら、意味をなさないじゃないか。「「提案に乗ります!!」」「さすがは僕の見込んだ雛(ひな)たちだ」僕はこいつの口にした雛の意味を問いただした。「気になるのは当然か。雛っていうのは、魔葬少女候補のことだよ。正式な手順を踏むことで魔葬少女になれる存在のことだ」正式な手順とやらを聞こうとしたが、こいつに遮られた。僕も利根島さんも疑問に思うことは同じだった。「私たちが雛ということは他にも似たような人がいるっことでいいですか」利根島さんは僕より早くこいつに質問した。その質問を受けたこいつは口角が少し上げて答えた。「そうだ、いつかは顔合わせをさせる必要がある。だから心の準備はしておいてね」こいつが何かを企んでいるのは分かったけど、今の僕たちに何か出来る訳じゃない。何か出来るようになるまでは我慢だ。「質問はそれだけか? ならばとっとと帰れ」僕はすぐにでもこいつから離れられるために利根島さんの手を握った。「早く帰ろう朱莉」誰かの手をここまで強く引っ張るのは人生で初めてだと思うほど、僕の手には力が入っていた。「分かったからそんなに強く引っ張らないでよ風香ちゃん!」「ごめん朱莉」振り返ると顔を歪んでいるアイツがいた。その顔を見て、吐き気を
last updateLast Updated : 2026-07-31
Read more
第三話
第三話「……はぁ、はぁ、眠れない。今何時なの」二時十七分か……どうしよう。眠れないから少し散歩でもしようかな。こんな状況一人で外を歩くこと自体危険なのは分かってるけど、眠れないまま集合時間になりたくない。「いってきます」僕は家族に挨拶だけして家を出た。散歩っていってもどこ行こうかな……とりあえずコンビニで利根島さんに渡す何かを買おう。ピロピロピロピロン「いらっしゃいませ〜」利根島さんが喜びそうな物っていったらやっぱりこれだよね"オカルト特集各地で目撃された怪物の正体に迫る"この本の中身を見ていると、怪物の正体に気づいた。載っていた怪物と思しき写真を見て、僕は一目見て分かるほど動揺した。なぜならその写真に僕と朱莉が成仏させた魔物が写っていたからだ。「お客様、どうなさいました!」「なんでも……ないです」店員さんは僕の動揺の原因を理解したような口ぶりで僕に話しかけてきた。「もしかして君もこの怪物に興味があるんだね。そういえば最近この子誰かに成仏させられちゃったみたいなんだ」ここで焦ったら絶対にダメだ。もし敵だった場合殺される「成仏ってなんのことですか? 怖いなぁと思っただけですから」「そっか、知らないふりか。……あぁ、もしかしてウチのこと敵だと思ってる?」そう簡単に信じるな、アイツの件があるんだ。店員さんは僕に疑われているのを察して"魔法"を使った。パチンコンビニ全体を覆っている物を見るに、店員さんの魔法はおそらく結界だ。「信じてくれた? ウチは敵じゃない、アンタと同じ魔葬少女なんだ」「分かりました、信じます。と言うとでも思った? そんな簡単に信じられるわけがない」店員さんは残念そうな表情で僕を見つめてくる。「そんな表情されても今は信じないから。信じてほしいなら相応の行動をして」店員さんは僕の言葉に一瞬顔を歪めた。「それでこの本買うの、買わないの?」「当然買う」僕は会計を終わらせ店の外に出ようとした。「そういえばウチの魔法にはこんな使い方も出来るんだよ」振り向いた僕はこの店に来たことを後悔した。パチン店員さんの鳴らした音と同時に僕の右腕が落ちた。「信じなくて正解だったな」「いやいや、これは先輩からの指導やで」「これの、どこが指導なんだよ」僕が睨むと店員さんの口調が変わった。「アンタ護り
last updateLast Updated : 2026-07-31
Read more
第四話
第四話僕は母さんの叫び声で目を覚ました。「どうしたのこの血の量!? 何があったの!」言い訳を何も考えてなかった。素直に言っても信じてもらえないだろうし……いやこの親なら信じるな、うん。でも面倒ごとになるのは目に見えてるのは確実だから言うのはやめよう。「演劇で被害者役をすることになって血のりをたくさん使っただけだから、安心してよ母さん」よし、これでいこう。「何言ってるの、この匂い本物の血じゃない!」そうだった母さん呪術で死体を使ってるから血の匂いに敏感なんだった。これだと乗り切れない、どうする。魔法を使うか、ダメだ。僕が知ってる魔法だと殺してしまう。回復魔法なら殺さずにすむ……もし体内の血液を増やせるのなら気絶させることも出来るんじゃないか。しかしそのためには変身しないといけないのが問題になる。僕が思考を巡らせているとアイツが現れた。「ヘマやらかしたみたいだな、おい。特別に助けてやるよ」アイツは部屋の血液を綺麗に無くし、母さんの記憶を消したように見えた。こいつのことだ、後々恩を返せとか言われるんだろうな。「これで面倒にはならないだろうが、風香が家でここまで練習するような阿呆だとはな。こうなることぐらい理解出来るだろ」さすがにこれは反論しようがない。僕は渋々こいつに謝った。僕の謝罪にこいつは相変わらずの上から目線で接してきた。「集合時間に間に合いさえすれば謝罪など、どうでもいい。学校行くならとっとと行け」僕はこいつと離れるためにすぐに学校に向かった。学校の景色はガラッと変わって見えたことに多少の驚きはありつつも利根島さんがいることに安堵した。「風香ちゃん、どうしたのそのクマ!!」「眠れなくてね。これ買ってきたからあげる」僕はコンビニで買った本を渡した。利根島さんは本を渡す際に僕の腕のことに勘づいた。「風香ちゃん、その腕どうしたの? 昨日と腕の位置が違うけど……もしかして襲撃されたとか!?」「違うよ、回復魔法を覚える際に自分でつけた傷だからなんともないよ」嘘は言ってない、最終的には自分で腕を切断したから。「風香ちゃん、回復魔法覚えたんだぁ。私も使ってみたいなぁ」「出来る限りはやめた方がいい。使うためには魔を取り込まなきゃいけないから……朱莉に何かあったらいけない」「それだと風香ちゃんの傷を私が治せない
last updateLast Updated : 2026-07-31
Read more
第五話
第五話僕は利根島さんと話しながら、これ僕ら呼ばれた意味あったのかと考えるようになった。アイツと香澄さんが話し始めて三十分が経っている。「おい香澄そろそろ話はいいだろ。こっちは教えないといけないんだ、それぐらい分かるだろ」「ええやん。ひっさ会ってなかったんやし、大目に見て〜な〜」アイツは香澄さんを小さい身体で押しのけて僕たちの目の前で浮かんでいる。「今から二人に初歩的な三つの魔法を教える」アイツが教えようとした時、香澄さんが話に割って入った。「ウチ知ってるで、一つ目は回復魔法、二つ目が補助魔法、三つ目が攻撃魔法やで。その三つがあれば戦闘になっても困らんからな」アイツは怒って香澄さんの下半身を魔法で消した。僕と利根島さんは状況を理解するのに時間がかかってしまった。「何すんねん、ウチのプリティーなお尻がなくなってもうたやないか!」「テメェならすぐに治せるだろうが、こんのボケが!」「なんや言い草は! 治せても元には戻らんのやで!」子供の喧嘩みたいだな。この光景を見た利根島さんはさすがに声を荒げた。「二人とも喧嘩はやめて!! 魔法を教えるなら早く教えて! 時間の無駄!!!」「誰に口聞いてんのか分かってるんかこのガキ!」「はいは〜い、ナルミ落ち着こうね。ごめんねウチたちのせいで」香澄さんはアイツを宥めた。そしてアイツと香澄さんの魔法講義が始まった。「無知なお前ら二人に魔法の原理について説明する」それからのアイツの説明は難解な単語ばかりでよく分からなかった。初心者相手なんだから分かりやすく教えてほしい、僕たちの命がかかってるんだから。利根島さんがキョトンとしていると香澄さんが、待ちに待った出番がきて意気揚々と話し始めた。「ようするに、魔法っちゅうのは各々の感情に紐付けて使うものっちゅうわけやな。連想ゲームみたいなもんや」香澄さんは、結界の魔法を使用し説明を始めた。パチン「ウチがこれを使う時は"楽しい感情"を使うんやけど、連想ゲームやと説明したのはなウチの中の楽しい事を想像して感情を増やしてその増やした分を消費して魔法を発動させるわけや。感情を増やして消費すれば、プラスマイナスで言えばゼロになるからな。気をつけなアカンのは、使い過ぎればいずれは感情そのものが消えるちゅうとこや」僕は疑問に思ったことを質問した。「感情を使う
last updateLast Updated : 2026-08-01
Read more
第六話
第六話「朱莉、片腕無くしたぐらいで動き止めたら死んでまうで! 死にとうないならもっと我慢せなアカンで」僕はアイツに教えられた感覚を鈍らせる補助魔法を利根島さんに使用した。「ありがとう風香ちゃん、これでもっと動けるよ!」まだ連想ゲームみたいにするのに時間はかかるけど、回復魔法の練習の時よりは上手く出来る感覚はある。香澄さんの実戦形式の訓練は容赦のかけらもなかった。だけどそのおかげで、僕の恐怖は増えている。恐怖が増えているということはまだ利根島さんと人間として暮らせるってことを意味する。香澄さんなりの優しさなのだろうか?「笑っとる場合ちゃうで風香!! アンタらその程度でホンマにあの魔物を成仏させたんか?」この煽りは乗っても良いやつだよね。ある程度恐怖も増えたし、心霊魔法を使おう。「風香ちゃん、私も合わせるよ!」「頼んだよ朱莉!」朱莉の呪術で香澄さんの動きを鈍らせ僕の心霊魔法で攻撃する。これなら少しぐらい香澄さんにダメージが与えられるはず!命中した香澄さんは無傷で笑って立っていた。「いや〜今のはちょいと驚いたわ。ええコンビネーションやったで」もう驚くのも疲れてきた。「だよね風香ちゃん。私たちが目指す目標としては驚いていられない……でしょ」「朱莉の言うとおりだよ。だから僕は全力で立ち向かう」僕が魔を取り入れて全力で攻撃する。だから利根島さんはさっきみたいに合わせてほしい。「任せてよ風香ちゃん!!」僕は自らに補助魔法をかけ痛覚を鈍らせた上で魔を取り入れた。「溜まったっ!!」僕の合図と共に利根島さんは呪術の本で香澄さんの動きを鈍らせた。「安心しぃや、避けへんから」「「それなら遠慮なく、いかせてもらいます!!」」僕と朱莉の攻撃は香澄さんにダメージを与えることが出来た。全力の攻撃で左腕欠損させることしか出来なかった。今回の訓練で僕と利根島さんは正式な魔葬少女の高さの片鱗を思い知ることになった。香澄さんは欠損を秒で再生させた。やはりなったばかりの僕と正式な魔葬少女では回復魔法一つとっても距離がありすぎる。「二人ともなったばっかやって思えへんほどええで、ホンマ……ウチらがなったばっかの時よりええんやないか? 荒削りな部分はあるのはしゃあないけど良かったで」訓練が終わって少し経ってアイツが僕と利根島さんを呼び出した。
last updateLast Updated : 2026-08-02
Read more
第七話
第七話「お邪魔しま〜す」今日は休息日ということで朱莉を僕の家に招いた。こんな時になって思い出したけど、自分の家に誰かを入れるのって朱莉が初めてだということに。まあこれと言って焦ることでもないんだけどさ。僕の部屋に行くまでに朱莉は何度も目を輝かせていた。その輝きの先が両親のオカルトグッズなのが複雑な気持ちになるのは正直に認めるけど。「風香ちゃんの部屋って二階なの?」「そうだよ。あんまり変わり映えしない部屋だから期待しないでね」期待した瞳で見つめてくる利根島さんに僕は念押しして普通だと伝えた。「これが風香ちゃんの部屋!! 可愛いね!!」利根島さんはそういうけど、僕的にはそこまでじゃないと思うんだけどなぁって感覚なんだ。「ねえ、風香ちゃんこのぬいぐるみってオカるんだよね!」やっぱり利根島さんはオカルト関係にはすぐに気づくよね。オカるんとはゆるふわ系オバケを題材にしたアニメのキャラクターで絶大な人気がある。一時期のオバケブームを起こすほどの影響力がある。父さんのそういうキャラを作れるところは凄いと思うんだけどなぁ……家だとアレなのがなぁ「……今のって本当なの風香ちゃん!?」「本当だよ朱莉……引いたでしょ」利根島さんの瞳の輝きは増すばかりで、その様子を見た僕は、ずっとこんな日々が続けば良いのにと淡い期待さえ抱いてしまった。僕と朱莉が魔葬少女であり続ける限り、この日々は戻らない。この手を血に染めてでも、僕は朱莉と元の生活に戻ってみせる。「風香ちゃん、私にこのぬいぐるみ貰えないかな?」利根島さんが、魔法に愛を使っているのならこのぬいぐるみをあげれば長くまともな状態で一緒に過ごせる。「いいよ。朱莉なら大切にしてくれるのが分かってるからね」僕は利根島さんにある提案をした。「あのさ朱莉、今日僕の家に泊まらない?」「良いの!? 私は全然いいけど……お風呂は一緒に入ってもいいの? ご飯も一緒に、他にも他にも……」利根島さんは息を荒くして欲望をぶちまけた。僕は全て肯定した。僕自身がそうしたいのもあったし、一番は朱莉と元の生活に戻った時の気分を味わいたかった。元の生活に戻れたら、一緒に暮らしたい。そのための予行演習だと思えばこの日の出来事を明日からの希望に変えて頑張れる。そう思っていてもアイツの前だと隠さないといけない、絶対に
last updateLast Updated : 2026-08-02
Read more
第八話
第八話結局僕と利根島さんはアイツから顔合わせ相手の情報を一つも聞けていない。顔合わせ相手の情報なら聞けば教えてくれるのか?いいやたとえ聞けたとしても信じてもいいのかが甚だ疑問だ。僕が疑いの眼差しをアイツに向けると利根島さんが、僕の代わりに質問した。「顔合わせ相手ってどんな人たちなのか教えてもらうことって出来ますか?」聞かれたアイツは睨み付けて朱莉に一言投げつけた。『言って何の意味があんの?』 答えてすらくれないのかこいつは。「案内するなら、早く案内して」僕に急かされてこいつはキレ気味に魔法を使った。「そんならとっとと案内してやるよ」こいつが使った魔法は転移だった。僕はこいつの転移の魔法を味わって不覚にも少し羨ましく感じてしまった。この魔法があれば危険な時に朱莉を逃すことが出来る。「ななななんですの!? とと突然目の前に人が現れましたわよ!」「そうだね」「美月はもう少し反応したほうが良いと思うのですけれど!?」「私、上手く反応……出来ないの?」「出来てませんわよ!」この二人が顔合わせの相手ってことで良いのかな。「二人とも可愛いな」僕の口は絶対に出してはいけない言葉を出してしまった。「違うの朱莉、僕が大切なのは朱莉だけだから!」「もう、風香ちゃん……言われなくても分かってるよ」僕と朱莉の会話を聞いた茶髪の子が僕たちを見て引いたように口を開いた。「やっぱりこの子達苦手」僕としては利根島さん以外になら苦手って思われても構わないけど、魔葬少女として考えれば協力出来ないのは致命的だよね。銀髪の子は茶髪の子を安心させるためなのか、声高に僕に話しかけてきた。「確か風香さんでしたね。私は霜月葵、先ほど距離をとったのが、コンビの松島美月ですわ! ちなみに私たちの魔法を見れば驚くこと間違いなしですわよ! 行きますわよ美月」美月と呼ばれた茶髪の子はこくりと頷き魔法を使った。「死せよ、食糧(ヒューマン)」「いつ聞いても物騒ですわね。私も行きますわよ"楽園への誘い(スーサイド・パクト)"」松島さんの魔法は対象を喰らう暴食の魔法で霜月さんのは五感を奪い毒で身体を蝕む魔法という感じだ。「風香さん、凄いですわね。この魔法を味わって叫び一つあげないなんて……それでこそ顔合わせの意味がありますわ!!」「もうやめない? 苦手だけどやり
last updateLast Updated : 2026-08-02
Read more
第九話
第九話 秋口風香さんに利根島朱莉さんですか……愛いですわね、あの関係。 美月ともあんな愛い関係になれるのかしら……いいえ、なってみせますわ! 「さっきの魔法とても良かったですわよ」 「そう? それは良かった」 反応が薄いのは相変わらずですわね。 美月の口数が増えているのは良い兆しですわよね。 「疑問に思っていたのですけど、美月が魔法に何の感情を使っているのか教えてもらえないかしら?」 「感情? 昔は希望だったよ」 昔ってどういう意味なのよ、魔法に使う感情って変わるものなのかしら? 「私が聞いてるのは今使っている感情ですわよ!」 「今は……なんだろう、葵は何だと思う?」 「私に聞かれても分かるわけないわよ」 私と美月が話していると風香さんのところの契約霊が私に話しかけてきました。 「なあ、ミコトんとこのガキちょっといいか」 「なんですの? 今の私はアンタに構っている暇はありませんのよ」 私が拒否すると、この方の顔はプールあがりの指のように歪み脅してきました。 「調子乗んなよガキが、僕たちはいつでも壊せるんだからな口の聞き方に気をつけろよ」 この方、ミコトよりヤバいのではなくて? 風香さんたち相当苦労してそうですわね 私がその後見た光景は意外の一言でした。 美月がこの方の頭を残して握りつぶしたのですから。 「葵、これで安心して話せるよ」 しかしこの方は一瞬で潰された頭以外を再生させた。 「雛としての出来がいいじゃねえかミコト! まあ僕のところの方が出来はいいけどね」 美月が私のために行動してくれるなんて……これなら仲良くなれるわよね。 私が美月に話そうとしていると、あの方が何かを叫んだ。 その叫びを聞いた美月は悶えながら今まで聞いたことのない声色で苦しみながら叫んだ。 あの方の叫びの少し後に魔物の群れが現れましたわ。 「葵、早くこの子たちを逝かせてあげよう」 美月の苦悶の表情を見て初めて胸を痛めた。 「ええ、私たちで逝かせてさしあげましょう!!」 群れで来ているのですから、やることは一つ 「風香さん、朱莉さん分担して成仏させましょう!! 私と美月で五体成仏させますので、お二人は残りの四体をお願いしますわよ!!」 私の魔法は飢えの感情を使
last updateLast Updated : 2026-08-03
Read more
第十話
第十話「ねえ美月、あたしが葵と組ませた理由理解してるよね?」「してる。だからさっき言った」「多分伝わってないよ。それに今、魔物を成仏させる気分ってどんな感じなのかあたしにも教えてよ!!」「気分? 特に感じないよ」「ほんとつまらないよね美月って。美月みたいな存在が珍しいから知りたかったんだけどなぁ」「そう。柊さんには分からないと思うよ」「前の名前で呼ばないで、あたしはもう魔葬少女じゃなくて契約霊のミコトよ! そもそも美月がいなくならなかったら私は堕ちてないの……せっかくまた会えたのに」「葵を堕とすために私を呼んだ、そうでしょ」「よく分かってんじゃん、さっすが元相方。性格は変わりすぎだけどね」「葵を堕とさせない」「はいはい、それは頑張って。調理は終わらないけどね」ミコトと美月はあんな隅っこで何を話しているのかしら?私が美月たちの方に走ろうとしたら風香さんに止められました。「霜月さん、やめた方がいいと思う」「なぜですか?」私が何度聞いても風香さんに誤魔化されるので、聞きやすそうな朱莉さんに聞いてみました。「朱莉さんなら答えてくださいますわよね?」「葵ちゃんに渡すサプライズプレゼントの相談みたいだから知らないフリしてあげて」美月とミコトがそんな嬉しいことを考えてくれているなんて……意外ですし、心が温かいですわね。「そういう事でしたら、分かりましたわ。知らないフリですわね。私に任せてくださいませ!!」「「霜月さん(葵ちゃん)、声が大きいって!」」「お二人とも、焦りすぎですわよ!」私の声に反応した美月とミコトは話を中断した様子で戻ってきました。「どうしたの葵?」「いえ、なんでもないわよ」「そうなの? ニヤけてるけど」「美月、この後ご飯食べに行くわよ!!」「お腹空いたんだね」「こんな時間ですからね、当然ですわ!」「前回はお寿司だったよね」「今回はしっかりと美月の好みも聞けましたし、焼肉を食べに行きますわよ!!」今回の焼肉は前回みたいにほぼ無言で食べ終わって別れることはないはずですわ……たっ、多分。風香さんと朱莉さんのおかげで楽しくなりそうですわ〜!!そして場面は風香に切り替わる。さっきのあの二人の話が本当なら、松島さんは……既に堕ちてるってことになる。それに契約霊が元魔物なのは分かってたけど、魔葬少女が魔物
last updateLast Updated : 2026-08-03
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status