Semua Bab 魔葬少女【連載版】: Bab 51 - Bab 60

88 Bab

閑話その10

閑話その10朱莉くんの変化は私にとって顕著だった。オカルト好きカップルがいるというのは、学校中で噂になっていたこともあり、記事にするために張り込んだこともある。だからこそ分かる。朱莉くんの魔法は死者をも蘇らせることが出来る。愛というものは人を生かすも殺す出来ることは理解していたが、魔法にここまで影響があるとは興味深いね。それに朱莉くんは風香くんに好き・愛しているという言葉をあまり使わなかった。そのため考えられることといえばそれまでに何か重大な事件があったことだ。そこで私は千佳と協力し、徹底的に調べた。事実は小説よりも奇なりとはまさにこのことかと呟きたくなるほどの出来事だった。朱莉くんは風香くんと別れた後、恋愛に関する本を買いに行っている最中人型の魔物と遭遇し会話した後殺された。変わり果てた姿となった朱莉くんは二十秒ほど時間が経った後完全回復し魔物を消し炭にした。何かを確認する動作の後、決意した表情をした。私は何を確認したのかと決意を知るため紙に記し、知ってしまった。朱莉くんには残機があり、風香くんだけを普通の生活に戻すために動くと。風香くんはこの事を知らないのは明白だ。知っていれば必ず止めるはずだからだ。私自身としてはクラスメイトには死んでほしくないと考えている。魔葬少女になっているのだから堕ちるのも確実なのは明白なのだから、私にはやる事がある。風香くんから情報は有益な物ばかりで荒川咎を止めれば、二人を助ける事が出来る可能性が出てくる。私の記す魔法は完璧ではない、出来ないことも存在する。だとしても朱莉くんの残機を増やすことなら可能だ。能力の代用という形ですれば私も一時的にだが他人の能力を使える。そのため朱莉くんの残機を増やすことも可能だ。現在の風香くんに言えば快く承諾してくれるだろう。だが、私の聞き方が悪く風香くんは何も記さなくても良いと返されてしまった。風香くんが荒川咎の娘という点は利用価値はあるが、友達を自らの目的のために利用することは心に反する行為極力控えたい。正式に近づくほど感情に飲み込まれやすくなるか、私にも近い将来たどり着く領域であり超えなければならない壁になる。己自身に打ち勝つこと事ほど難しいことはない。私自身出来る自身はないが、曽祖母の願いを叶えることが家族の、私の願い。そのために魔葬少女
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
Baca selengkapnya

第四十三話

第四十三話朱莉に手を引かれ半ば強引にお姉さんと水本さんと別れた僕たちは魔女会で香澄さんがいないかを見に行った。香澄さんが依頼から帰ってくるまでの間に僕たちは依頼を受けてその後連絡もなしで廃村に行っている。流石に常識がなさすぎる。朱莉は僕の思考を読み、魔女会の受付の人に香澄さんが帰還したかを魔法で脅す形で問い詰めた。「柚木さんでしたらまだ戻られていませんので、魔法の使用は控えてください!」このまま朱莉が感情に飲み込まれたら……朱莉の自我が崩壊してしまう。それだけは嫌だ!!僕は受付の人に感謝を伝え、人気のないところに朱莉連れて行った。「どうしたの風香ちゃん? 何か願いがあるの? 叶え…………んぐ!?」流石にここまですれば戻ってくれるはず、僕はそう考えてファーストキスを朱莉に捧げた。「……ぷはっ…………戻ってきて朱莉!」ここまで飲み込まれていればお姉さんから警告が来るはず……いや、来ていたとしても今の朱莉からすれば敵からの言葉になるのか。「……えっ、にゃにこれ」流石の不意打ちをくらった朱莉は腰を抜かした。僕のせいだ、僕がこの期に及んで朱莉が壊れた表情を想像してしまったからだ。「君たちこんな人気のないところでキスとかや〜らしいんだ〜」僕と朱莉に話しかけてきたのは青髪の少女だった。「何のようですか?」朱莉は少女に邪魔者に向けるような瞳を向けた。「君たち正式になりたいみたいだから手伝えたらな〜って思っただけなんだけどダメだったかな?」「ダメに決まっ……んん!?」「ダメじゃないです、助かります」少女は輝くような笑顔で自己紹介し始めた。「私は神城真白(かみしろましろ)っていうだぁ、魔法に使ってる感情は変身欲だね。色々な姿に変身出来るからリクエストしてくれれば披露出来るからねっ! それに正式になったばかりだから、色々教えられると思うから頼ってほしいなっ」正式になったばかりということは、感情の飲み込みの乗り越えを分かりやすく教えてくれるのではないか?「ちゃんと甘えたいから落ち着いてね朱莉」朱莉は光の失った瞳でネットリとした笑みを浮かべ頷いた。正式になれば少しは僕たちの関係も純粋な恋人に戻れるのかな。……まだデートも出来てないのに健全な関係から外れすぎてる。「ふったりとも〜、早く行くよ〜!!」神城さんはぴょんぴょんとジャンプ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
Baca selengkapnya

第四十四話

第四十四話僕と朱莉は神城さんの言葉の通りに身体が動いてしまい、魔法を使った。「うんうん、この感情美味しいねっ! それに二人とも潜在能力っていうのかな? それが高いねっ!」僕たちの身体は魔法を使い続け感情がなくなり始めた時、急に"いつもの"僕と朱莉の感情に戻った。「約束通り良い感情に変えたから安心してねっ! これで正式になりやすくなったはずだよ〜。やったね☆」明らかに感情が落ち着いている。僕は試しに魔法を放つと、高揚していた時より強力な魔法を放てた。「えっ、何この威力……信じられない」「凄いよ風香ちゃん!! 私も、私もやってみて良い?」朱莉は受付の人に使いかけた攻撃魔法を使った。「今の見た、風香ちゃん!? なんか、なんか落ち着いてるのにね……強くて、これなら風香ちゃんと生き残れるかも!!」風香ちゃんと生き残れるかもって僕と朱莉は最初からその約束のはずなんだけど、朱莉は違うのかな?「ちっ、違くないよ。私も風香ちゃんと二人でも普通の生活に戻る約束を守るよ」朱莉のこの焦り方もしかして「朱莉何か隠してない?」僕が顔を近づけて問い詰めると照れながら答え始めた。「……はぁ、何でそんな大事なことを最初から言ってくれなかったの!!!」朱莉を失った恐怖より、朱莉に信じてもらえなかったことの方が悲しいんだから。「だって、風香ちゃんを生き残らせるにはその方法しか」「朱莉次からはそんなこと考えないで、ちゃんと僕と一緒に生き残る方法を考えよう! 朱莉の蘇生は朱莉で使って分かった!!」どれだけお願いしても僕の時に使うと言って聞かなかった。「それなら僕も蘇生に似た何かを覚えるからそれでいい?」僕の言葉に朱莉は今までに見たことがないほど瞳を輝かせて首を振った。「神城さん、ありが……」「……ふぅ、これで良いか浅霧、霧谷。しっかりと借りは返したぞ」神城さんがいなくなって知らない紺色の髪の女性が立っている。「感謝するよ篠原嬢、これで荒川嬢を止めやすくなる」「冬子凄いじゃないか!! 何だ今のは!?」「アレは私が文字通り魔法を通して感情を喰らい玉藻前直伝の感情コントロール術で歪んだ感情を消して良い感情に変換して返しただけだ」どうして浅霧さんと霧谷さんがここに、それにこの人は誰なんだ。「おい、咎の娘とっとと正式な魔葬少女になれ。さっきまでのお前らだっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
Baca selengkapnya

第四十五話

第四十五話 朱莉には既に心を読まれているから知られているかも知れないけど、僕自身の口から正直には伝えていない。 歪んだ感情で朱莉を見たこと、朱莉の絶望の表情を想像しただけで高揚したこと、そして僕が荒川咎の……魔葬少女システムの開発者の娘兼最高傑作候補の被験体であること。 僕は正直に話そうと決意した。 最初こそ重くのしかかった口が開かなかった。 朱莉は自分が一度死んだこと残機があり残りが一つだということ、そしてその残りを僕に使おうとしたことを話してくれたんだ。 僕だけ隠し事をするのは嫌だ、そう考えたら重いと思っていた口が自然と開いた。 「僕ってさこのシステムを作った荒川咎の娘で最高傑作候補の被験体なんだ」 朱莉は何も言わずに頷いてくれた、僕にとってはそれだけでも充分だった。 「それ聞いた時に僕の産まれた意味ってなんなんだろうって……正直感じちゃってさ、色々上手くいってるのも仕組まれてることなんじゃないかって…………僕は朱莉と人生を決めていきたい。出来ればこの人生が終わっても朱莉と出会って、また呪術の本を見せられて……色んなところ行ってさ……」 あれ、途中から話し変わってないか? さっ、流石にこれ以上は恥ずかしすぎるんだけど! 「また朱莉と付き合って、デートしたり……次は今みたいに余命とかもないと思うからさ結婚したり、子供が作れる時代だったら二人で作って、その子供が相手の人を紹介してきて……孫を抱っこしたりして、みんなに囲まれて朱莉と…………ごめん、話が逸れた。死にたくない、ずっと朱莉と一緒にいたい。だから朱莉も自分の命を僕に使わないで……僕は朱莉がいない方が嫌だ、一人で生き残りたくない!!」 口が勝手に本音を話してる、引かれたらどうしよう。 朱莉は泣き崩れながら話している僕の涙を拭ってくれた。 「風香ちゃんの気持ちも痛いほど分かる。だけど、私も風香ちゃんのいない世界は嫌なんだよ。だから風香ちゃんが、蘇生の魔法を覚えるまでは私は計画変えないからね」 「でもそれじゃあ、朱莉がいなくなっちゃう!! それだけは嫌なの!!」 「私も同じ気持ちだから、変えたくないの。だから一緒に蘇生の魔法覚えよう。私は新しく覚えればもしかして残機増えちゃうかもでしょ、そうすれば風香ちゃんともっと一緒にいられちゃうかもよ〜、なんて
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
Baca selengkapnya

第四十六話

第四十六話僕と朱莉は焼肉に来て驚いていることがある。「そこの店員、取り皿が来てないんだけどなるべく早く持ってきなさい! ちょっと香澄、これはもうちょっと焼いた方が美味しくなるの。朱莉ちゃん、アンタのカルビもう焼けてるから入れなさいよ」愛海さんは呆れながらも朱莉のお皿にお肉を入れ始めた。愛海さんって凄い仕切ってくれる上にものすごい気がきくんだ……訓練の時と違いすぎて意外だな。支配欲はここでも発揮されるのか……いやそうだよね、僕の恐怖も朱莉の愛も日常生活の感情なんだから……にしても、印象が良い方向に変わる。「風香どないしたんや? 意外そうに愛海をじーっと見て、愛海は日常生活やと案外まともなんやで。こんなでも生徒会長やからな愛海は」香澄さんを睨んだ愛海さんは突然席を外した。愛海さんの姿が見えなくなって香澄さんが僕と朱莉に囁いた。「お二人さん気づいてるか、愛海のやつ支配を使ってないんやで」そういえば声を聞いているのに誰も支配されていない。すると香澄さんがその理由を説明してくれた。「これでも愛海はお二人さんのことウチより心配してたんやで、意外に見えるやろ。やけどな、愛海にはな自分の感情に嘘つき続けて死んでもうた子がおったんよ。……まあ愛海とウチの親友だったんやけど、お二人さんが感情に嘘つかずに付き合い始めた言うたから今日ばかりは楽しんでもらおうって考えてるわけやな愛海のやつは」その話をしている香澄さんの瞳には涙が浮かんでいて、話してもらっても良かったのか不安になってしまった。「ちょっと香澄、全部聞こえてる」戻ってきた愛海さんは香澄さんに気を遣い、僕と朱莉に支配を使用した。「今の話は聞かなかった、良いわね」「「はい」」「別にええやん、愛海」「香澄が辛いんだから、どう考えてもダメなことぐらい分かりなさいよね」網からパチパチ音がなり始め二人を見ると……二人の涙が落ちた影響だった。そして僕たちがある程度食べた時、愛海さんが感情コントロールで気をつけることを条件として教えてくれた。「気をつけることは四つある。第一条件として感情に素直になること。第二条件に感情の増やす方法を最低三つは用意すること。第三条件として相方に隠し事は出来る限りしないこと。これは私の主観だけど、第四条件は相方と付き合ってる場合は無意識の欲求にも目を向けてどんな欲
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
Baca selengkapnya

閑話その11

閑話その11「今回のテーマは、これです」ホワイトボードを叩く音が、部屋に残る。ドン!!「第一条件、己の感情に素直になること。私が教えるのは、そのやり方です」私は魔女会で、第一条件を担当している。この条件に、私より適した人間はいない。適していると、私が判断している。「まず理解してほしいのは、感情に素直であることと、自分を愛することは同義だということです。たとえば、明日期限の宿題があるとします、そのときメイク動画が見たくなったとしたら貴女たちはどうしますか?」「…………宿題を終わらせてから、動画を見ます」普通の子の答えです。普通の子としては正しいと私は考えている。「私なら、先に見ます。見たい気持ちを残したまま宿題をすると、残った気持ちが魔法を歪めますからね。我慢した時点で、感情が食い違い、いずれの飲まれてしまう。普通の子の正解は、私たち魔葬少女には感情を蝕む毒なのです。生き残るには、まず自分を愛してください。そして自分を愛せるようになると、私の場合はですがこういうこともできます」私は自分を観察している。よく観察しているので、"完璧な私"と呼べる分身を出すことができる。プルルプルル。皆の許可を取って、私は電話に出る。「依頼が来ました。ここは"完璧な私"に任せます。私は現場へ行きます」突然の依頼でも、私は動ける。久蔵とは違って、です。現場に着くと、相方の雪奈(せつな)がゲームをしていた。「また久蔵の影響ね、雪奈。私にも貸しなさい」雪奈は私と久蔵の一つ下で、久蔵とはゲーム友達です。「ちょっと未來ちゃん返して。これは先輩との約束なんだから」「……我慢ならない」「どうしたの未來ちゃん?」「このステージはコルラン(ゲームキャラ名)です。私が使ったキャラの中で、このステージを最適に攻略できるキャラこそコルランなのです」「えー、だってコルランって使いづらいんだもん」「……コルランが最初に使いづらいことには同意します。ですが慣れれば、今のキャラより最適です。使いづらいと最適ではないは別の話です。一度貸してみなさい、コンボは私が教えますから」私は自分を愛しているので、妥協が残るやり方を見るとどうしても感情が動いてしまう。やるなら、私が正しいと思う形まで持っていく。さっそくセンサーが反応しましたね。「魔物が来ましたので、教えながら戦い
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-31
Baca selengkapnya

閑話その12

閑話その12「ねえいぬサブロウ今日はおめでたいことがあるんだよ、聞いてくれる? それはね……」帰宅後サプライズ準備を終了しウッキウキでぬいぐるみに今日の出来事を報告していたら、本人が帰ってきちゃった。「……ただいま〜って、何してんの美月?」「何ってそんなの簡単だよ!」私は隠し持っていたクラッカーを取り出したパァン!!「柊さん、誕生日おめでとう!」サプライズで柊さんの誕生日兼入学祝いを私は数日前から計画してたの!「柊さんにバレないかヒヤヒヤだったんだよ、もう」私が冷や汗で濡れているのを見た柊さんは自然にタオルを渡してくれた。「柊さん、いつもありがと」「早速食べてもいい?」「うん、いいよ! ふんふんふんふんふ〜ん」私が準備した料理を柊さんはいつも美味しそうに食べてくれる。あの笑顔を見てるだけで私は力が漲ってくる。「ねえ美月、どこまで夢に近づけたの?」夢にいて聞かれた私は自信満々にこう答えたの!「魔物になった人を三人魔葬少女に戻せるところまでは進んだんだけど、まだ契約前には戻せてない!」私の希望を使う魔法でここまで出来るなんて思わなかったけど、これならみんなを元に戻せる。そして私の夢は魔葬少女のみんなを契約前に戻せるようにして、みんなで笑い合いながらご飯を食べること!アツミには絶対に目をつけられると思うけど、柊さんと一緒に絶対に叶えてみせるんだから!だけど今ぐらいは目の前の幸せに浸ってもいいよね〜。「楽しそうだね美月」「分かっちゃう? いや〜、柊さんの食べる姿見てたら癒されるなぁって考えてたんだよね〜」柊さんは照れ臭そうに私の肩を叩いてきた。「もう、恥ずかしいこと言わんでよぉぉぉ!!」「痛い、痛いからちょっと待って柊さん!」私が柊さんとの時間を堪能していると、依頼の電話がかかってきた。「また行くの?」「うん、助けてを待ってる人がいるってことだもん。私に出来ることはしたいじゃん」柊さんは、袖を引っ張って心配そうな眼差しを向ける。「安心して帰ってくるから。こんな大切な日に死んだりなんてしないよ」「でも私たちにそんな保証ないでしょ……」それを言われたら何も反論出来ない。「安心して、私が柊さんを置いて逝ったりしないよ。約束したでしょ、逝く時は一緒って」「……美月が約束破ったことないもんね、分かった。だけど、
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-31
Baca selengkapnya

第四十七話

第四十七話僕と朱莉がゲーム屋さんに来ていると、ものすごくデカい声でゲームをしている人がいた。「なんだこの仕様は!! ここは主人公から告白させるべきところだろ! キャラも良いんだからそこを活かすべきだろ、よくよく考えてみれば中身と外見がぐちゃぐちゃにすぎないかこの主人公! そういえば主人公ゾンビだったわ、ぐちゃぐちゃなのも当たり前か、あはははは」一体どんなゲームをしているのかすごい気になる。主人公がゾンビなのに相手から告白とかキャラが良いとか……気になる。ゾンビってことはR18だよね、僕たちじゃ買えないよというかゾンビに告白したのだれなの「あー、気になる!」「しー風香ちゃん、声に出てる!」ゲームをしていた女性も含め周囲の人たちが僕らを見ている。叫ぶんじゃなかったと後悔しながら、僕と朱莉はゲームを選んでいる。するとさっきゲームをしていた女性が僕たちに話しかけてきた。「私がやっていたゲームが気になったのだろう、いいぞ譲ってやろう! その代わりゲーム機本体は自分たちで買うんだぞ。それと知らない大人にはもっと警戒をすべきだと心に刻むべきだな」相変わらず僕は学ばないと痛感させられる、この女性が魔葬少女だということに気が付かなかったのだから。転移させられた僕と朱莉を待っていたのは源綾音が魔女会で行った地獄より酷いものだった。双方人間が肉塊に近い状態なのは変わらないとして源綾音の時は肉塊は話せなかったが、今回は話せる状態で残されていた。「安心しろこいつらはそこら辺を歩いていた一般人だ。魔葬少女の方が痛めつけやすくていいんだ。知ってたか絶望は一般人の方が見やすくていいが、味に関しては魔葬少女の方が良質なんだぞ。まあ時々魔物を魔葬少女に戻すような邪魔者も存在するがな。雛に横取りされてしまったがな」魔物を魔葬少女に戻せる魔法が存在するのか、これは良いことが聞けた。それと今は肉塊になった人たちを元に戻さないと、朱莉の目に毒だ。……しかし、もう少し見ていたいな。「風香ちゃん、それ以上はダメだよ」ダメと言われても歪みが消えても絶望の表情を考えてしまう。朱莉の時のような高揚はないのが救いだと安堵してしまう反面に、この思考が常態化している時点が全く救いじゃない。しかしこれで、恐怖を朱莉以外から取り入れられれば魔法を使う時に感情消費を減らすことが出来る
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-01
Baca selengkapnya

第四十八話

第四十八話「秋口さん、今日はそろそろ帰ろうか」人通りの多い広場で、朱莉はよそよそしく、足早に歩いていた。原因は僕なのだと思う。でも、何をしたのかは分からない。分かるのは、胸が苦しいことだけだった。「朱莉、僕が何かしたのか?」何度聞いても、はぐらかされる。「秋口さん、また明日会おうね」その顔を見た瞬間、胸が高鳴った。同時に、苦しさも増した。前は"高揚はない"と僕自身に言えた。だが今は言えない。「朱莉、少し待ってくれないか」無意識に僕は朱莉の腕を掴んでいた。「秋口さん、離して……」苦悩の表情を見てはいけないと思う。なのに、目が離せずさらに高揚してしまうのが理解出来る。「今の秋口さんには、私が何を言っても届かないよ」届かないと言われても、理由が分からない。朱莉は僕を見ているのに、僕ではない誰かを見ている気がした。手を振り払われ、その場に立ち尽くすことしかできなかった。しばらくして、頬を雫が伝った。空を見ると、雨が降っていた。雫が伝ってから、雨だと気づいた。涙か雨か、判断が遅れた。「傘を買いに行こう、あか──」いない人の名前を呼んで、僕は周囲の視線を集めながらも立ち止まった。そしてびしょ濡れのまま、帰宅した。「ただいま」僕の姿を見るなり母さんは驚いて、すぐにタオルを取ってきた。「そんなに濡れてどうしたの、風香。早く拭かないと風邪を引くわよ」髪を拭かれながら聞かれても、答えられなかった。「風香……もしかして、友達と喧嘩したの?」首を横に振った。朱莉は友達ではない。恋人のはずだ。なのに、さっきは秋口さんと呼ばれた。風香ちゃん、と呼ばれていた日々が、頭をよぎる。止めようとするほど、思い出してしまう。僕は朱莉の恋人だ。それだけは、思い出せた。何をしたのかは、まだ説明できない。説明できないまま謝りに行くのは、都合がいい。それでも、行かないわけにはいかない。「ごめん、ちょっと恋人のところに行ってくる。帰ったら話すから、もう少し待ってて」危ないと思いながら走った。途中で朱莉に電話をかけた。一度目は出ない。二度目も出ない。四度目で、出た。「朱莉、さっきのこと謝りたくて。学校に来てくれないか。二人で話したい。傷つけた僕がお願いしていいことじゃないのは分かってる。だけどお願いだ。朱莉」伝わらないと思う。それでも、口が止まらな
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-02
Baca selengkapnya

第四十九話

第四十九話香取雛は気絶した朱莉の身体を踏みつけほくそ笑んでいる。その光景を見た僕は、高揚より先に恐怖を感じた。「ねぇさっきのはどうだったのか、夢の内容覚えてるかな? 今なら前回の内容を思い出しても大丈夫そうだけど、どう?」香取雛の発言のあと、僕の知らない記憶が入り込んできた。朱莉が知らない男に囲まれている光景と、僕の腕も脚もない光景だ。夢だと分かっていても、さっきまで分からなかった部分を完全に理解した。理解……出来てしまった。「…………けるな」こぼれ落ちた感情は言葉に乗った。香取雛はその時には性格がまるっきり変わっていたが、今の僕にはそんなことどうでもよかった。「もっと大きな声で言ってくれないと聞こえないなぁぁぁぁ!」「朱莉を踏みつけるな香取雛!! たとえ貴様を倒すために、どんな手段でも使ってやる!!」録音した絶叫を爆音で鳴らし、朱莉に結びつく恐怖を出した。それでも足りなくて、手首を深く掻っ切った。死の恐怖が乗った。やっぱり今のままだと届かない。今ある魔法だけでは香取雛に擦り傷すらつけられない。「僕のせいで本当にごめん朱莉、あとで絶対に埋め合わせさせてほしい」魔法を開発しなければならない。ただし今は一個だけだ。欲しいのは攻撃じゃない。夢に落とされて記憶だけ消されるのが嫌なんだ。眠気を感じた瞬間、恐怖で目を開く魔法を作った。よし、できた。自分に眠りを覚ます魔法をかけてみる。すぐに目が開くが、身体は消していない。実際には身体を消し飛ばして目を覚まそうと考えたが、それでは源綾音と同じことを自分にやってしまうことになる。さらに強力な回復魔法も欲しくなった。今の恐怖が続いているあいだだけ傷が治り続け、感情が切れたらそこで止まる。当然と言えば当然だが、以前の回復よりは精度が良いはず。良くあってほしい、朱莉ともっと一緒にいたいから。手首の傷が閉じた。閉じただけだ。「これが咎様の娘……前の訓練より綺麗だよ。でもね、それだけ」香取雛が攻撃してきた。夢ではない攻撃だが、右肩が開いた。痛みと同時に朱莉と一緒にいられなくなるという恐怖に襲われた。だけどこの恐怖が続いているあいだだけ傷は治る。治るたびに、香取雛の顔が近くなる。「凄いよ風香、雛でここまで出来るなんて……でも私が命じられたのはそんな健気に頑張って、この朱莉を
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-04
Baca selengkapnya
Sebelumnya
1
...
456789
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status