黒崎グループの対応や、大成たちを巡る面倒な裏の始末は、すべて桜生の両親が表立って引き受けてくれることになった。 「これ以上レナちゃんを不安がらせる真似はさせないからね。我が海皇星家が徹底的に叩いておくから、君たちは安心しなさい」 桜生のお父様がそう力強く言ってくれたおかげで、私の両親も深く安堵の息を漏らしていた。 大人の事情や危険な駆け引きは、すべて海皇星家の大人たちが引き受けてくれる。となれば、当事者である私と桜生に残されたのは、目の前に迫った同居生活という現実。 「桜生、私たちが引退するまでは、あなたたちは離れで住むといいわ」 桜生のお母様はそう言って微笑んだ。 「私たちも、後十五年もすれば定年だ。その時は、君たちが本宅へ引っ越すことになる。海皇星家代々引き継がれるものだ」 桜生のお父様がそう言って胸を張った。 そのまま、本邸から離れまで桜生の両親と一緒に私たちは歩み出した。 「この本邸までの道のりも綺麗だろう。季節によって、もじみや桜が咲くし、妻の好きなバラの花も咲く。私たちが若い頃はよく一緒にこの道を通って本邸へ向かったものだ」 桜生のお父様はそう言いながら、お母様の手をそっと握った。 いつまでもずっと仲のいい夫婦になるには、どうしたらいいのだろうかと私は一瞬考えてしまった。 「お父様とお母様は、恋愛婚ですか?」 思わず、聞いてしまった。私と桜生は恋愛婚ではない。だから、どう接していいものか、私自身正直、分からない。 「私たちは政略結婚だ。ただ、お互いを知っている関係だったこともあって、案外すんなりと二人のルールも決めることもできたし、深まりも早かったのではないかと思っている」 桜生のお父様はそう言った。 「そんなことありませんでしたよ。私は、かなり苦労しました。新参者のような扱いをされましたわよ」 桜生のお母様はそう言って、少し怒ったような歩き方をした。 「レナちゃんもよく覚えておくといいわ。本当に政略結婚なんて、させるものではないのよ。だから、私たちは望月家と家族ぐるみでお付き合いをすることを望んで今に至るのよ。もちろん、レナちゃんのお母様だって、私たちと同じで政略結婚ですから意気投合したってところもあるわ」 桜生のお母様から聞く、この話は少しだけ私の母から聞いている。 母
Last Updated : 2026-09-02 Read more