七歳になって遂に迎えた、〝鑑定の儀〟当日。 あたしは両親と一緒に馬車に乗って、複数の護衛を連れて街の教会を目指して家を出た。 七歳にして初めての外出に心が踊ったものだけど、それも市街地に入って十分もしない内に沈静化しちゃった。 馬車の硝子の嵌められた窓から見えるのは、目に新しいファンタジーその物の街並みと―――― 道行く人達から我が家の馬車隊に向けられる嫌悪にも似た視線――――奴隷商が快く思われていないってことを、アリアリと痛感した十分弱の時間だったね。 もちろん、馬車の周囲には護衛の戦闘奴隷も連れて来ている。あたしが大好きなミリアーナもその一人で、他に三人の計四人で、馬車を囲むように護ってくれている。 父親のスティーブや母親のジョアーナが、外は危ないと言う意味がよく解ったよ。これは確かに、護衛が居ないと安心して出歩けないよね。 ……別に悪い事してる訳じゃないのに。 バネッサの授業で法律も習ったけど、それに反する事なんてウチでは一切していない。法の定める下で、真っ当に商品のやり取りをしているだけだ。 その商品が奴隷というだけで、こうまで悪意を向けられるものなのか……そんなやり切れない思いを抱えながら、あたしは石畳の路の凹凸の振動に、身体を揺らせていた。 「マリアちゃん。ほら、着いたわよ」 いつの間にかうたた寝をしていたらしいあたしは、優しく身体を揺するママ――ジョアーナに起こされた。 「ここが、教会……」 あたしのイメージでは、三角屋根のこじんまりとした物――街角に建っていて、牧師さんや神父さんが自分の家族含め少ない人数で切り盛りしているような、そんなオーソドックスな教会を想像していたんだけど。あれ? 神父さんは結婚しちゃいけないんだっけ? ともあれ……これ、教会と言うより聖堂だよね……? 大きな、立派な、豪華な、文化財としても価値の有りそうな風格の建物が、そこには聳え立っていた。 馬
Last Updated : 2026-08-13 Read more