スマホを引っ張り出すと、ちょうど壮介から電話がかかってきた。ヒカリは電話に出て、スマホを耳に押し当てる。「もしもし、壮介さん? 動画見たよ。舞花を助けたのね」『憎い相手ではあるけど、あのまま見捨てるわけにはいかないしね。それに、チャンスじゃないか』「チャンス?」『世間はヒカリさんと僕が恋人同士だって知ってる。もちろん、四葉家族も。彼らがお祝いのコメントをしていたのも、大勢の人が見ていただろ? そんな舞花さんが、僕に言い寄ったのは、もちろんマイナスだ。だからこそ、僕が彼女を助けたのは、より好印象になりやすい。 四葉舞花の嘘が暴かれて、僕の印象が良くなったことで、世間は僕達に味方をするはずだ。ヒカリさん、畳み掛けるなら今だよ』 確かに壮介の言う通り、舞花のボロが出た今なら、他の家族も潰しやすいかもしれない。幸い、手元に証拠はいくつもある。『作戦会議をしよう。今、荻原と一緒に、ホテルに向かってる。他のふたりには、ヒカリさんから連絡してくれる?』「分かった、こっちから連絡入れとく」『ありがとう。それじゃ、また』 通話が終わると、ヒカリはSNSをチェックする。舞花が壮介に言い寄っている動画は、予想通り複数の人間が撮影していたらしく、似たような動画がいくつも出てくる。それらのコメントに、ヒカリを擁護するコメントが並んでいた。 中には四葉家族不仲説をとなえたり、考察したりする人もいる。どうやら追い風は、ヒカリ達を応援しているようだ。 1時間後。ホテルにはヒカリ、壮介、西野、アリサ、荻原が集まっていた。金田には、席を外してもらった。彼女は協力してくれるだろうが、口が軽い。「まずは証拠を整理しましょうか」 仕切りだしたのは荻原だ。「あの、この方は?」 西野が訝しげな顔をして荻原を見る。「自己紹介が遅れました。私は荻原と申します。海原社長の秘書の者であり、弁護士の紹介人です」「弁護士?」「荻原の家には優秀な人しかいなくてさ。荻原は見ての通り、僕の秘書、父親が弁護士で、母親が探偵。お兄さんは裁判官なんだよ」「すごい……」 ここまで法関連の仕事に就いている人間がいると、恐ろしささえある。荻原家を敵に回したら、法廷で裁かれてしまいそうだ。「私は秘書ですが、法律の知識はある程度あります。それに、社長に仕切らせるとろくなことにならないと思うので、私が
Última actualización : 2026-08-28 Leer más