……どうして驚かないのだろう。突然やってきた2人に眉ひとつ動かさず、小山内は中へと招いてくれた。「裕貴なら、ついさっき店へ行ったよ」ダイニングテーブルに2人を座らせ、小山内はコーヒーメーカーをセットしている。その動作は妙に丁寧で……凪はなぜか胸騒ぎを覚えた。「じいさん、のんびりコーヒーを飲んでる状況じゃないんだ。裕貴が店に行ったならこれから……」「大丈夫だ。心配するな」振り返った視線は落ち着いていて、京極をも黙らせる。ネックレスと指輪はここにあるということか。持ってきたのは裕貴……推理したことが正しかった?コーヒーを揃いのマグカップに注ぎ、小山内は2人の前に置く。「ミルクを入れたいんなら、冷蔵庫の中に牛乳があるから」そう言ってリビングから出ていくと、紙の袋を手に戻ってきた。凪のマグカップにミルクが入った形跡を見て、小山内は孫娘に向けるような優しいまなざしをしてみせる。「俺が知ってるすべてを話してやる。これまで言えなかったすべてを」小山内は京極に持ってきた紙袋を手渡した。中身を確認すると……ネックレス、そして指輪が出てきた。そして……台座から外された、京極家の2つのダイヤも。「裕貴がこれを持って帰ったのは昨日だ。部屋にこもって何かしているから問い詰めたら、ダイヤを外していた。……まったく、あの馬鹿者が」「やはり昨日うちへ来て、これを持っていったのか」「誰かに誘われたはずだ。……今、お前のとこに誰がいる?岳でもいるのか」「……いや、」京極はチラリと凪を見た。「突然、元妻の真美が接触してきて……俺の子供を産んだと主張している。そんな覚えはないから、DNA鑑定をさせているところなんだが、」京極もふと感じたようだ。……鑑定結果が出るのが妙に遅いと。「……は、そういうことか」小山内は京極邸に真美がいると理解したようだ。「裕貴さんは、真美さんに誘われて京極邸に入った。そして彼女に言われてアクセサリーを奪って持ち帰った……ということですか?」「多分な。だがその裏に、真美だけではない人物がいる」「……それは、」次の瞬間、ガチャリと玄関のドアが開く音がした。……裕貴か?小山内は紙袋を凪に押し付け、バッグにしまうよう目で合図をした。とっさに京極に視線を向け、2人でバッグに紙袋を突っ込んだ。「あれ、李仁くん……来てたの」裕
Terakhir Diperbarui : 2026-11-02 Baca selengkapnya