翌朝。勇樹は滞在先のリビングで、マネージャーから送られてきたメッセージを読んでいた。昨夜の吉田の配信についてだった。『香子さんの元同級生などから情報を集めているようです。こちらでも記録しています』添えられていた動画を開く。『香子が家族に迷惑かけてた話! 絶対あるから!』勇樹の表情が険しくなった。「……何がしたいんだ、こいつ」「勇樹さん?」声に振り返ると、香子が立っていた。「おはようございます」「おはよう。眠れた?」「はい。少しだけ」香子はそう答えたものの、まだ表情は硬い。勇樹はスマートフォンを伏せた。これ以上、不安にさせたくなかった。「朝飯、食べようか」「私も何かお手伝いします」「じゃあ、コーヒーお願いしていい?」「はい」香子がキッチンへ向かう。その背中を見ながら、勇樹はもう一度スマートフォンに目を落とした。その頃、吉田は昨夜の配信の反応を確認していた。「……何だよ、これ」切り抜き動画がいくつも作られている。『香子が悪い証拠を探すヨシテル』『結論ありきの取材が酷すぎる』『「俺が正しかったと証明する」迷惑配信者』コメントも、以前とは明らかに変わっていた。『最初は面白かったけどさすがに引く』『もう香子関係なく自分の逆恨みじゃん』『これ協力したらヤバいやつでは?』吉田は舌打ちした。「急に正義マンぶりやがって」少し前までは、香子を見つけたというだけで大騒ぎしていたくせに。目撃情報を送ってきた連中だって大勢いた。それなのに、自分だけを悪者にする。「お前らも一緒にやってただろ……」吉田は吐き捨
Last Updated : 2026-10-06 Read more