話し始めた女を、百合絵が制する。 「ちょっと!! 余計なこと言わないで!」 その言葉を直之は聞き逃さなかった。「余計なことって?」「……!」「何が余計なんだ?」「それは……」「事実を言われると困るから止めているのか?」「ちがうわ!」 百合絵の額に汗が滲む。「だったら、女に言わせればいい。彼女も本当のことを言いたいから発言してくれたんだろう」 俯いた女を直之が見た。「続けて」 女に視線が集まる。彼女は震えながら話し出す。 「わ、私は……百合絵さんに、瑠理子さんを押さえろって……頼まれました」「嘘よ!!」「嘘じゃない」「あなたが勝手にやったんでしょう!」「ブレスレットをくれるって言ったから、やったのよ!」「だから冗談だって言ってるじゃない!」「でももっと強くしろって!」「言ってない!」「言ったわよ!」「言ってない!!」 とうとう会場の中央で、百合絵と取り巻きたち女たちが互いを罵り始めた。 「私は髪を引っ張ったけど、百合絵さんにもっとやれって言われたの!」「私だって頭を押さえろって!」「布を入れたのは私じゃない! あの人よ!」「ちょっと、私のせいにしないで!」「百合絵さんが全部指示したんじゃない!」 「違う!!」 百合絵が絶叫した。 「全部あんたたちが勝手にやったのよ!!」 しん、と一瞬で会場が静まり返った。 取り巻きたちが、信じられない顔で百合絵を見る。「……百合絵さん」「何よ」
Last Updated : 2026-10-04 Read more