集合写真の撮影が終わると、自由に写真を撮る時間になった。洸平と晴奈が並ぶと、まるで初めから結ばれる運命だったかのようにお似合いだった。カメラを構えた陽介が、後ろから私に手を振った。「琴音、ちょっとどいて。写り込んでる」私は黙って横へ一歩ずれた。3人はたっぷり2時間、ポーズを変えながら、2人で、3人で、何枚も写真を撮った。けれど、最後まで誰一人として言わなかった。「琴音も一緒に撮ろう」と。私はグラウンドをあとにし、教室へ戻って自分の荷物を片づけた。教室を出ようとしたとき、近くにいた女子たちの話し声が聞こえてきた。「江口くんと小川さんって、やっぱり大学でも有名な2人だけあるよね。本当にお似合い」「長谷川くんもかっこいいよね。ああいう爽やか系のイケメンっていうか……でも、正直さ」「高梨さんって、あの3人と一緒にいると浮いてない?」「なんで無理にあの3人にくっついてるんだろうね。今日も写真に入れてもらえなかったらしいよ……」大量の本を抱えたまま、人気のない廊下で足を止めた。窓の外に舞い落ちる葉を見つめながら、黙って考えた。これで何度目だろう。一緒に何かをするたび、私の存在を忘れられるのは。そばにいることさえ、他人から不自然に思われるのは。晴奈と陽介は、幼い頃から一緒に育った友達だった。2人とも容姿が整っていて明るく、同級生からも人気があった。昔から、2人はいつも周囲の中心にいた。一方の私は、その後ろをついて歩き、荷物を持つだけの「あの子」だった。本当は私も、誰か一人くらい、自分を見てくれたらと思っていた。洸平と出会ったとき、ようやく私だけを見てくれる人に巡り会えたのだと思った。けれど結局、私はまた、ただの脇役になった。スマホの通知音が鳴った。晴奈がSNSに9枚の写真をまとめて投稿していた。洸平の背中におぶさり、首に腕を回して、晴奈は満面の笑みを浮かべていた。コメント欄には「お似合い」「末永くお幸せに」という言葉が次々と並んでいた。陽介もコメントしていた。【これで、うちの大学一の美男美女にも一生ものの写真ができたな!】続けて洸平が書き込んだ。【これで誰かさんも、もう心残りはないだろ】晴奈が返信した。【はあ?心残りだったのは私だけじゃないで
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