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第8話

作者: 紗々
「琴音も俺と同じです」

「琴音は内向的なんです」

「琴音は気にしないよ」

一度も私に尋ねなかった。

「琴音は気にする?」と。

そして私自身も、いつの間にかそれに慣れていた。

何もかも決められることにも。

無視されることにも。

聞き分けがよく、面倒を起こさない彼女でいることにも。

温かいココアから立ち上る湯気が、私の視界を曇らせた。

「どうしたの?」

隣から湊の声が聞こえた。

私は首を振り、少し笑った。

「何でもない。ただ……ここはいいところだなって思って」

……

時間は思っていたよりも早く過ぎていった。

新しい大学は授業の進みが速く、課題も多かったが、私はこの充実した毎日が好きだった。

日和は毎朝、私のベッドに枕を放りながら大声で叫んでいた。

「琴音、起きて!授業に遅れるよ!」

それから二人で慌ただしく身支度を整え、パンをかじりながら校舎へ走った。

湊が校舎へ向かう途中で待っていることもあった。

手には3人分のコーヒーを持ち、私たちが走ってくるのを見ると、それぞれに手渡して笑った。

「今日も二人が一番遅いな」

私は肩で息をしながらも、笑わず
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