Todos los capítulos de 仮面の告白〜甘美な誘惑に堕ちたわたしたちは、甘い蜜から逃げられない〜: Capítulo 31 - Capítulo 40

82 Capítulos

青春の1ページ?②

桐生くんは瞬く間に前菜の皿を空にした。私、まだ1皿目をもぐもぐしてるんですけど。もしかして、アフタヌーンティーって女同士じゃないと成り立たないのか?そういえば健次郎をアフタヌーンティーに誘ったら渋い顔をされたことがある。お腹がいっぱいにならないかも疑惑か。「ええと。桐生さんは壇さんとは……」「俺が高校の生徒で、れいなちゃんが家庭科の先生」今回の対象者、桐生絢斗さんのお相手は壇れいなさんという方で、高校の教師と生徒。うわー、またドラマ出来そうなやつ。てか、れいなちゃんって呼んでるのね。でも相手が高校生って、淫行扱いされるよね?「桐生さんは高校生ですか、もう少し小さい声で言われた方が」「俺が、一昨日誕生日だったから18。18ならセーフでしょ?」18。淫行疑惑。セーフ……なのか?慌ててスマホでググる。『18歳との性行為は同意があれば基本的に犯罪ではない。成人を迎えた18歳との性行為は、基本的に犯罪にはならない』そうか、成人は18歳になったからか。ん?誕生日が一昨日……。そのふたりは一昨日より前に身体の関係が……あった……のか?うーん、追及するのはやめておこう。私、警察でも弁護士でもないし。しかし、迫ったのが桐生さんからだったらセーフなのか?「れいなちゃんは、4月に先生になったばかりでさ。家庭科の先生なんだけど、何か舐められててさ」新卒の先生か。大学出たて。高校生の扱いなんて出来るものなのか?ストレートで採用されてて、誕生日来てれば23歳。で、この桐生さんが18歳。え?5つしか変わらないじゃん。そりゃ舐められるわ。「桐生さんとは、5歳差、ということでいいですか?」「はい。もうね、皆全然れいなちゃんの話聞かなくてさ。泣きそうになってたからちょっとシメてやったんだよ」シ、シメる、だと……?発言怖いんですけど。「シメる、とは……?」恐る恐る尋ねる私に桐生さんはわかりやすいドヤ顔で私に言った。
last updateÚltima actualización : 2026-09-22
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青春の1ページ?③

──あれ?視線の先にれいなちゃんと食物科の教師の鈴木が話し込んでいた。この学校は普通科と理数科と食物科がある。鈴木は食物科の女子達からものすごく評判の悪い教師だ。鈴木に睨まれたとか、嫌味言われたとか、ネタは豊富だ。れいなちゃんと鈴木は話し込んでいたというよりは、鈴木がれいなちゃんにガミガミ……じゃないな、ねちねち言っているように見えた。「だからあなたはダメなのよ。出来てると思ってるんだろうけど、出来てないんだよ……」うわー。鈴木はキツくてワガママなくせにすぐ泣く、めんどくさいので有名なおばさんだ。どうやらバツイチらしい。化粧の濃い女達の情報だ。泣きそうな顔をしながらも、涙をぐっと堪えてるれいなちゃんは、もう限界かもしれない。「檀せんせー、俺ちょっと聞きたいことがあってえー」顔をあげたれいなちゃんはきりっと先生の顔になっていた。何だよ。さっきまで泣きそうだったのに。でもれいなちゃんを鈴木から救出するのが先だ。「……じゃあ、家庭科教官室へ」「えー、でも俺の教科書教室にあるからさ」「わかった。教室ね。では、鈴木先生」「いいから早く行きなさい」面白くなさそうな鈴木は、しっしっとでも言うように、顎で教室のある方向を示した。「……で。聞きたいことって?」「えーっと。何だったっけな」れいなちゃんを鈴木から救出したいだけだった。聞きたいことか……。うーん。どうしようか。神妙そうに俺の隣で廊下を歩くれいなちゃんは可愛い。自分の身長が伸びていくと、世の女の子達がこんなに小さく可愛かったのかと気付いた。れいなちゃんは特に、先生であるはずなのに可愛い。他の先生達より歳が近いからか。「れいなちゃんは投資とかやってんの?」「へ?」しまった。質問おかしかったか。眉を上げ、目を見開き、少し気の抜けたこの顔も、頬をそっと撫でたいぐらいの可愛さだ。「やってないけど」「投資語ってたじゃん
last updateÚltima actualización : 2026-09-23
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青春の1ページ?④

──まただ。今日は清也も龍樹もしつこいな。授業中、れいなちゃんが表情を曇らせることが増えた。それに気付いた化粧の濃い……えっと……駄目だ、興味の無い女達の名前って、本当に覚えられないな。とにかくそいつらが、れいなちゃんの表情が曇ったことに気付いてしまい、更に騒ぐようになった。れいなちゃんの言葉が止まった。まずい。れいなちゃん、泣くかも。「早く授業続けてくださいよー」「あれえ?せんせー、ちょっと泣きそうじゃん?」もう我慢の限界だ。「うるせえ‼︎」教室内に静寂が訪れた。誰も声を発しない。半泣きのれいなちゃんは目を丸くして俺を見ている。そんなのどうでもいい。「お前らさ……」俺史上、一番低い声が喉奥から響いた。「高校3年にもなって何やってんの?先生いびって授業止めるとか、意味の無い時間強制的に作んのほんとやめて。不愉快」化粧の濃い女達と清也と龍樹に、またしても俺史上一番冷たい視線を喰らわす。「本気で軽蔑するわ。俺、お前らと友達やめた方がいい?」「ご、ごめ、なさ、い……」化粧の濃い女が──やっぱりどうしても名前が思い出せない──俺に向かって謝ろうとする。「謝る相手違うだろ‼︎」声を荒げる俺に、化粧の濃い女達の目から涙が出た。マスカラが溶けてる。余計不細工じゃん。顔洗えよ。「ありがとうございましたー!」「おう!絢斗くん勉強頑張れよー!」丼を下げ、皿を重ねる。油っぽいテーブルを拭くのは慣れている。小学生の頃から手伝わされているからな。俺高校3年生で受験生なんですけど。受験生に店手伝わせるってうちの親はどうなってんだ全く。「絢斗、5番さんの餃子ね」カウンターに置かれた餃子2人前を5番テーブルに運ぶ。「なあ、親父。俺来週テストなんだけど」「あ、ああ……。うーん、8時までは頑張ってくれんか」「……時給上乗せね」「けっちいこと言うなよ」「どっちが」俺の家は町中華を営んでいる。母親は俺が小学生の頃に病気で亡くなった。再婚する気は無いらしい親父と俺だけで店を回している。繁盛してるんだから、バイトぐらい雇えばいいのに。店の引き戸が開いた。「らっしゃいせー!」おやっさんばっかりが常連のこの店には珍しく、若い女性が入ってきた。ひとりで。一瞬、店中の客が色めきだったのがわかった。「え……?」れいなちゃんだった。客がおっさんばっかであ
last updateÚltima actualización : 2026-09-24
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青春の1ページ?⑤

「どうぞ。お疲れさまでした」 はいズッキュン‼︎何これ。れいなちゃん、首傾げと微笑みのダブルの攻撃で俺を殺しにかかってんの⁈可愛いだろ。あああ、動画撮りてえ。今の永久保存版だろ。『お疲れさまでした』って毎日れいなちゃんに言われたい人生だった。いや、その人生、実現できるか?「はい炒飯。お前、早めに上がってテスト勉強しろよ」「そのテスト前の受験生に店手伝わせてただろが」「ゔっ……し、心臓が」「そこ、押さえてんの頭な」くすくすと笑いながら餃子をほうばり、ぐびぐびとビールを飲んでいくれいなちゃん。思ってたより、飲みっぷりいいな。唇、エロいな。餃子を食べてるだけなのにそれを連想するとか俺が溜まってんのかな。それともれいなちゃんが誘ってんのか。このまま、酔い潰して……なんて妄想は、妄想の中だけにしないとな。俺は狼じゃない。紳士だ。少なくとも、れいなちゃんの前では。でも妄想の中なら許されるか?その服の中のホック外してえ……。柔らかいんだろうな。先は硬くて。揉みしだいて咥えて吸って。れいなちゃんのいいところ、全部探してやりてえ。「仲良しなのね」「悪くはないですね。れいなちゃん、この店初めて?」俺が知る限り、れいなちゃんは今までこの店に来たことが無い。俺が彼女を紳士的な表情で見つめながら、脳内で服を全て剥いでるなんて伝わらない。全身舐め回したら、どんな声を出すんだろうか。「うん、初めて。でも前から通りかかる度に気になってたの」「美味しいでしょ、ねえちゃん」親父、馴れ馴れしいな。れいなちゃんは俺がロックオンしてんの。彼女を脳内で裸にしていいのも、俺だけなの。「親父、れいなちゃんは先生だよ」「えっ!おま……先生にちゃん付けって」「いいんですよ。私がまだ頼りないから」れいなちゃんは困ったような顔で笑った。その笑顔も保存したい。「らっしゃいせー!あ、れいなちゃん!」「こんばんは」あれかられいなちゃんは、ちょくちょくうちの店に来るようになった。れいなちゃんが来るかもしれないなら、と俺は可能な限り20時まで店を手伝うことにした。勿論時給ありで。20時前後にれいなちゃんはやってくる。俺が手伝い上がってまかないを食べる時間もほぼ同じ。れいなちゃんが来る日、俺はちゃっかりれいなちゃんの隣で賄いを食べた。瓶ビール一本で少し酔ってしまうれいなちゃんは、授業中よ
last updateÚltima actualización : 2026-09-24
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お蔵入りの危機?

うーん……。今回、これじゃ記事にならないわ。 つまり、桐生くんの話をまとめるとですね。新卒ホヤホヤの可愛い家庭科の先生が生徒からも同僚教師からもいびられた。それを桐生くんが表に裏に助けていたと。彼女の愚痴も、家業の中華料理屋で一緒にご飯食べながら聞いていたと。 だめだ。今回、だめだ。だって健全なんだもん。 麻子さん達レベルの、あのドロドロ。あそこまでいかないと、ネット記事のPVは上がらない。そんな尊い青春エピソード、少女漫画の界隈ぐらいでしかウケないって。 私の戦場はね、Yahoo!のネットニュースなの。そんな、砂糖菓子みたいな清い話、そもそもYahoo!に載らないって。ていうか週刊誌の記事としては清らか過ぎてアウト過ぎる。 桐生くんだけから話を聞いているからダメなんだろうか。お相手にはまだこれからインタビューをするんだけど、そのれいな先生に聞いたら何か芳《こう》ばしい話が出てくるんだろうか。 見た目は最高なんだけどな。長身の韓国風イケメンの高校3年生。家業の中華料理屋を手伝う健気さあり。そしていびられる新卒教師を鮮やかに助ける、もう少女漫画のヒーローじゃん? だめだ。考えれば考える程、今回の件は週刊誌に向かないじゃんよ。編集部はどうして、私にこの無双イケメン高校生にインタビューをさせたのだろうか。 「檀れいなです。翠嶺《すいれい》高等学校で家庭科を教えています」 「あ、あの。高校名まで仰って頂かなくて良かったんですよ」 どうしてインタビューされる側ってこうも無防備なんだろうか。そういえば岳さんも大学名言っちゃってたな。 「インタビュアーの里崎です。ええと……桐生絢斗さんとは」 「高校の教師と生徒の関係です」 ですよね。知ってる。 「教師と生徒の関係なのに、人様に言えない関係になってしまいました」 新卒で、お局様にいびられ。生徒に舐められ。更に生徒と恋愛関係とは。格好のスキャンダルよね。病んじゃう一歩手前じゃないの? 「桐生さんから、仲良くなったきっかけまでは伺いました。今日は檀さんの視点をお伺い致します」 今日もアフタヌーンティーだ。また?と思われてそうだけど、ホテルのラウンジの個室を取るにはアフタヌーンティーを注文するシステムにこのホテルはなっていた。 つまり、こないだ桐生さんと食べたお肉の
last updateÚltima actualización : 2026-09-25
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れいな、回想す①

高校の教員は狭き門だ。高校の数自体、小中学校よりも少ない。そして年配者が引退しない。よって私達若手の席は限られる。 それでもこの翠嶺高校に家庭科教師として採用された。私がよっぽど優秀に見えたのか、可能性を信じてもらえたか、どちらかだろう。 彼氏の涼介は祝ってくれた。「れいななんかが高校教師になれるなんて世の中どうかしてる」と言いながらだけど。私が作った渾身のハンバーグをはじめとしたディナーを全部平らげてくれた。いつもは野菜を残すのに。この日だけは全部食べてくれた。嬉しかったな。 初めての家庭科の授業。この高校は偏差値の高い名門校なんだって、採用されてから知った。事前にググッとけば良かったのかもだけど、沢山面接受けてたんだからそんなことまでやってられなかった。困ったらいつも涼介が調べてくれるし。涼介は私に何でもしてくれる。 高偏差値の高校3年生が私に注目してる。私の話を静かに聞いている。何という高揚感。この子達は、私には到底入れないであろう、馬鹿みたいに高い偏差値の大学に行くんだろうに。なのにこの私の話を静かに聞くとか。ウケるんですけど。 この子達の成績、私がつけるんだって。私、やりたい放題じゃない? なんでだろう。なんか、うまくいかない。 家庭科の授業、私が授業で説明する度に化粧の濃い女子達が茶々を入れる。授業が無いときは馴れ馴れしく話しかけてくるのに。授業になった途端、悪魔に思える。 その取り巻きの男子も一緒になって騒ぐ。授業が進まない。一時間で終わるはずの内容なのに、もう3時間もかかっている。まずいと思う。 教材研究が進まない要因のひとつが、鈴木先生だ。先生なんて付けたく無いけど、先輩教師だからしょうがない。この鈴木の執拗な長い長い嫌味と長い長い説教を喰らわされて、私の貴重な時間が削られる。30分で終わるときはまだマシだ。1時間も延々と説教を喰らわされたときは殺意を抱いた。 ダメよ、ダメ。こんな鈴木みたいなゴミの為に、私の人生を棒に振ってはいけないわ。そう、私はじっと耐えるシンデレラ。じっと耐えていれば、いつか私のもとにも王子様が……。 え?涼介は王子様じゃないのかって?王子様は姫の財布からお金抜かないでしょ。もう3度目だ。今朝、涼介が私の財布から万札を抜いている現場を押さえた。一緒に暮らしてるけど、もう限界な
last updateÚltima actualización : 2026-09-25
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れいな、回想す②

授業は王子様が助けてくれた。え?生徒を王子様呼びってアブナイ教師だって?いいじゃない。声に出してないもの。誰にもバレなきゃ問題無し。桐生くんのいる3年2組は、あれ以来授業がやりやすい。桐生くん効果、絶大。驚いたのは、あの日以降、他のクラスの授業でも騒いでいた子達が大人しくなったという事実。桐生くんが他のクラスの子達にも何か言ってくれたんだろうか。桐生くんって裏ボスだった?裏ボスで王子様。え、何、最強じゃん。漫画のヒーローにいそう。それも復讐系のザマアなやつ。漫画の読み過ぎ?いいでしょ、私の日々の癒しなんだから。ああ、私も高校生だったらな。彼氏に……だなんて図々しいことは言わないから、せめて想っていても罪にならない世界線でいたかった。涼介とは……このまま付き合い続けて良いものか、最近悩む。大学の同期の理咲《りさき》や麻里奈《まりな》には、別れた方がいいって、こないだ真顔で言われた。ついにこないだは外食で焼肉を食べに行ったときに目を潤ませて上目遣いをするだけで、お財布を出すことすらしなかった。駅前のデパ地下でお惣菜を買って私の家で食べようとしたときも同じ。私はいつからヒモを飼い始めたのか。私には、ヒモじゃなくて彼氏がいたはずなのに。別れた方がいいな。でも逆上されたら危険かな。何がまずいって、涼介は私の部屋の合鍵を持っている。平和的に合鍵を取り返すというミッションをまずは遂行しなければ。考え事をしながら歩いていたら、いつもとは違う道に入っていた。その店から、すごく美味しそうな匂いが流れてきた。お腹、空いたな。誘われるようにお店の引き戸を開けた。「らっしゃいせー!」店中のお客さんや店員さんの視線が私に一斉に集中した。え、何?ここは男性専用のお店なの?女のお客さんが、ひとりもいない。「え……?」戸惑うなと言う方が無理だ。店内を見渡すと、どうやらここが中華料理屋だということがわかった。俗に言う、町中華。良かった、おじさんばっかの町中華って、大抵美味しいんだよね。「おひとりさまですか?」おじさんばっかの店内なのに、背の高いイケメンが出てきた。何このオアシス感。「はい……えっ?」他人の空似ってやつ?それとも世界に3人いるであろうそっくりさんってやつ?「いらっしゃい、れいなちゃん」私をちゃん付けして爽やかに微笑むこの韓国風イケメン、私の心の王子様
last updateÚltima actualización : 2026-09-26
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れいな、回想す③/ほのか、頭を抱える

「餃子、すぐ焼けるから」「焼いてるのは俺だけどな」爽やかなマイ王子が私に微笑みを添えて告げると、厨房のイケおじが会話に入った。うん、イケおじだから会話に入るのアリ。むしろ大歓迎。「絢斗、もう8時だ。上がっていいぞ」ええ……。桐生くん、もう上がっちゃうの?ダメよ、ショックそうな顔なんて、出しちゃダメ。桐生くんだってテスト勉強あるんだから。「いいよ、親父。俺もうちょっとやるわ」「お前テスト前だろ」「俺優しいから」「いやお前受験生」桐生くん、まだいて!そして私の視界を潤して!……なんて言えない。ええ、だって彼は受験生。私、彼の学校の教師です。こんなの鈴木にバレたら説教1時間コース確定だな。「やっぱ上がるわ。で、今日のまかない、そこで食べる」キタ。ハイキタコレキタ。なんと我が王子はエプロンを外して私の隣のカウンター席に座った。イケおじが手早く炒飯を作り始めている。まかないかな?「れいなちゃん。お隣いいっすか」「どうぞ。お疲れさまでした」 本日最高の、いや、私史上最高の微笑みを作る。私の癒しのプリンスさまが私の隣に座るなんてれ何このご褒美。今日も仕事耐えて良かった!「はい炒飯。お前、早めに上がってテスト勉強しろよ」「そのテスト前の受験生に店手伝わせてただろが」「ゔっ……し、心臓が」「そこ、押さえてんの頭な」何この親子。顔面偏差値インフレ年高値なくせに可愛いんですけど。……今日も、気がついたらここに来た。鈴木に嫌味を言われるとこの『満珍軒』に来てしまう。満珍軒が何かって?桐生くんのおうちの町中華の名前。鈴木が嫌味を言わない日なんてない。ということは私、週5でここに来ちゃってる。桐生くんが塾に行ってていない日もある。それでも私は来てしまう。彼の面影のあるこのイケおじをカウンターから眺めてるだけでも私のMPは回復するのよ。桐生くんがいる日だと最高。一緒にご飯を食べてくれる。土日の涼介とのご飯よりよっぽど美味しい。文句言われないからかな。ただひたすら楽しい。ラーメンビール餃子が私の定番になっていた。ビールを飲むとつい愚痴が言いたくなる。涼介は聞いてくれないのに桐生くんが優しく聞いてくれるから、また聞かせてしまう。教師としてはアウトなんだろうな。桐生くんが男の人として出来過ぎなのがいけないのよ。涼介といるより楽しいな。涼介と付き合っ
last updateÚltima actualización : 2026-09-26
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れいな、骨抜かれる①

相性って、身体の相性に決まっている。絢斗はもうすぐ18歳になる男子高校生。私、新卒のもうすぐ23歳高校教師。もう、組み合わせがもういかがわしいよね。先に触れたのは絢斗からだった。絢斗は満珍軒の帰り、いつも駅まで送ってくれる。満珍軒の最寄り駅は東山線の終点であり、翠嶺高校の最寄り駅のひとつ隣にある。多くの生徒や職員は反対方向から電車に乗ってくる。だから、満珍軒に私が通っていても、誰かに遭遇する恐れはない。その日もいつものように絢斗が私を笑わせてくれての帰り道だった。前から距離が近いな、と思っていたけど、私もまんざらじゃなかったからそのままにしていた。でも、ついに、彼と私の腕と腕が触れた。そのまま自然に互いの指先が絡んだ。5歳も年上なくせに。まだ涼介と別れていないくせに。まだ彼氏がいるくせに。私は緊張のあまり固くなった。言葉も浮かんでこなくて、彼も私も無言のまま、指先を絡めて腕も触れたまま駅までの道をふたり寄り添って歩いた。もしも誰かに見られたら……と急に怖くなった。そっと周りをきょろきょろと見回す。「大丈夫」落ち着いた低音が鼓膜を揺らした。私は歩きながら、頬も彼の腕に押し付け、胸の中に広がる温かいものを感じていた。それ以来、満珍軒からの帰りは絢斗が私を駅まで送り、道中は指を絡めて手を繋ぐのが当たり前になった。「送ってくれてありがとう。でも、勉強があるから毎回じゃなくてもいいんだよ?」「れいなちゃんを送らないと俺の集中力上がらないの。……あ、でも」目を細めていた彼が不意に斜め上に視線を移した。「もっと集中できる方法見つけたかも」「え、何?」「れいなちゃん、目、つぶって?」「目?何で?」何かするつもり?「れいなちゃんの目にまつ毛入りそう」まつ毛入りそうなのを取ってくれるのか。唐突だな。唇に柔らかいものが触れた。……へ?柔らかいもの?唇に?目を開けると、不敵に笑う絢斗のアップがあった。顔面偏差値バグってるイケメンのアップは心臓に悪い。「え?ちょ……!」「これで俺、いつもの3倍頑張れる」 くしゃっと笑わないの!怒れないじゃない!呆然としたままの私の肩に絢斗は腕を回した。「れいなちゃん、抵抗しないともっかいするよ?」「え、ちょ、ま……んんっ」さっきは触れるだけ。今度はさっきよりも深く。つい、私も応えてしまって口づけがより深
last updateÚltima actualización : 2026-09-27
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れいな、骨抜かれる②

真剣な表情をする絢斗。ふざけているわけではないのは、流石にわかる。「えーっと、あの、私、彼氏がいるどころか教師なんだけど」「だから何?」何の問題もありませんけど?な顔してるけどね、問題ありありだよ?「や、だから。桐生くんは生徒でしょう?私は教師で、彼氏がいる。どう考えたって、組み合わせ、ダメでしょ?」「俺、来年の3月には卒業するよ?卒業式3月1日。それまでバレないように上手くやればいいじゃん」「上手くやるって……。あなたは高校3年。私があなたと……っていうのは、私が社会的に抹殺されるのよ?」「淫行になるかって?でも俺から手え出すのは問題無いでしょ?」のらりくらりってこのこと?私の彼氏が存在してるという事実は完全無視?私が何を言ってもこの人全部論破してそう。ちょっと笑えてきちゃった。「あのね。私、彼氏いるから」「彼氏いる人が、俺が隣に座るとわかってて毎日中華食べに来て同じ席座るの?」うぐっ……!痛いとこ突くなあ。「れいなちゃんも、俺のこと好きだろ……その彼氏よりも」私の目が若干見開いたのを、絢斗は見逃さなかった。絢斗の右の口角が少し上がった。「彼氏と食べる晩飯よりも、俺と食べる親父の中華の方が美味しい。そうだろ」「やめて」一歩下がる。私、顔が固まってる。強張っているってこういうことか。「私はね。このあと家に帰るの。家にはね、その彼氏も一緒に暮らしてるの」暮らしてる、は言い過ぎ。週に3回ぐらい入り浸ってるのが現実だ。でも絢斗を突き放すには暮らしてるって言った方がいい。今度は絢斗の顔が強張っていた。「その彼氏って、れいなちゃんにお金はせびるし家事もやらない男だろ。何でそんなやつと住んでんの。俺の方が」「ほっといて!」だめだ。今は絢斗と一緒にいてはいけない。「私、帰るね」「帰るなよ」ぐいっと腕を引っ張られ、絢斗の腕の中に閉じ込められた。「ねえ離して」「離さない」「離してくれないと、私困るの」「困ればいい」この駄々っ子め。見た目は大人っぽくてもやっぱ中身は高校生か。私が大人しくしてれば解放してくれるだろうか。抵抗をやめた。しばらくして、絢斗の腕の力が緩んだ。そっと胸を押して距離を取る。「ちょっと、考えさせて。今すぐどうこうできることじゃない」落ち着いて、静かに諭すように告げた。冷静になったのか、今度は大
last updateÚltima actualización : 2026-09-27
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