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帰巣本能でαはΩへ還る のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 20

91 チャプター

11支配された日

誰に捕まった? この部屋はどこ? 目的は何? 何故僕が狙われた? 考えなければいけないことが多すぎる。 手足を動かしてもキツく拘束されているのかビクともしない。 焦っていればドアが開いて。中に入って来たのは。 「……溝口さん⁉︎」 「芦屋ぁ。酷いじゃないか。毎週俺がお前に食事を誘っているのに全然靡いてくれないなんて。いっつもどこをほっつき歩いてんだ〜?」 会社の上司の溝口。 彼が僕をこんなことに? どうして? 「芦屋は明日から風邪で寝込んでしばらく休むと会社には伝えるから心配するな。よし、それじゃあ早速……」 溝口が手にしているのは朝に見た注射器。霧島という男が悠人に打とうとしていたもの……まさか。 「俺に全く靡かない芦屋には〜、ビッチングでΩになってもらうね」 「……!」 そんなものが早々手に入るわけがない。どうして同じものを目にしている? 「芦屋はずっとここで暮らすんだ。芦屋が住んでいるアパートも契約切ったから」 「そ、そんなこと出来るわけ──」 「出来るんだよ、αならね。それに、あそこの大家はΩだったし。怒鳴りつければ一瞬だったよ」 「あ、あんな優しいおばあさんになんてことを──」 「芦屋ぁ、セキュリティを強化するならαが管理するマンションにしないと。こういう時に不利になるぞ〜? あ、それからアパートにあった私物はお前が眠っている間に全て回収しておいた。でもいらないから全部ゴミ箱行きでい
last update最終更新日 : 2026-09-21
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12放置

 その日はただひたすら犯されて、僕はただただ激痛で泣き叫ぶばかりだった。そんな状態なのに溝口は興奮したように腰を振ってくるばかりで気持ち悪かった。 僕、こんな上司の元で働いていたんだ。もっと早くに気づいていたらよかった。 朝になると溝口はスーツに着替え会社に向かう準備をしている。僕の尻穴にはエネマグラというおもちゃを埋め込まれ、そして抜けないようにベルトまで穿かされる。「一応家の中は動き回れるようになっている。ご飯も用意してあるしトイレだって好きに行ける。ただ外に出て行かれたら困るから足の鎖だけはさせてくれ」「……こんな、奴隷みたいなこと。……今の時代する人いませんよ」「意外と支配欲強いαはしてる。お前は薄かっただけだろう。手にしたいものがあったら何がなんでも手に入れるからな」 大人しくしていろよ、と溝口に頭を撫でられ、ビクッと身を竦めてしまえば「昨日犯したことは効いたかな?」と笑って会社に向かう。 僕はベッドの上で震えたまましばらく動けなかった。 ──逃げないと。 恐る恐る立ち上がって玄関の方へ向かうも確かに鎖の距離が足りない。外すにも足ぴったりに隙間なく嵌められていて鍵がないと無理そうだった。 電話で通報、は。 辺りを見渡しても固定電話は見つからない。ならばと僕のスマホを探してみる……も隠されているのか見つからない。八方塞がりだ。(どうしよう……) 僕はαで、たまたま運がなくこうなってしまったけれど。Ωはこうなるかもしれない日々にいつも怯えながら生きているというのだろうか。(大家のおばあさん、体調崩してないかな、心配だな……) 僕がそのアパートにしたのは、αが住むことで逆に変な人が寄りつかないようにと思ってのことだった。なのにそのαが別のαに捕まっていなくなってしまうなんて……とんだ滑稽だ。(もしかしたら悠人くんも……この恐怖を味わったことがあるのかな……いや、知らないでいてほしい……) 思い出すのはやっと目の前で笑ってくれた悠人。「気をつけてね」と言
last update最終更新日 : 2026-09-21
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13蹂躙される日々

「おやおや、すっかりそのエネマグラが気に入ったようで」「は、ぁ……外……外してください、これ……やだ」「どうして? すっかり雌っぽい顔になっているじゃないか」「僕は雌じゃな……」 溝口がボタンを押すとたちまち今まで以上にエネマグラが暴れ回る。「ああああああっ!」 ビクッ、ビクッ。 プシャッ。「αともあろう芦屋くんが、お漏らしかい。情けないねえ」「あ、あんたが……勝手に僕をそんなふうにしたんだろ……!」「んー、俺というよりは、エネマグラかな?」 ポケットから鍵を取り出した溝口は足の鎖を解除したあと、僕をまたベッドに大の字に拘束にする。今度はうつ伏せで。「この方が|頸《うなじ》噛みやすいよね」 そっと頸を撫でられ身震いする。 αが発情期のΩの頸を噛むと番になることができる。 両思いが一番理想的だ。 しかし中にはΩの気持ちを無視して無理やり番にするαもいるだろう。 もっと最悪なのは、Ωがいらなくなったからと番を解除するαだ。 αはそのまま何も気にせず生きていけるが、Ωは。大きなストレスがかかり二度と番なくなると聞くし、最悪死に至る。 溝口なんかは、Ωに近づけていい人物ではないだろう。だとしたらαである僕が目につけられたのは幸い……だろうか。「今日もたっぷり楽しませてもらうぜ……|奏《かなで》」 その嫌な笑みで僕の名前を言うな。 口答えしても抵抗しても無駄なのは昨日で思い知らされたので黙ってやり過ごすしかない。 エネマグラを引き抜いた溝口は、問答無用でまたいきり勃ったグロいものを僕の中に埋め込んだ。 そしてがつがつと腰を振ってくる。 苦しい。でも昨日より痛みはない。 溝口が覆い被さり頸を舐めてくる。「発情期を起こさないとだからな」 溝口は一度離れると注射器を取り出す。 本当に僕に使うつもりなのか。
last update最終更新日 : 2026-09-22
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14人格否定

 頭が痛い。寒気がする。 やっとの思いで目を開けると、起き上がってもないのに視界がくらくらした。(Ωの発情期薬なんか打つから……) 冷静に考えるなら、Ωのフェロモンを嗅ぐだけでαは発情するものなのに。 何故わざわざ体内に打ち込むのか。(ビッチング……そこまでして僕をΩにしたいのか……? どうして……) 尻の中に埋め込まれているエネマグラがヴヴッと震えればたちまち頭が真っ白になり、射精を伴わない絶頂を数回連続でしてしまう。(体が……きつい……っ、いつまで、こんなこと……っ) 壁に立てかけられてるカレンダーが目に入る。いつもだったら昨日は工房に行っていたはずなのに。 待ってるって、言ってくれてたのに。(約束、すっぽかしちゃった……) やっと心を通わせそうだと思ったのに。 また、人を信じられなくなってしまったら僕のせいになってしまう。(悠人くん、ごめんね) こんな鎖がなければ、今すぐ工房に向かっているのに。 * 夜。溝口が段ボールを抱えて帰ってくる。わざわざベッドの上に置いて「中を見ろ」と指示してくる。「……」 重い体をなんとか起こし、中を覗き込むと……会社で使っている僕の私物。それが、段ボールの中に。「……どういう、こと」 呆然と見上げれば、溝口は「会社辞めてもらおうと思って」ととんでもないことをさらりと言う。「な……何を言って」「奏は両親いないだろ? そして家のアパートは解約した。仕事を辞めて社会との繋がりを完全に断てば……奏は俺しか頼れなくなる。ほら、紙とペンを用意したから、退職届を書くんだ」「そんなこと出来るわけない、僕は書かない」 視界がブレる。頬をビンタされていた。怯んではいけない。これでも僕はαだ。書かない意思を込めて溝口を睨めば「まだそんな目をするの
last update最終更新日 : 2026-09-22
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15何も考えられない

 昼間。溝口がいない時間が、唯一心が休まった。夜に散々犯されて、泥のように眠って、昼に起きる。  いつもは軽く僕が食べるものが用意されているのに、今日は何も無かった。 別に、いいんだけど。食べる気にもならないから。 カレンダーを見て、3回目の約束を破ってしまったと気づく。僕は三週間も閉じ込められている。(今まで自分でなんとかしてきてたけど、身寄りがいないことが仇になるとは……) もし僕に家族がいたら。 帰ってこない僕を心配して行方不明届を出してくれていたかもしれない。 会社でも仕事ばかりで、特に友人となる同僚はいなかった。 気が合うな、と思う人がいても、特にそれ以上の進展はなく終わってしまう。 ……いや、違う。 あの溝口だ。 僕の隣には常に溝口がいた。 上司として指導してくれてると思っていたけれど。 こんなに執着されている今だから気付く。僕が他の人を頼れないようになっていたのだと。 困っている人を見かけて手伝おうとしてもいつも腫れ物を扱うように接されてきたのは、溝口に周りが牽制されていたからだ。 ……だとしたら、会社の人は誰も僕を心配しないだろう。(まんまと、嵌められているじゃないか……) 弱肉強食。Ωはαの餌食。 でも、弱いαも強いαの餌食になる。 * 溝口が帰ってくる夜まで、流石に何も口にしないと空腹になる。でも食べ物は用意されていない。「ただいま。奏、今日はピザにしよう」 帰る途中で買って来たのか部屋中に美味しそうな香りが一気に漂う。釣られてはいけないと思いつつも、僕のお腹は大きく鳴ってしまった。「……」「ああ、空腹にさせた甲斐があったね。じゃあ〝僕はあなたのΩです。ご奉仕するので餌をください〟と言えるかな」「……え」 もう空腹は限界だ。
last update最終更新日 : 2026-09-23
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16退職届

「おい、起きろ」 顔に水をかけられる。 外は明るかった。 体を引きずられ、椅子に座らされる。 目の前の机に、紙とペンを置かれる。「わかるだろ? 書け」「……」 これを、書いてしまったら。 僕は完全に溝口のものになってしまう。 何か。何か考えないとなのに。頭の中は真っ白になるばかりで何も考えられない。「書け!」 怒鳴られ、慌ててペンを右手に持つ。 本当に書かないと、いけない? 僕が、書かないといけない? 僕は、辞めたくないのに? 手が震える。 書かないと殴られる。【退 職 届】【この度、一身上の都合により──】 助けて。誰か助けて。 この退職届の違和感に気付いて。【──芦屋 奏】 視界がボヤけながら、震える手で必死に文字を綴っていく。 溝口が持って来た段ボールの中に僕の印鑑もあったので、それを目の前で押されてしまう。 丁寧に折って、封筒に入れて。 目の前の溝口に差し出す。「はい、受理しましたぁ」 出してから、気付く。 僕の直近の上司は、溝口だ。 だからこの退職届が、他の人に渡ることはない。……全部、見越して僕に書かせて。「……」 やっぱり書いたら駄目だった。 でも、書かないと罵倒されて殴られるから。どうしようもなかった。 そこまで、僕はもう頭が回らない程に……駄目になっている。 僕は、駄目なα。 使えないα。 Ωよりも……格下なんじゃないかと思ってしまうほどだった。「よし。じゃああとはΩになることだけだなあ」 溝口の声が弾んでいる。 *
last update最終更新日 : 2026-09-23
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17策を練って脱出

 溝口は僕がΩになることを望んでいる。Ωになるまでは、この激しい行為も終わることはないだろう。 毎晩Ω用の発情期の薬を打たれて、強制的に発情させて、僕を無理やりに気持ちよくさせて。 体は何度も達してしまっているが、心はどんどん離れていく一方だ。 酷いことをされているのだから当たり前だ。 溝口は僕が堕ちるのを今か今かと待っている。それが心底恐ろしい。 堕ちる訳がない。僕はαなのだから。 大丈夫。堕ちない。 しかし毎晩犯されていてそろそろ体力の限界だ。体はボロボロだし、精神もだいぶ疲弊している。(堕ちて、溝口のものになった方が楽なのかもしれない……) そう思っては、慌てて首を振って強く否定する。(僕はαだ。番になる相手は、僕が決める。溝口なんかじゃない) そのためにも。早く抜け出さなければならない。 溝口を観察する。 僕を拘束している鎖の鍵は、彼のポケットの中に入っている。 最近は行為をする時、僕が抵抗をしなくなったから鎖を外して行うことが増えた。 なんとかして、溝口の気を逸らせて鍵を入手出来ないか。  *「奏。行ってくるよ。大人しく待っていてくれ」「……行ってらっしゃい。あの、溝口さん」 溝口を見上げながら。もじもじしながら、そっと頸を撫でる。はぁ、と息を吐きうっとりと目を閉じる。僕は……役に身を投じている僕は、それはそれはもう色っぽく見えるだろう。「出来るだけ早く帰って来てほしい……」「奏。それは」「溝口さん少しだけ、えっちしよ……? まだ遅刻しないよね……? ね、少しだけ、しよ?」 精一杯の。αが喜びそうな媚び方を演じる。心底吐き気を催しながら。「ああ、奏。遂に堕ちる日が来たか。嬉しいよ」 溝口が覆い被さってキスしてくる。散々教え込まれた舌使いで必死に応えな
last update最終更新日 : 2026-09-24
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18会いたい人へ

 マンションを飛び出し、とにかく前住んでいたアパートに戻ろうと駆け出す。 今まであまり食べさせてもらえなかったから体力が著しく低下している。少し駆け足なだけでふらふらだった。 部屋はなくなってしまっているのだろうか。大家にも謝りたい。「はぁ、はぁ……っ」 見覚えのある街並み。見慣れたアパート。……があるはずの場所が、更地になっていた。(……え?) もっと近くに向かえば、何やら張り紙が貼られている。 【立ち退きのため使用不可】 (僕が追い出されただけじゃなく、このアパート自体が……⁉︎) なら、今までこのアパートに住んでいた人々は? 大家は? 僕はなんてことをしてしまったのだろう。 へなへなとへたり込む。(本当に、帰る場所がない) スマホは使えない。使えたとしても、頼れる人がいない。(どうしよう……溝口のところに戻るのだけは、絶対に嫌だ) 服をギュッと掴む。……胸元が硬い。 内ポケットには、両親の形見である和紙。 ……悠人が作った和紙と似ている。 そんなわけは、ないか。 どのみち、僕は工房に向かうしかないようだった。 お腹空いた。 足が重い。 財布の中には、辛うじてお金があった。工房へ向かう分はある。 忘れられてたら、どうしよう。 そしたら、また挨拶をするしかないか。 警戒心のある悠人にまた睨まれてしまうかも。 でも。悠人が僕にくれたアクセサリーが僕を勇気つけてくれたんだよ。 なんとかして、Ωに成らずにすんだよ。 だからさ。……会ったらさ。 いっぱい褒めてくれないかな。 頑張ったねって、褒めてくれないかな。 悠人にまで否定されたら、僕。どう生きたらいいのかわからなくなってしまうから。 お願い。
last update最終更新日 : 2026-09-24
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19性の発覚(悠人目線)

 中学三年生、バース性が俺にも現れた。親父はβだったから凡人の俺ももれなくβ……だと思っていたのに。 診断結果には堂々と〝Ω〟と書かれていた。 頭が真っ白になった。 親父に申し訳なかった。 特に秀でてるものがない上に、Ωになってしまった。 隠し通すわけにもいかず、震える手で親父に紙を見せれば。いつも優しかった親父は、険しい顔をして俺に何も言わずに工房に向かっていった。 Ωは工房を引き継ぐことが出来ないから、嫌になってしまったのかも。  *「お前、Ωなん?」 山に1つしかない中学校だから、隠していても噂は一気に広まる。クラスのほとんどがβな中、いつも俺にちょっかいをかけて来る嫌な同級生……霧島がいた。 霧島は大人になってから薬を打とうとしていた人と同一人物である。 よりによってαで、ニヤニヤと俺を見てくるのが心底不快だ。「だったら、なんだよ」「俺が番になってやるよ。感謝しろ」 上から目線で言われ。教師を巻き込む喧嘩になり教室は一時騒然となった。 俺の方が当時体は大きかったからボコボコにすることは出来た。同級生が教師を呼び止められてしまったが、霧島は訳わからないことをずっと呟く。「Ωのくせに!」「Ωはαの奴隷なんだよ!」「大人しく俺の番になれ!」 中学でαとΩとして目覚めたのは霧島と俺だけで、他の学生はβだった。今までも霧島が俺にちょっかいをかけてくることがあったが、性別が別れた途端に霧島が露骨に俺を見下す発言が増えた。 霧島の発言を聞いたβの学生のほとんどが「うわあ……」とドン引きしていた。しかし中には心無い同級生もいて俺に「さっさと煩い霧島の番になって大人しくさせてくれよ」と言ってきた。 その度に俺はカッとなってしまい殴り合いの喧嘩に発展してしまっていた。 今までも霧島にちょっかいをかけら
last update最終更新日 : 2026-09-25
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20立場が弱い存在(悠人目線)

 中学から高校。 田舎は高校も少ないのでほぼエスカレーター式に周りの同級生も同じだった。 当然厄介な霧島も同じ高校だった。 親父に迷惑をかけないようにするために、霧島や他の同級生に何を言われても無視するように努めた。 煽りに反応しなくなった俺をつまらなく思ったのかβの同級生たちは早々に俺から離れていったが、霧島だけはいつも俺の周りを付き纏っていた。 正直早く飽きて欲しかった。 嫌なこと言われて平気な訳じゃなかったから。ただ黙って耐えているだけだったから。 そんな無反応な俺が気に食わなかったのか、教師の注意が行き届かない場所で殴る、蹴られるみたいなことが増えた。 あからさまに制服がボロボロになって顔に傷が増えていく俺を見ても、教師は何も言わなかった。 俺、霧島のサンドバッグじゃないんだけど。 恨みを込めて教壇に立つ担任を睨むも。βはαには年下だろうと逆らえないようだった。(大人って、子供を絶対庇護してくれる訳じゃないんだ) 俺がΩだから。 周りより劣っているから。 学校に霧島がαとして存在し、立場上教師も逆らえない状況の中。霧島の横柄な態度は大きくなっていく。 そんな中で、事件は起きた。「お前。俺の番になれよ」 いつも放課後の教室に呼び出されては頸を差し出せと要求される。殴られても蹴られても、それだけは許容しなかった。だから今日も、断って家に帰ろうとしたら。「……お前、なんか今日甘い香りがする」「え……お、おいっ!」 最悪のタイミングだった。 教室に2人しかいない時に初めての発情期を起こした。 頭がくらくらする中自制心が無くなった霧島に押し倒される。見下ろされ、興奮したように肩で呼吸をし夢中で制服を脱がしにかかる霧島に……恐怖を覚えた。「やめろ! 離せ!」「動くな!」 怒鳴られたら体が硬直した。 抵抗しなきゃと焦るのに、
last update最終更新日 : 2026-09-25
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