誰に捕まった? この部屋はどこ? 目的は何? 何故僕が狙われた? 考えなければいけないことが多すぎる。 手足を動かしてもキツく拘束されているのかビクともしない。 焦っていればドアが開いて。中に入って来たのは。 「……溝口さん⁉︎」 「芦屋ぁ。酷いじゃないか。毎週俺がお前に食事を誘っているのに全然靡いてくれないなんて。いっつもどこをほっつき歩いてんだ〜?」 会社の上司の溝口。 彼が僕をこんなことに? どうして? 「芦屋は明日から風邪で寝込んでしばらく休むと会社には伝えるから心配するな。よし、それじゃあ早速……」 溝口が手にしているのは朝に見た注射器。霧島という男が悠人に打とうとしていたもの……まさか。 「俺に全く靡かない芦屋には〜、ビッチングでΩになってもらうね」 「……!」 そんなものが早々手に入るわけがない。どうして同じものを目にしている? 「芦屋はずっとここで暮らすんだ。芦屋が住んでいるアパートも契約切ったから」 「そ、そんなこと出来るわけ──」 「出来るんだよ、αならね。それに、あそこの大家はΩだったし。怒鳴りつければ一瞬だったよ」 「あ、あんな優しいおばあさんになんてことを──」 「芦屋ぁ、セキュリティを強化するならαが管理するマンションにしないと。こういう時に不利になるぞ〜? あ、それからアパートにあった私物はお前が眠っている間に全て回収しておいた。でもいらないから全部ゴミ箱行きでい
最終更新日 : 2026-09-21 続きを読む