「一花、SNSの投稿、俺だけ見られないようにした?」学生寮の前に立っていた理玖は、片手にホットミルクを持っていた。「うん」「なんで?」「そうしたかったから」理玖がホットミルクを差し出してくる。「まだ怒ってんの?朝飯抜くと、また胃が痛くなるだろ」私は受け取らなかった。「なんで朝ごはん食べてないって知ってるの?」理玖が一瞬、言葉に詰まる。「同室の子に聞いた」私は差し出されたホットミルクを見て、ふっと笑った。「じゃあ聞かなかった?私、牛乳飲むとお腹壊すんだけど」理玖は少し間を置いた。「でも、温かいやつだし。これなら平気だろ」「茉白は牛乳、飲めるの?」理玖が顔を上げる。「一花、なんでも茉白に結びつけるのやめろよ」「聞いただけ」「今朝、茉白が低血糖だっていうから、ついでに朝飯を買ってやっただけ。このホットミルクは、お前のために特別に買ったんだよ」「砂糖、入ってる?」「ああ」「私、甘いホットミルク飲まないよ」理玖は少し黙った。「一花、いちいちケチつけるなよ」私は両手をポケットに入れた。「持って帰って」理玖が眉をひそめる。「昨日の飲み会で言ったこと、あれはそういう意味じゃないからな」「どういう意味?」「お前のこと、昔からの幼なじみで、妹みたいなもんだって言ったのは、みんなに冷やかされたくなかったから。俺たちのこと、わざわざ大っぴらにする必要ないだろ」「じゃあ、茉白に『恋人なの?』って聞かれて『違う』って答えたのも、大っぴらにしたくなかったから?」理玖は眉間を揉んだ。「俺たちがどういう関係か、一花だって分かってるだろ。言い方ひとつでいちいち突っかかるなよ」私は黙って理玖を見つめた。初めて思った。理玖って、本当に自分に都合よく解釈するんだ。「理玖!」後ろから声が飛んできた。教材を抱えた茉白が、小走りでこちらへやってくる。私に気づいた途端、顔に浮かんでいた笑みが少しずつ消えた。「もしかして、邪魔しちゃった?」「いや」理玖はいつもと変わらない顔で答えた。茉白は私に目を向ける。「2人、ケンカしてるの?昨日のことだったら……一花ちゃん、勘違いしないでね。私、本当に2人がそんなに仲いいって知らなくて」そんなに仲が
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