これは、私たちにとって17回目の結婚式になる。これまで16回、彼はそのたびに妹同然に可愛がっているキアラのため、私を式場に一人残して去っていった。私はロレンツォと並んで祭壇の前に立った。その瞬間、お腹の赤ちゃんが突然、力強く蹴った。「この子も今日を待ってたんだな」ロレンツォは笑いながら、私の手を握った。神父が誓いの言葉を読み上げ始めると、その場にいる全員の視線が私たちに注がれた。そのとき、電話が鳴った。また、キアラだった。ロレンツォの表情が目に見えて強張り、私の手を握る指に無意識に力がこもる。「切って、ロレンツォ」私は彼から目を逸らさずに言った。その瞳には葛藤がありありと浮かび、指は拒否ボタンの上で止まっていた。やがて電話は自動的に切れた。私がようやくほっとしかけた、その直後だった。2度目の着信が入った。「ヴィッキー」ロレンツォは声を潜め、つないでいた手を離そうとした。「何かあったのかもしれない。あいつがこんなに何度もかけてくることなんて、普段はないんだ」私は手を離さなかった。「私たちの子供は、父親が『誓います』と言うのを待ってるの」彼の表情が一瞬で強張った。まるで火傷でもしたかのように私の手を振り払い、声を荒らげる。「でも、あいつはマルコのたった一人の娘なんだ!」また、その言葉。マルコ・ロッシ――ロレンツォの父親を銃弾から庇って命を落としたコンシリエーレ。死の間際、彼が願ったのはただ一つ、「キアラを頼む」ということだけだった。その一言が、私のすべてを壊してきた。ロレンツォはスマートフォンを取り出した。そして病院から届いたメッセージを目にした途端、その声が裏返る。「睡眠薬を飲んだって!」「また睡眠薬?」私は冷笑した。「先月も睡眠薬を飲んだって騒いでたけど、看護師が確認したら薬のボトルは開封すらされてなかったでしょう!」「ヴィクトリア!」ロレンツォは鋭い声で私を遮り、失望したような目を向けてきた。「マルコが死ぬ前に……」「娘をあなたに託したのであって、私を傷つけるようなことをさせるためじゃない!」私は手を伸ばし、彼の襟元をつかんだ。「周りを見て!私たちの家族も、部下たちも、まだ生まれていない私たちの子供も!みんな、あなたが『誓います』と言うのを待ってるの!」
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