最初に思い出すのは、彼が『NARUTO』の里外で見せた“砂の暴力”だ。あの頃、私はガアラを純粋な破壊力の象徴として見ていた。砂はほぼ自動防御で、彼自身は攻撃の発想も単純明快だった。敵を粉砕するための直線的な動き、恐怖を植えつける言葉、そして砂の檻で相手を閉じ込めるやり方が基本だった。
その後で意識的に変化が出てきた場面を列挙すると、まず防御の概念が広がったことに気づく。個人防御だけでなく、仲間や街全体を覆う大規模な防御、地形操作による戦術的優位の確保を行うようになった。単に粉砕するための砂ではなく、戦況をコントロールする道具として砂を使うようになったのだ。
最後に、彼の戦術変更で最も印象的だったのは、感情のコントロールと連携の向上だ。かつては
一匹狼的な突進に頼っていたが、後半では情報を引き出し、味方の動きを逆算して砂を配備するようになった。攻守の切り替えを素早く行い、相手のペースを崩すことで勝負を有利に進める──そういう洗練された戦術家へと変わったのが印象深い。