もう一つのおすすめは『Scars That Sing』で、ここでは音楽を媒介にした癒やしが主題です。kentoのピアノと相手の歌声が、お互いの傷に触れていく様子が詩的です。『ハリー・ポッター』のスネイプとリリーのようないきさつはないものの、過去を乗り越える瞬間の描写は圧巻でした。特に、最終章で二人が作詞作曲するシーンは、読後も余韻が残ります。
『Between the Lines』という作品は、kento hayashiのCPが書店員と客として出会い、メモ書きで気持ちを伝え合うストーリーです。『ツイ恋』のような軽さはなく、むしろ『君の膵臓をたべたい』に近い重みのある展開。互いの傷ついた過去を、本の一節を介して少しずつ明かしていく構成が秀逸。特に、夏目漱石の『こころ』を貸し借りするシーンでは、登場人物の心理が巧みに反映されていました。短編ながら、密度の高い心情描写が特徴です。