一途な愛の代償私は相沢彩花(あいざわ あやか)。
夫は相沢慶介(あいざわ けいすけ)。
そして、彼と一緒にいたのは真壁瑠香(まかべ るか)という女だ。
まさか、その二人が密会している最中に、慶介があそこを折るような大けがを負うことになるなんて、思いもしなかった。
知らせを受けて病院へ駆けつけると、そこには当事者である瑠香が、何事もなかったかのような顔で立っていた。
慶介は緊急手術が必要で、同意書には家族である私の署名がいるという。
私は瑠香を睨みつけた。けれど彼女は涼しい顔で、私が何もできないとでも思っているかのようだった。
「患者さんのご家族の方は?」
医師の問いかけに、私は即座に答えた。
「私です!」
「では、こちらにご署名を」
震えそうになる手を抑えながら、私は書類にサインをした。
医師は私と瑠香を見比べ、一瞬だけ事情を察したような目をした。
「……最近の若い人は、ほんとに無茶をする」
その言葉が妙に耳に残った。
署名を終え、私は医師の部屋を出る。
病室では、慶介が股間を押さえたままストレッチャーに横たわっていた。私を見るなり、顔色を変える。
「彩花、違うんだ。話を聞いてくれ……」
私は答えなかった。
視線は、彼の手首と首筋に残るはっきりとした縄の跡に吸い寄せられる。
「ずいぶん手の込んだことしてるじゃない。吊るしてたの?」
そこへ、瑠香が近づいてくる。品定めでもするみたいに、面白そうに私を見た。
「こんな慶介、見たことないでしょ?次は、あなたも一緒にどう?」