暁を待つ獣祖父の死をきっかけに、山間の村に戻った冬馬は、そこで“何か”に触れてしまった。
夜の森に響く低い唸り声、皮膚に残る熱、腹の奥で疼くような感覚――
そして、現れた謎の男・朔夜。
「お前を噛んだら、もう手放せない」
耳元で囁かれたその声に、冬馬は抗えない恐怖と、知らず滲む期待を感じてしまう。
誰にも語られない村の禁忌、獣神の末裔の存在。
「噛まれたら終いだ」という言葉の意味を知る時、冬馬はもう、戻れない場所に足を踏み入れていた。
抗う心と裏腹に疼く身体。
それは愛か、呪いか。
彼はなぜ“選ばれた”のか――
逃れられない運命の中で、二人の関係が、じわじわと絡み合っていく。