新月が再び輝きを放つ日向静月(ひなた しづき)はA大学一の美女で、学内の男子学生全員の心を奪う存在だ。しかも、日向家の宝のように大切にされているお嬢様だ。
しかし、彼女はなぜか「高嶺の花」のような存在である木村言朗(きむら ことあき)に惹かれてしまった。
入学式で、言朗は色あせた白いシャツを着ていたが、その冷徹で孤高な雰囲気を抑えきれなかった。
たった一目で、静月は心を奪われた。そして、彼女が目をつけたものは、今まで手に入らなかったことはなかった。
翌日、彼女は言朗を止めて、周囲の注目を浴びながら、ラブレターを彼の手に押し込んだ。彼女は明るく自信満々に笑って言った。
「言朗、私は日向静月です。付き合ってください」
しかし、言朗はその香りが漂うピンク色の便箋に目を向けることなく、ただ淡々と彼女の明るくも華やかな顔を一瞥した後、冷淡な声で言った。
「興味ない」
そう言って、彼は彼女を避けるように、何も言わずに去って行った。
周りは瞬時に静まり返り、次第に抑えきれないすすり泣きが聞こえた。静月は初めて拒絶されるという感覚を味わった。