雪夜の別れ道三浦海斗(みうら かいと)との結婚7周年の記念日。私は、冷めきった料理を前にして、一睡もできずに朝を迎えた。
次の日、仕事の付き合いのはずだった海斗が、昔から想いを寄せていた白石紬(しらいし つむぎ)と腕を組んで、ニュースの一面を飾っていた。
私はテーブルをひっくり返し、海斗の書斎をめちゃくちゃにした。そして、怒りで目を真っ赤にして、紬の歓迎パーティーをぶち壊した。
「戻ってきて。紬に会うのは許さない。
さもなければ、離婚よ」
でも、海斗は眉ひとつ動かさなかった。
紬が私におびえて、足をくじくまでは。
海斗は初めて心配そうな顔つきになり、私を怒鳴りつけた。
「いい加減にしろ!」
私はしばらく呆然としていたけど、最後には離婚協議書を海斗に叩きつけた。
「離婚しよう」
海斗はあっさりと書類にサインを済ませると、すぐに紬のそばにかがみこんで、彼女の足首をさすってあげた。
私が背を向けて去ると、周りは今回の私が本気なのかと噂していた。
海斗は、冷ややかに笑った。
「本当にいなくなればせいせいする。7年間も同じ手口ばかりで、そっちが飽きなくてもこっちはうんざりだ」
冷たい風が胸に吹き込むなか、私は航空券を強く握りしめた。
海斗の望み通り、今度こそ私は本当に彼を手放すことにした。