語感で説明すると、やるせないは単に「悲しい」や「怒っている」を超えた曖昧な重さを持つ言葉だと感じる。胸の内にぽっかり穴があいて、理由がはっきりしないのにどうしようもなく落ち込むような感覚。言葉にするなら "a hollow, aching sadness" や "a sense of helpless emptiness" といった表現に近い。英語の単語ひとつで完全に置き換えるのは難しく、状況や強さによって "melancholy", "wistful", "gutted", "powerless" などを組み合わせることが多い。
日常的な翻訳例を挙げると、映画や小説の情景説明ではネイティブは "I felt so empty and helpless" や "There was a hollow ache I couldn't shake" のように言うことが多い。私はよく感情の層を重ねて説明する癖があって、まず「空虚さ」、次に「やるせなさが行動に結びつかない無力感」、最後に「言葉にしづらい切なさ」という三段階で捉えると英語でも自然に伝わると思う。例えば村上春樹の作品『ノルウェイの森』に漂う寂しさは、まさにやるせないに近く、それを英語で説明するときは複合的な表現を選ぶことになる。