彼氏が既婚者だと知ったら、彼を捨てた妊娠してから、危篤の母の最後の願いは、私ダイアナ・ハーバーの結婚式を見届けることだった。
恋人のウィリアム・ジョンズに結婚を願い出てから99日目、彼はようやく首を縦に振ってくれた。
だが結婚式当日、私はウェディングドレス姿でホテルに一日中待ち続けても、彼の姿を目にすることはなかった。
その直後、ある人がSNSで彼が一か月前にアップした婚姻届の写真を掘り起こした。
なんと、一か月も前に、彼はすでに幼なじみのキャロリン・アシュトンと結婚していたのだ。
母はその事実を知った瞬間、激しく取り乱して発作を起こし、そのまま手の施しようもなく亡くなってしまった。
その後、ウィリアムからメッセージが届いた。
【ごめん、キャロリンが足をくじいちゃってさ、俺が面倒を見なきゃならないんだ。
来月もう一度、ちゃんと結婚式を挙げよう。今度こそ必ず償うから】
そして一か月後、ウィリアムは自ら豪華で盛大な結婚式を準備し、高級オーダーメイドのスーツに身を包んでホテルで私を待っていた。
だが彼に届いたのは、私が残した流産手術の報告書だけだった。
報告書の裏には、ただ一行。
【ウィリアム、これで永遠にさようなら】