幼馴染と結婚したら、元彼が後悔した二十三回目の結婚式当日。
正木池羽(まさき いけば)は、またしても彼の義妹・和泉榎(いずみ えのき)の「自殺騒ぎ」で式場を飛び出した。
残された私は、嘲笑にさらされた。
「また捨てられた花嫁だ」「縁起でもない」――
誰もが私を哀れみ、笑った。
けれど私は信じていた。
「すぐ戻る、結婚しよう」
そう言った池羽の言葉を、今回も。
……そして、今回も裏切られた。
怒り狂う招待客をなだめ、散らかった会場を片づけ、ようやく家に戻った時には、夜も更けていた。
書斎の前を通りかかった瞬間、ドアの向こうから池羽の声が聞こえた。
「榎は精神的に不安定なんだ。付き添うのは当然だろ。
春日部(かすかべ)は、百回式を延ばしても俺から離れないよ」
……ごめんね、池羽。
今度こそ、期待を裏切ってあげる。
涙をこらえながら、スマホを開く。
そして幼なじみの木戸真弓(きど まゆみ)にメッセージを送った。
【三日後、私たち結婚しよう】