娘が死んだ時、彼は初恋と千匹の錦鯉を追放してた山崩れが起きたとき、私と娘は大量の土砂に埋もれてしまった。1時間も経たないうちに、娘は息を引き取った。
車内のラジオは自動的にニュースを流していた。
「愛する人のために千匹の錦鯉を放流した古賀さんに感謝します」
「きっと、愛の力で古賀さんの恋人・松木さんのうつ病は治るでしょう」
ラジオが雑音を立て、そこから聞こえたのは、出張中であるはずの夫の声だった。
彼の隣には、初恋の人である松木蝶子の囁きも混じっていた。
「たとえ世界が滅んでも、最後まで一緒にいよう」
そして後に、彼と彼女は共に瓦礫の山に埋もれた。
崩れた壁と瓦礫の中、彼らの体は崩れ、膿血が流れ出ていた。
私は彼の手を踏みつけ、身を屈めて真剣に尋ねた。誰を救ってほしいの、と。