娘の命が危ないのに、夫は幼馴染とサッカー観戦していました娘が急性アレルギーを起こしたとき、彼女を救えるのは専門医である夫だけだった。
緊急事態の中、私は夫に電話をかけたが、応答したのは彼の幼馴染だった。
「司(つかさ)は忙しいの。何もないなら電話しないで」
怒りより焦りが勝ち、私はただ必死に言った。
「すぐに司を病院に来させて!青(あお)が発作を起こしたの、彼がいないと助けられない!」
電話越しに聞こえるのは司の不機嫌そうな声だった。
「たかがサッカーの試合を観てるだけだ。娘の命を使って冗談を言うなよ。お前には失望した」
結局、娘は全身に赤い発疹を残したまま病院で息を引き取った。
涙を拭い、私は冷たい声で電話をかけ直した。
「離婚しましょう」
しかし、最初に耳にしたのは司と月悠(つくよ)の笑い声だった。しばらくして、彼はやっと応えた。
「離婚か。それでいい。ただし、娘は俺のものだ」