兄嫁が大当たりしたが、私が宝くじを破いたと無実をかけられた

私は生まれ変わって、兄の嫁である神原モモが2000万の宝くじに当たったあの日に戻った。

神原モモは宝くじを手にして、皆に自慢しながら得意げな顔をしていた。

「私は招き猫で、夫を助ける運を持っている。だから、もっと優しくしてほしい」と、神原モモは言っていた。

この2000万が手に入るから、もう贅沢な生活ができる。

この大金は兄が一生かかっても稼げない金額だ。思いがけない収入に彼もとても興奮していて、どんな車を買うかまで考えていた。

でも、ふと考え直し、宝くじが記名式ではないことを思い出した。今晩しっかりとしまって、明日早く換金しないと安心できない。

その時、神原モモは落ち着いて言った。「私たちは家族なんだから、そんなに心配しなくて大丈夫よ」

「穂香、欲しいものがあったら言ってね。換金したら、何でも買ってあげるから」

私はソファに座ってぼんやりしていたが、その言葉を聞いた瞬間、前世の記憶が蘇ってきた。

前世でも、彼女は自らから進んで、私に欲しいものを聞いてきた。

その時、私は本当に彼女が私を気にかけてくれているのだと思った。だから、「新しいパソコンが欲しい」と言った。

今使っているものは兄が使っていた古いパソコンで、起動するのにも時間がかかっていたからだ。

「義姉さん、10万円のパソコンで十分だから、高いものじゃなくていいよ」と言ったが、彼女は全く気づかなかった。神原モモの口元が軽く引きつり、次第に狡猾な笑みへと変わったことを。

食事が終わると、神原モモは私に汚れた服を渡して手洗いを頼んできた。

私は笑顔で了承したが、その時からすべての苦しみが始まるとは思いもしなかった。

翌日、昼過ぎ、神原モモは大泣きして言った。「穂香が宝くじを洗濯機に入れて破ってしまった！」

私は必死に否定したが、家族は誰も私を信じなかった。

仕方なく、私は自分の貯金を出し、足りない分は月々の給料で返すことにした。

その後、家族は私を山奥へ嫁がせ、結納金と引き換えにした。

私は30回逃げたが、最終的に豚舎で命を落としてしまった。

母は私が死んだことを知っても、私の復讐を望むどころか、私の遺体で冥婚をしようとしていた。

「まさか、ただの小娘がこんなにも換金できるとは！宝くじなんてより、全然稼げるよ！」

実は、この2000万の宝くじは私を搾取するための罠に過ぎなかった。

母も兄もそのことを知っていて、全員悪人だった。

こんな家族、私は心から尽くしていたのに......

私はそう思いながら、冷ややかな笑みを浮かべた。

「義姉さんは普段、優しくしてくれたから、もう何も買わなくていいよ」

彼女はそれを聞いて、ぽかんとした。口にしようとしていた言葉を、無理に飲み込んだ。

今回は、どんなふうにその責任を私に押し付けるのか、見てやろう。

その晩、食事を終えた後、母が私を呼び止めた。

「穂香、うちは狭くてボロボロだし、学校もないの。私の一番の願いは、庭のある大きな家に住むことなの。子供の頃、私に『お金を稼いだら大きな家を買ってあげる』って言ったわよね」

前世でも、兄と神原モモが要求を出すたびに、母は私にそれをかなえてほしいと言ってきた。

「穂香は親孝行だから、こんな小さなお願いくらいできるでしょ？」

母の小さなお願いを叶えるために、私は命をかけてお金を稼がなければならない。

兄と神原モモが結婚してから、私は金遣いが荒くなった。

母が金のブレスレットが欲しい、ミンクのコートが欲しいと言い出すたび、私はすべてを買ってあげていた。

結局、全部が神原モモのところに行ってしまった。

私は母に何度も不満を言ったが、母は「私にくれたんでしょう。誰にあげようが私の勝手よ」と言ってきた。

その後、兄と神原モモは仕事を辞め、私のお金で贅沢な生活をしていた。

今回はまた私のお金を使おうなんて、夢のまた夢だ！

「母さん、義姉さんは2000万当たったんだから、何でも買えるでしょ？それに、この家を売れば、洋館でも買えるんじゃない？」

母の表情が一瞬固まった。その後、彼女は振り向いて、神原モモを一瞥した。

「それじゃ......私には家がなくなっちゃうじゃない！」

私は冷たく顔をゆがめ、「母さん、どうして義姉さんを他人みたいに扱うの？私、本気で怒ったよ！」と言った。

神原モモの顔色が暗くなった。仕方なく母は部屋に戻り、金のネックレスを持ってきて神原モモに謝罪した。

「母さん、義姉さんとは家族なんだから、そんな風に考えないで。家族の関係を壊さないでね」

母は仕方なくそれを受け入れた。

神原モモが私に洗濯を頼もうとしたその時、私は電話を受けた。

「母さん、会社は急なトラブルがあって、帰らなきゃならないの！」

靴を履きながら、私は続けた。「あ、それから、母さん。私は会社の近くで同僚と一緒に部屋を借りたんだ。義姉さん衣装部屋が欲しいって言ってたよね？私の部屋、ちょうど空いているから、貸してあげるよ」

すべての人が予想しなかった瞬間、私は家を離れた。

翌日の昼、私は母からの電話を受け取った。

電話を取ると、なんと兄の神原達也だった。

「穂香、1時間以内に必ず宝くじを持って帰ってこい。さもなければ、あとで後悔しても知らんぞ」