LOGIN◎あらすじ 貨物船の航路で磁気嵐に巻き込まれ、遭難したエドは、不定形の異星生命体に救助される。 透明なゼリーのようなそれは、ヒューマノイド文化に異様な好奇心を抱く存在であり、子犬のように懐っこい態度から、エドはそれに「ジョン」と名付ける。 エドの船にあったデータベースからヒューマノイドの知識を得たジョンは、ヒューマノイドは孤独を感じると精神を病むという記述を見つけ、エドを抱擁してくるのだった。 無垢な笑顔と母性的な優しさの裏で繰り返される実験的な快感の強制に、エドは抗えず心身を追い詰められていく……。
View More話を聞き終わったダニーは、しばらく黙っていた。「……えっと、その……ジョークっすよね?」 微かに引きつった顔で、ようやくそう一言吐き出す。「本当さ」 冷めきったコーヒーの最後の一口を飲み干し、エドはダニーに向かってニヤッと笑う。 だが、その表情は、言葉とは裏腹だった。「や……やだな〜、俺のこと、脅かそうとしてるんすね! ただでさえ眠気が飛んでるのに、そーいうのやめてくださいよ〜」「さて、時間か……。じゃあ、後は頼んだぞ」「はい、おやすみなさい」 ダニーの声を後に、エドは操縦席を離れた。§ エリオットのシャトルに取り付けたシールド発生装置は、出力と使用エネルギーの違いから限界を迎えた。 磁気嵐を脱出した直後、焼き切れて爆発を起こしたのだ。 それでも、シャトルそのものは無事に──人間の暮らす宙域に戻ることに成功したのだ。──そして、日常に戻った。 貨物船の廊下を歩きながら、エドは昏い目を足元へと向ける。 スペースパトロール員であったエリオットの采配により、磁気嵐に包まれたストームスポットは危険宙域として指定され、貨物船の航路は大幅に変えられた。 今やこの航路を飛ぶ船は、よほどの "ワケアリ" しかいない。 エドは、足を船尾に向ける。 あまりに強烈すぎた、ストームスポットでの日々。 スポットラップと呼ばれる、伝説の "危険生物" 。──それが、忘れられなくなるとは……な。 壁のボタンを押すと、警告音と共に脱出ポッドが起動する。 インターコムを通して、ダニーがなにか叫んでいるが、エドはそれを無視してポッドに乗り込んだ。 ここでポッドを切り離せば、磁気嵐に流されてストームスポットの中心へと運ばれる。 もう一度、あの場所へ……。終わり。
中空高く体を持ち上げられて、エドは喘いでいた。「データ収集を優先するから、いつもよりハード目になっちゃうかもしれないけど、ごめんね」 ボンテージ、スポットライト、戒め。 全てがエドの羞恥を煽る。「エリオットが目覚めた時、優しいハグだったのに、反応が大きかったよね。じゃあ、観衆の姿をエリオットにした方が効果はあがるのかな?」「ひっ……、よせ……っ!」 他人の目が、下から、上から、エドの痴態を射抜く。「も……、イク……イクぅ……」 無様に腰を揺らし、エドは懇願した。「うーんとね、前回の時に、きみのお願いに応じたら、以外に快感ポイントが上がらなかったんだよ。だから、もうちょっとバイタルの数値が上がってから解放するべきだと思うんだよね」「やぁぁ……! ゆる……ゆるしてぇ……!」「きみにお願いされると、弱いなぁ。あ、そうだ! ならデータベースでやってたやつを試させて。えっとね『お願いします、イカせてください。太くて大きな突起付きで、中をたくさんかきまわして』って言ってみて」 全身を勝手気ままに刺激され、既に思考も半ば出来なくなっていたが、流石にエドはハッとなった。「い……いやだっ!」「え〜、お願い、お願い。丁寧語で声に出すと、変化があるのかどうか、知りたいんだ」「い……や……」 頭を振るエドの体を、ぬるりと膜が舐め回す。 熱の昂ぶりを、やわやわと──まるで人の口内で愛撫されるように包まれる。 それでも、根本をしっかり抑え込まれて、ただ腰を振るだけでなんの解放も訪れない。「あっ! あっ! やぁ! お……お願いします! お願いします! お……俺の中を、太くて大きな突起付きで、壊れるまでかき回して! お願い、イカせて! イカせてくださいぃぃ!」 こらえきれず、叫んでいた。 叫びきった瞬間に、どうしようもない虚脱感が襲う。 が、それを認知する隙もなく、体内のジョンがぐるりと大きく動いた。「あああっ!」「うん、うん! すごいよ、数値が最高まで上がった。でも、ごめんね、僕はきみを壊すなんて、出来ないから。壊れない程度で、許してね」 体内の圧迫感が膨れ上がり、蠕動が快感を絶え間なく送り込む。 奥のもっとも感じる場所に突起が当たる度に、痺れるような痛みが送り込まれ、エドは狂ったように腰を振った。「ひっ! あっ!
しばらくして、部屋にエリオットとジョンが戻ってきた。「どうなった?」 エドの問いに、エリオットは厳しい顔をする。「磁気嵐の話は本当だ。俺のシャトルのセンサーで確認した」 微かに、エドの顔が強張る。「あの磁気嵐を無事に越える方法を考えないと、無闇にステーションの外に出るとすごく危ないよ。でも、ホームに帰りたいって気持ちは僕にもわかるから、どうしても帰るなら、方法を考えるのを手伝うって、エリオットと話したんだ」 回復カプセルに座り込んだエド、その横に立つエリオット、そしてエドに寄り添うように膜で包み込むジョン。「方法が……あるのか?」「このステーションのベースにしてる船の、シールド発生装置を外して、エリオットの船に取り付けたらどうだろう?」「しかし、その船も磁気嵐で遭難したものだろう?」「違うよ。この船は、たぶん放棄された状態で、ストームスポットに流されてきたんだと思う。さっきも言ったけど、僕が見つけた時にはカラッポだったからね。だからシールドで船体を守っていたから、ここに流れ着いた時もきれいなままだったんだと思うよ」「だが、その装置を外して大丈夫なのか?」「構わないよ。ここはストームスポットの中心で凪いでいるからね。ヒューマノイドが生活するだけなら、きみたちの船についてるシールドで充分だもの」 ジョンの答えに、少し間をおいてからエリオットが口を開いた。「それはつまり、おまえは減圧環境でも生きているってことか?」「そうだよ。僕は家が欲しくて、理想的な場所を探してここにたどり着いたんだ。ヒューマノイドの船が流れ着くし、集団のヒューマノイドも現れにくい。すごく良い場所だろう?」 にこりと、ジョンは笑う。「そうだな。じゃあ、シールド発生装置はありがたく使わせてもらう。だが、仕様が合わないのをすり合わせる必要がある」「オッケー! じゃあ、それまでに最後のデータ収集をエドにお願いしたいなぁ〜」 ジョンの問いかけに、エドはギョッとした。「え……?」「体力の問題とかで無理なら断ってくれていいんだよ。でも、ここからきみたちがいなくなっちゃうなら、出来るだけデータを残していって欲しいんだ。駄目かなぁ?」 無邪気な顔で問われ、エドは答えに詰まった。──断れば、ジョンの機嫌を損ねるかもしれない。 そうなれば脱出の計画そのものが潰える。 だ
人の声と、なにかが動く音で、エリオットは覚醒した。 自分が寝かされているのは、見慣れぬカプセル。 体を起こすと、自分は全裸で、近くから断続的に声が聞こえる。「なにをしている?」 男が一人、貫頭衣のような布に、透明な膜で包まれて喘いでいた。「あ、目が覚めたんだね!」 喘いでいる男の様子からは想像も出来ない、朗らかで無邪気な聲が──耳ではなく頭の中に響く。「やあ! 僕はジョン。彼はエド。エド、エリオットが目覚めたよ」「ひっ! やあっ! 見るなぁっ!」 柔らかな快感に押し流されていたエドは、そこに立つエリオットの姿に──その突き刺さるような目線に気づき、逃れるように身を捩った。「あああんぅっ!」「おや? 快感ポイントが高いなぁ。激しい時と同じくらいの数値だ。これは、エリオットに見られたから?」「言う……なっ!」 ぎゅうっと手を握り、エリオットから逃れるように顔を背け、エドは奥歯を噛んだ。「俺は、シャトルが磁気嵐に巻き込まれたはずだ」 状況が飲み込めないまでも、エリオットは軍人らしく冷静に事態の把握に努めた。「ここはヒューマノイドの言う "ストームスポット" 。このステーションは僕の家だよ。エドに頼まれたから、漂流していたきみの船を回収して、きみを回復カプセルにいれたんだ。あ、僕はデータを精査するから、あとはエドから話を聞いてね。エドはすごく繊細だから、あんまり冷たい態度は取らないで。それときみの服は好ましくない放射線を含んでいるので、洗浄するよ。これを着てて」 にこっと笑い、ジョンはエリオットにも貫頭衣を渡し、天井の通気口へと消えた。「それで、おまえは話が出来るのか?」 床にへたり込んでいるエドに向かって、貫頭衣を身に着けながら、エリオットは問いかけた。「別に……。なんでも聞けよ」「あの生物はなんだ?」「わからない。俺もあんたと同じように、船が磁気嵐で壊れて、気がついた時にはここにいた」「なぜ、異生物とセックスをしている?」「したくてしてるわけじゃない! やつがヒューマノイドに興味があるというから、船のコンピューターへのアクセスの仕方を教えたら、娯楽用VRの知識を片っ端から俺に試してきたんだ!」「それに、唯々諾々と従っているのか?」「あんたの前に来たスクアモス人のマークってやつは、抵抗して殺されたんだぞっ!」 エリ