私は婚約者をインターンに譲る結婚式の前日、婚約者は彼の女のインターンに、私たちの婚姻届を代わりに提出させた。
けれど、受け取った婚姻届受理証明書に記されていたのは、そのインターンの名前だ。
婚約者はちらりとそれを見て、淡々と言う。
「ああ、時雨(しぐれ)のドジだな。書類を間違えただけだろ。
また今度、新しく作ればいい」
私は耳を疑った。
ただの「ドジ」で、私の人生を左右する結婚が台無しになる?
それでも私は泣き喚きはしなかった。ただ黙って結婚式の準備を続けた。
結婚式の日、私と指輪を交換する新郎を見て、婚約者の顔色が真っ青に変わった。
「おい、俺、婚姻届を新しく作れって言ったよな?お前、やってないのか?」
私は悔やむように言う。
「ごめん、私のドジだね。新郎を間違えちゃった。また今度、いい?」