時の狭間に消えた約束俺・霧島海人(きりしま かいと)が彼女に告白したあの夜、彼女は泣きじゃくっていた。
未来を見たとか何とか言って、俺とある「約束」を交わそうとしたのだ。
「どうして?」と聞くと、彼女はただこう言った。
「詳しくは覚えてないの。ただ、未来の私がすごく、すごく後悔してることだけは覚えてる……ねえ海人。これから何があっても、絶対に私に三回のチャンスをくれないかな」
雨宮美桜(あまみや みお)を深く愛していた俺は、もちろん二つ返事で頷いた。
しかしその後、彼女はその約束のことなどすっかり忘れてしまったようだ。
自分のマネージャーと、あんなにも親密な関係に溺れていた時でさえ。
そして今になってようやく、その理由がわかった。
離婚協議書にサインをしたその瞬間、懐かしい声が聞こえたからだ。
それは、十九歳の美桜の声だった。
彼女は泣きながら、こう言った。
「海人、約束してくれたでしょ?私に三回チャンスをくれるって……」