偽りの死を遂げた日、本当の人生が始まった鈴木奈津美(すずき なつみ)は、夫の鈴木圭太(すずき けいた)を心の底から愛していた。彼の初恋の人の代わりになることさえ、受け入れた。しかし、彼女を待っていたのは、心を切り裂かれるほどの傷だった。
奈津美の母親・松井陽菜(まつい ひな)が交通事故で危篤になったというのに、圭太は陽菜の命を救える唯一の医者を彼の初恋のところへ呼びつけた。そのせいで、陽菜は植物状態になってしまった。
圭太は初恋の後藤理恵(ごとう りえ)を守るために、家族の命を盾にして奈津美を脅した。奈津美は、従うしかなかった。
とうとう母親は亡くなり、お腹の子供まで失いそうになって……奈津美の心は完全に絶望した。そして、ずっと彼女を見守っていた丸山大輝(まるやま だいき)が、死を偽って逃げる手助けをしてくれた。
3年後、奈津美は大きなプロジェクトをたずさえて、華々しく帰ってきた。その時になってようやく圭太は、初恋の人に騙されていたと知る。そして狂ったように、奈津美に許しを請うのだ。「奈津美、俺が悪かった!」
でも、奈津美は冷たく笑うだけだった。「今、私が愛しているのは、大輝さんだよ」