押井守監督の'イノセンス'は、サイボーグ化した人類の自我を問う話題作です。前作'GHOST IN THE SHELL'から9年後を舞台に、より複雑化した人間と機械の境界を探求。美術監督の竹内敦志氏が創造した未来都市は、何度見ても新しい発見がある緻密さです。物語の随所に散りばめられた哲学的な問いかけは、再訪するたびに違った解釈が生まれます。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のサウンドトラックに収録されている『secret base ~君がくれたもの~』は、再訪というテーマを心に染みる形で表現しています。この曲は10年後の再会を描いた物語の核心であり、懐かしさと切なさが混ざり合う独特の雰囲気を持っています。
ZONEのオリジナルバージョンも素晴らしいですが、アニメ版ではキャラクターたちの声優によるカバーが使われており、物語の情感をさらに深めています。メロディーが単にキャッチーなだけでなく、過去と現在を行き来するような時間の流れを音楽で見事に再現している点が秀逸です。青春の一瞬を切り取ったようなこの曲は、何度聴き返しても新しい発見があります。