英語で感情を表現する時は、日本語よりも動作そのものよりも心理状態を直接描写する傾向があります。'地団駄を踏む'のような悔しさを表すなら、'be beside oneself with anger'とか'be boiling with rage'といったイディオムがぴったり。
漫画の翻訳でよく見かけるのは、文脈に応じて表現を変えるテクニックです。キャラクターが子供なら'throw a tantrum'、大人なら'seethe with anger'と使い分けることで、年齢に合ったニュアンスを出せます。大切なのは、単に言葉を置き換えるのではなく、その場面の感情の本質を捉えること。'One Piece'の英語版では、ルフィが悔しがるシーンで'I'm so frustrated I could scream!'という表現が使われていて、日本語のニュアンスをうまく伝えていました。
小説の翻訳でよく使われるのは'pace back and forth in agitation'という表現。落ち着きなく行き来する様子が、苛立ちをよく表しています。あるいは'kick the ground in frustration'とも言えますね。'ドラゴンクエスト'の英語版では、悔しさを表す際に'vent one's frustration'という言い回しも見かけました。
「じだんだ踏む」という表現、実にユニークですよね。この言葉のルーツを辿ると、平安時代まで遡る説があります。当時、地面を強く踏み鳴らす行為を「地踏鞴(じだたた)」と呼んでいたそうで、これが転じて「じだんだ」になったと言われています。怒りや悔しさを地面を踏みつける動作で表現する様子から、現在の意味に繋がったようです。
英語で表現するなら、'stomp one's feet in frustration'が近いニュアンスでしょう。漫画『進撃の巨人』で主人公が悔しさのあまり地面を蹴るシーンを思い浮かべると、この表現のイメージが掴みやすいかもしれません。イライラした時に無意識に足をバタバタさせるあの動作、世界中で通じる感情表現なんだなと感じます。
面白いことに、フランス語では『taper du pied』(足を叩く)、スペイン語では『patear el suelo』(地面を蹴る)といった類似表現があります。文化が違っても、悔しい時の身体表現に共通点があるのは興味深いですね。